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千趣会・中山茂EC開発部長に聞く――"Wiiコマース"の方向性は・第3回

2010年12月 5日 22:43

食品はマッチした商材、Wii独自の動画展開でエンタメの領域へ

前回に続き、「Wiiの間ショッピング」の開発留意点などについて、千趣会の中山茂EC事業開発部長に話を聞いた。
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 ご自身、ECの経験が長いわけだが、「Wiiの間ショッピング」を開発してみて、改めて「Wii」とPCの違いをどう感じているのか。

 「PCは論理的に作られているが、『Wii』は感覚的だという違いがある。操作をして引っかかるもの、顧客が次に知りたい情報、購入したくなる画像とはどういうものかといったことがPCとは全く違う。設計段階でもかなり留意して作ったのだが、実際に動かしてみると、まだ少し違うという感覚がある」

 スペック的な部分ではどうか。

 「メモリの持ち方がPCと異なる、PCのような画面スクロールが難しい、1画面で表示できる情報量に限界があるなど、PCとは勝手が違った。ただ、できないからこそ割り切れる部分もあり、その中でユーザーが使いやすいコンテンツに仕上げることを目指した」

 「Wiiの間ショッピング」では商品紹介で動画を活用している。

 「テレビの場合、PCのようにアクティブに商品を探すのではなく画面を眺めている人が多いと考え、商品紹介も動画をベースにしている。Wiiの間さんを通じて作成しており、長いもので約7分。子供さんを意識し、歌とアニメを組み合わせた動画もある。今後、毎月10商品ずつ動画を投入していく予定だ」

 ECでも動画が活用されつつあるが、「Wii」ならではのメリットは何かあるのか。

 「PCでも『ユーチューブ』のようなものはあるが、自分で見たい動画を探すのが主流で、ECではまだアクティブに使われていない。これに対し、『Wiiの間ショッピング』の場合、プッシュ型で動画をどんどん見ることができ、気に入らなければ次の動画に移ることもできるという、テレビショッピングにはない特徴もある」

 「Wiiの間ショッピング」実際の受注状況についてお聞きしたい。

 「まだアーリーアダプターの方が中心で、本来ターゲットとしている層の利用は少ない。だが、その中で反応がいいのが食品やオリジナルのスタンプ、シールだ。特に食品は、大画面で見た時の迫力やしずる感がある。衣料品等と違い、家族全員で楽しめるという点でも、食品は『Wiiの間ショッピング』にマッチした商材と言える」

 「Wiiの間ショッピング」の利用拡大を図る上で何が必要か。

 「ユーザーにとって『Wii』でショッピングをするのは初めての経験。そのため、まず便利に使えるという意識付けから入っていかなければならないと考えている」

 ネット接続率もポイントになってくるが。

 「任天堂さんにも『Wiiの間ショッピング』をユーザーのネット接続のモチベーションにするという施策的な考えがあると思う。『Wii』はネットに接続して遊ぶものだという認識が広がれば、それが追い風になり母数も増えてくると思う。恐らく接続率は確実に上がっていくだろう」

 千趣会として「Wii」が活用できるメリットは。

 「まず挙げられるのは、当社が持っているものを顧客に提示できる新たなツールができたことだ。また、レッドオーシャンのECで戦っていかなければならない中で、ブルーオーシャンの領域を開拓できたことも大きい。今後、『Wiiの間ショッピング』をさらにブラッシュアップしていき、家族で楽しめるエンターテイメントと言い切れるような形にしていきたい」(おわり)




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