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ケンコーコム・後藤社長に中国参入の背景を聞く

2010年12月16日 17:25

5men.jpg 海外事業を積極化するケンコーコム。中国の健康関連ネット販売事業者・レッドベビー(RB)、ドラッグストア運営のLBXファーマシー(LBX)と組み、中国でネット販売事業と卸事業に乗り出す狙いについて、後藤玄利代表に話を聞いた。(聞き手は本紙編集次長・後藤浩)

 いつ頃から中国進出を具体的に考えていたのか。

 「2、3年前から考えていたのだが、中国人スタッフが揃いスピード感を持って業務を回せるようになったため、中国への進出を決めた。RB、LBXと話を始めたのが今年度に入ってからだ」

 現地企業と組むメリットは。

 「事業立ち上げのスピードを速くできることだ。中国のEC市場は前年比3・5倍で拡大しており、その中で5倍、10倍といったペースで伸びている事業者もある。丁度2000年前後の日本のような感覚だ。中国市場で地位を築くためには、今参入しなければ機会を失う。それに事業展開のスピードも必要になる」

 現地企業との取り組みの状況は。

 「当社の海外事業部が窓口となり、粛々と協業する業務などを組み立てているところだ」

 RBの通販サイトを通じネット販売を行うが、どのような形になるのか。

 「RB通販サイトの1コーナーを当社が担当することになる。RBで受けた注文データが当社に入り、日本から商品を発送する形で、中国の顧客からすると個人輸入になる。品揃えについては、まだ何ともいえないが、ベビー関連に限らず中国消費者にニーズのある日本の商品を扱うことになるだろう」

 卸事業については。

 「LBXは、中国南部を中心に全土で約400店のドラッグストアを店運営しており、リアル店舗を中心に展開していくことになる」

 今、日中関係が微妙だが、何か影響は。

 「その部分で影響は全く感じていない。それに中国では、日本企業としてではなく、現地出身者を中心としたローカルな事業展開を考えている」

 海外市場に目を向ける理由には、医薬品ネット販売規制の影響もあるのか。

 「それはかなりある。あの規制で伸びるカテゴリーをもがれてしまった。今、日本のネット販売市場は、アマゾンが送料を無料化するなど完全に価格競争になっている。彼らが日用品の分野に参入しようとしている中で、我々が差別化できる医薬品販売を否定されるのは、非常に影響が大きい。日本の市場でも、それなりの規模は取れるが、成長が鈍化し、消費財はマイナス成長に近い形になるだろう。まだ中国のネット販売市場は規模が小さいが、これから何倍にも成長していくことを考えれば有望だ」

 医薬品の減収分を海外事業で補完することになるようだが、既に事業を開始しているシンガポールの状況は。

 「9月の段階で月商2300万円程度だが、順調に伸びている。医薬品ネット販売規制で失った売り上げ(月商約5000万円)を早く取り戻したいと思う」

 中国での事業の展望お聞きしたい。

 「事業の開始時期や将来的な事業規模などは、まだ具体的に決まっていないが、成長が著しい市場なのでスピードは大事にしていきたい。当社の強みは、日本のサプライヤーとの強いコネクション。今まで作ってきたサプライチェーンを使い、中国の顧客に日本の健康ライフスタイルを広げていきたい」
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