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アマゾンジャパンが「ふるさと納税」に参入 翌日配送などで差別化

2024年12月23日 12:00

 アマゾンジャパンは12月19日から、運営する通販サイト内で「Amazonふるさと納税」を開始した。一部の顧客からスタートし、段階的に寄付の受け付けを行う。返礼品の配送には出品者向けに展開中の物流代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」も活用、あらかじめアマゾンの倉庫に返礼品を保管、通常の商品同様に最短で受注日翌日に返礼品を寄付者に配送する。開始時点では参加する自治体のうち、半数がFBAを利用し、12月時点で数千点の返礼品が翌日配送できる体制だという。なお、最短翌日に配送する商品ページや商品検索結果にも独自マークを付与し利用者が対象返礼品を探しやすくしたという。

 なお、競合サービスは寄付額に応じて独自ポイントを付与しているところが多いが、総務省がふるさと納税サービスへのポイント付与を禁止する意向を示していることを踏まえ、「総務省のガイドラインに則り、ふるさと納税サービスを運営していく」(セラーサービス事業本部カテゴリー事業本部の露木一帆事業本部長)とし、通常の商品販売時には購入額に応じて付与する同社独自ポイント「Amazonポイント」はふるさと納税の寄付では付与は行わない。

 同サービスはスタート時点で約1000自治体が参画、約30万点の返礼品を取り扱う。返礼品は各自治体の地場企業らが生産・製造する食品や雑貨などの地場産品。また、「Amazonふるさと納税」限定の返礼品も展開。長崎県波佐見町の返礼品となるAmazonのロゴ入り波佐見焼マグカップのほか、能登半島地震で被災した石川県の七尾市や能登町の返礼品としてアマゾンが展開中の楽曲配信サービス「Amazon Music」のノウハウを活用して人気アーティストを迎え開催する復興支援コンサートなども取り扱うとしている。

 膨大な顧客数を抱えるアマゾンのサイト内でふるさと納税サービスを展開、また、FBAを含む物流サービスおよび物流網を活用した迅速な配送などを強みに競合サービスと差別化を図り、さらなる自治体の参加や独自返礼品開発などを進めていく考えのようだ。

 12月12日に都内で開催した記者会見には同サービスに参加する北海道・上士幌町の竹中町長、長崎県・波佐見町の前川町長とオンラインで石川県・能登町の大森町長が登壇し、参画の狙いなどについて説明した。大森能登町長は「能登半島地震の影響もあり、ふるさと納税の返礼品の発送が遅延することもある。配送のノウハウを持つアマゾン(のふるさと納税サービス)に参加することで一気に改善できるのではないかと考えた。また、アマゾンさんよりアイデアを提案頂き、オリジナルの返礼品として支援コンサートを開催することになったが非常にありがたいこと。コンサートを通じて日本全国から皆様にお越し頂き、町が活気づくことを期待している」などと述べた。
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