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ケンコーコム、楽天グループの投資会社が筆頭株主に

2011年 3月24日 18:51

 ケンコーコムは3月17日に開催した取締役会で、楽天グループの投資会社・RSエンパワメント(RS社)を引き受け先とする第三者割当増資を行うことを決議した。RS社はケンコーコム株式7480株を取得。後藤玄利代表と並ぶ出資比率18・4%の筆頭株主になるが、純投資目的でケンコーコムの経営には関与しないという。ケンコーコムでは調達資金をシステム投資等に充当し事業基盤を強化。シェア拡大を優先した中長期的な成長戦略を進める。

 今回の第三者割当増資で発行する新株は普通株式7480株。発行価額は1株5万2600円でケンコーコムは、3億9144万8000円(諸費用200万円除く)の資金を調達する。

 使途の概要は、基幹システムの刷新費用1億5000万円、運転資金1億4100万円、海外事業への投資1億円など。基幹システムの刷新では、総合業務パッケージの導入を予定しており、手始めに経営・財務管理関連のシステム切り替えに資金を充てる。また、運転資金については、商品在庫に1億3000万円、人件費に1100万円を充当する予定で、これによりベースとなるロングテール戦略の推進を図る考え。海外事業関連では、マーケティング費用やシステム投資への充当を予定する。

 ケンコーコムでは、資金調達手法について、銀行からの借り入れなども検討したが、調達の確実性や費用などを考慮し、第三者割当の実施を決定。仮想モールを運営する楽天グループの純投資会社であれば、短期的な利益追求ではなく、シェア拡大を優先した中長期視点の成長戦略に理解があると判断し、RS社を割当先に選定。昨年12月頃から両社で条件の協議・交渉などの作業を進めていたという。

 ケンコーコムはこの数年、シンガポールでのネット販売子会社設立や、現地企業との連携による中国でのネット販売、卸の展開など、海外事業を積極的に進めている。一方、基幹事業である国内の健康関連商品ネット販売は、日用品などの価格競争の激化などから収益面で苦戦を強いられているが、今回調達した資金をもとに、次の成長に向けた体制作りを進める考えだ。
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