TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

日本百貨店協会「eビジネス白書」② 店頭商材が売り上げけん引

2010年12月 5日 22:53

独自商品の拡充など課題

前回に引き続き、日本百貨店協会がまとめた「2010年版百貨店eビジネス白書」から、09年度における百貨店24社のネット販売の状況をみていく。

 百貨店各社が通販サイトに掲載している商品をカテゴリーごとにみると、「食料品」はすべての企業が扱っており、次いで「家庭用品」の75%、「化粧品」の63%と続き、これら3分野は前回同様に百貨店のネット販売で重要な商品となっている。「紳士服・洋品」と「婦人服・洋品」「子供服・用品」はそれぞれ54%と半数程度にとどまっているのが実情だ。

 カテゴリーごとの商品展開点数は、「食料品」が平均2455点でもっとも多く、次いで「化粧品」の1960点、「婦人服・洋品」が1233点、「家庭用品」が1134点となっている。

 また、カテゴリーごとの売り上げも、「食料品」が平均6億7085万円でもっとも高く、「その他」が3億3509万円、「家庭用品」が1億4560万円、「化粧品」が1億3006万円、「婦人服・洋品」が1億805万円と続く。

 今後、通販サイトで充実させる商品については、やはり「食料品」が79%でトップ。次いで「化粧品」(67%)、「家庭用品」(58%)となり、現在の主力商品を引き続き強化させたい意向であることがわかる。

 通販サイトの取り扱い商品をみると、各社とも「中元・歳暮などの商材」は100%扱っており、「店頭取り扱い商材」は92%と前回(84%)よりも取り扱う企業が増えている。一方の「ネット販売独自の商材」は29%と前回(36%)を下回った。

 カテゴリー別の売上高シェアでも、「中元・歳暮などの商材」が60%、「店頭取り扱い商材」が20%で、これらでネット販売売上高全体の80%を占めており、「ネット販売独自の商材」は8%にとどまっている(図表を参照)。
6-2.jpg
 また、通販サイトの商品調達については、「ネット販売独自の商材」の52%、「通販取り扱い商材」の29%がネット販売専任バイヤーによる調達で、物流では「ネット販売独自の商材」の66%、「通販取り扱い商材」の40%、「店頭取り扱い商材」の1%がネット販売専用の物流だった。

 これらのことから、ネット販売専用商材や通販取り扱い商材の一部では選任のバイヤーや物流体制を整えているが、中元・歳暮の商材や店頭取り扱い商材では店頭バイヤーや既存の物流が主流ということがわかる。

 白書では、中元・歳暮以外の商品取り扱いや、地場の特産品など独自性の確立、ネット販売用の商品開発を含めた魅力的なサイト構築と商材の拡充などにより、他社との差別化を図る必要があるとしている。 (つづく)


楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売