日本代理収納サービス協会、二重・不正請求で対応策
コンビニ収納代行サービス、"代理受領"明確化など、規制議論再燃を抑止
収納代行事業者やコンビニ本部企業などで構成する日本代理収納サービス協会(事務局・東京都中央区、西村英彦会長)は、通販商品代金等のコンビニ収納代行サービスに関わる消費者保護ルール作りを進めている。収納代行事業者が破綻した場合の顧客に対する二重請求の可能性の指摘に対し、契約書等に代理受領であることを明記するほか、不正請求問題への対応策も検討。来年度から具体的な取り組みを始めたい考えだ。収納代行については一時、金融庁が金融規制を掛ける動きを見せていたが、業界として自主的に消費者保護を図ることで、規制議論の再燃を防ぐ構えだ。
収納代行を巡っては、2008年に金融審議会第2部会のワーキンググループ(WG)で金融庁が規制の必要性を指摘。コンビニ店頭で消費者から収納した各種料金が収納代行業者を通じ通販などのサービス利用企業に支払われる流れが銀行法で規定する為替取引の疑いがあるというもので、これに対し収納代行業者やコンビニ側は、収納代行は商取引に関わる代理受領であると主張。結局、WGでの議論は平行線を辿り、金融庁側も規制導入は見送ったが、報告書で収納代行に為替取引の疑義があると明記するなど、何らかの問題が生じた場合、規制議論を再燃させる構えを見せていた。
これに対し収納代行業者とコンビニ側は、経済産業省と連携する形で、金融庁などが指摘していた収納代行業者破綻時の消費者への料金二重請求の可能性、不正請求の問題などの対応策を検討。現在、日本代理収納サービス協会が進めている消費者保護ルール作りの取り組みは、こうした流れを受けたものになる。
まず、二重請求の問題への対応策については、収納代行の利用契約レベルで代理受領であることを明確化にする。もともと代理収納のコンビニ収納代行は店頭で各種料金の支払いが完了するため、収納代行業者が破綻しても消費者が委託事業者からの二重請求リスクを負うことはないが、事業者間の契約書では必ずしも代理受領によるサービスであることが明記されていないため、その徹底を図る。
コンビニ収納代行は、コンビニ本部と店頭での各種料金収納の委託契約を結ぶ収納代行業者が通販等の委託事業者にサービスを提供しているが、代理収納サービス協会によると、コンビニ本部と収納代行業者、収納代行業者と委託事業者のそれぞれで、コンビニ収納代行が代理受領であることを確認する覚書の取り交わしなどを行うことになるようだ。
大手総合通販事業者の場合、直接コンビニ本部と委託契約を結んでいるケースもあるが、これについては「コンビニ本部側から直接契約を結ぶ事業者に覚書の締結などを打診することになると思う」(西村会長)という。
また、消費者への周知策として、払込票にコンビニ収納代行が代理受領であることを明記する考
え。現在、同協会の分科会や理事会で記載する文言などを詰めている状況で、払込票を自社発行している通販事業者の場合、対応の検討が必要になりそうだ。
一方、不正請求については、定義として消費者が購入していない商品の代金請求と、代金を支払ったのに商品が届かないケース、商品自体が違法、公序良俗に反するものといった3パターンを設定し、問題が発生した際の対応策を検討している。
日本代理収納サービス協会では、年度末に当たる3月までに各施策の内容を固め、総会での承認を得た上で来年度から具体的な取り組みを始める意向。このほかに消費者からの問い合わせに対応する窓口の設置なども検討していく考えだ。
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収納代行を巡っては、2008年に金融審議会第2部会のワーキンググループ(WG)で金融庁が規制の必要性を指摘。コンビニ店頭で消費者から収納した各種料金が収納代行業者を通じ通販などのサービス利用企業に支払われる流れが銀行法で規定する為替取引の疑いがあるというもので、これに対し収納代行業者やコンビニ側は、収納代行は商取引に関わる代理受領であると主張。結局、WGでの議論は平行線を辿り、金融庁側も規制導入は見送ったが、報告書で収納代行に為替取引の疑義があると明記するなど、何らかの問題が生じた場合、規制議論を再燃させる構えを見せていた。
これに対し収納代行業者とコンビニ側は、経済産業省と連携する形で、金融庁などが指摘していた収納代行業者破綻時の消費者への料金二重請求の可能性、不正請求の問題などの対応策を検討。現在、日本代理収納サービス協会が進めている消費者保護ルール作りの取り組みは、こうした流れを受けたものになる。
まず、二重請求の問題への対応策については、収納代行の利用契約レベルで代理受領であることを明確化にする。もともと代理収納のコンビニ収納代行は店頭で各種料金の支払いが完了するため、収納代行業者が破綻しても消費者が委託事業者からの二重請求リスクを負うことはないが、事業者間の契約書では必ずしも代理受領によるサービスであることが明記されていないため、その徹底を図る。
コンビニ収納代行は、コンビニ本部と店頭での各種料金収納の委託契約を結ぶ収納代行業者が通販等の委託事業者にサービスを提供しているが、代理収納サービス協会によると、コンビニ本部と収納代行業者、収納代行業者と委託事業者のそれぞれで、コンビニ収納代行が代理受領であることを確認する覚書の取り交わしなどを行うことになるようだ。
大手総合通販事業者の場合、直接コンビニ本部と委託契約を結んでいるケースもあるが、これについては「コンビニ本部側から直接契約を結ぶ事業者に覚書の締結などを打診することになると思う」(西村会長)という。
また、消費者への周知策として、払込票にコンビニ収納代行が代理受領であることを明記する考
え。現在、同協会の分科会や理事会で記載する文言などを詰めている状況で、払込票を自社発行している通販事業者の場合、対応の検討が必要になりそうだ。
一方、不正請求については、定義として消費者が購入していない商品の代金請求と、代金を支払ったのに商品が届かないケース、商品自体が違法、公序良俗に反するものといった3パターンを設定し、問題が発生した際の対応策を検討している。
日本代理収納サービス協会では、年度末に当たる3月までに各施策の内容を固め、総会での承認を得た上で来年度から具体的な取り組みを始める意向。このほかに消費者からの問い合わせに対応する窓口の設置なども検討していく考えだ。