健康食品通販を行うニコリオは、腸内環境の改善を図る「腸活」をテーマに、事業基盤を強化する。関連製品の商品ラインアップを充実させる。独自の乳酸菌開発など、「腸活」関連の研究も進めることで、企業ブランドの確立を狙う。

　腸内環境関連の市場は、約1500億円に達するとされ、「腸活」の浸透も進む。ダイエットや便通など健康面、美容にも関連することから、サプリメント、化粧品、美容機器、検査サービスなど産業のすそ野も広い。ニコリオは、これをテーマに、来期に前年比10%前後の売上増を目指す。

　現在の新規獲得の主力は、酪酸菌を配合し、腸内環境の改善を表示する「ラクビプレミアム」(=画像)。機能性関与成分に酪酸菌を使うのは同社のみ。最終製品を使った臨床試験で機能を評価し、競合製品と差別化する。

　昨年から、「ラクファイバー」(便通・ダイエット関連)、「フコジー」(ダイエット関連)、腸内環境から美容への働きかけが期待される「オートファジック」など、関連製品の充実も進めており、既存顧客への提案でクロスセルを行う。

　独自の乳酸菌の開発も進める。独自に探索した「フローラエイド乳酸菌」について、便通や腸内環境への影響に関する研究知見を深めるため、東北大学や協力企業と共同研究を行う。来年以降、製品を使った臨床試験を行い、機能性表示食品として展開を目指す。

　事業の売上構成比は、現在、サプリメントが9割以上を占める。美容領域でも、新規事業の一環で、美顔器やホットビューラーなど美容家電の展開を始めている。「腸活」や「菌活」を軸に、化粧品事業の見直しも検討する。

　腸内環境関連の市場は、腸内細菌から産生される短鎖脂肪酸に便通、ダイエットケアなど多様な作用があることから、徐々に認知が進む。

　今年8月には、腸内環境の評価技術を持つメタジェンと食品大手十数社が短鎖脂肪酸普及協会を設立。腸内環境に特化した学術団体の日本ガットフレイル会議もある。ニコリオもこれら団体に、賛助会員として加盟。研究・学術界との関係強化を進めている。