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明治が自社通販再開へ、腸内細菌測定と飲料セットで

2024年12月 5日 12:00

 明治は他社と共同出資する関連会社を通じて、自社通販を再開する。過去には行っていたが、現在はECモールにおける販売だけだった。腸内細菌の測定を通じて、これに応じた飲料をECで販売する新事業を立ち上げる。

 12月から、明治とデジタル支援のCo-Lift、事業戦略立案のGEKIJOの3社が共同出資したWellnizeを通じて展開する。腸内環境を5タイプに分類し、検査サービスとタイプに合わせた食領域の飲料「インナーガーデン」を販売する。

 検査サービスでは、ユーザーにキットを送付し、代表的な5種類の腸内細菌の量やバランスを測定する。効率よく腸内細菌を増やすため、各ユーザーの腸内に多い菌と相性のよい機能性成分を配合したココア飲料の利用も提案する。これにより、腸内細菌の産生に関わる「短鎖脂肪酸」を増やす。

 当面は腸内に多い5種類の菌の測定に絞る。ユーザーへのアドバイスやユーザー間の話題共有を踏まえ、体内に多い腸内細菌にした。将来的には、顧客ニーズの把握を通じて、ほかの腸内細菌の測定、商品ラインアップの拡充も検討する。測定は、受託臨床検査等のH.Uグループ中央研究所が行う。独自の腸内環境評価手法の開発、試験・解析をサポートするメタジェンが監修する。

 運営する関連サイトでは、腸内細菌の量を偏差値化した「菌偏差値」などを確認でき、再検査で飲用後の変化も知ることができるようにする。生活習慣や腸に関する情報も配信することで、健康習慣として「腸活」の浸透を図る。

 腸内環境関連の市場は、約1500億円に達するとされる。検査サービス等の市場も、50年に約4倍の3.7兆円(20年比)になるという経済産業省試算がある。「腸活」の訴求は、健康食品、化粧品でも増えている。

 腸内細菌を測定する検査サービスはすでにあるが、全ての細菌を網羅的に測るものなど、高価格であることが市場拡大の課題とみる。

 明治は特定の細菌に絞り、競合品に比べ安価に提供する。検査を含む初回限定セットは、1万2000円(税込み)。検査サービスは、9000円(同)、飲料は6000円(約1カ月分24本)で販売する。需要の増加に応じて、価格の見直しも検討する。

 検査サービスは今年9月、唾液から免疫状態を把握できる「免疫チェック」(税込3278円)を始めている。商品宅配や通販、健康診断、企業の福利厚生で提案。ただ、機能性表示食品の届出などには至っておらず、検査のみで食品の販売は行っていない。

 新サービスも身体の状態を可視化する事業の一環。相互に連携して提案する。
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