花王は専用の洗浄液を内蔵し、湯とともに浴びながら身体を洗浄できるシャワーヘッドの販売を始める。量販店やドラッグストアなどへの卸販売など本格展開を予定する来春を前にアスクルが運営する通販サイト限定で12月23日から先行販売する。シャワーを浴びるだけで洗浄できるという新しいコンセプトは「風呂が面倒」という人への利便性、「背中もきれいに洗える」という美容面で訴求でき、また、一般消費者だけでなく介護施設など事業所の需要もありそう。花王ではジムなど実際に同商品を試せるプロモーションを展開、拡販していく考え。

　花王が製造販売する「ビオレ ザ ボディ泡で出てくるボディウォッシュ シャワーヘッド」はシャワーヘッドのタンクに、シャワーのみで汚れを落とせるように活性剤などの成分を入れた専用洗浄液を投入、シャワーを浴びるだけで身体を洗うことができるもの。

　使い方は自宅のシャワーヘッドを同商品に交換。シャワーヘッド上部のタンク口から洗浄液を注入し持ち手の切替スイッチで「泡モード」を選択の上、シャワーを浴びると洗浄液が合わさった泡が放出、体の汚れを乳化。「通常モード」に切り替えて泡を落とすだけで身体をきれいに洗うことができる。

　洗浄液ではトップメーカーである花王が「専門外」とも言えるシャワーヘッドを販売する理由について「いかに肌に負担なく洗うことができるかを追求してきた。『スポンジで洗う』から『手のひらで洗う』へと泡で洗える洗浄液を展開してきた。さらに手すら使わない洗い方としてシャワーヘッドに行き着いた。こすり洗いせず、肌のカサつきをなくすることはもちろん、手では洗いにくい背中などもきれいに洗えるメリットもある」(ヘルス&ビューティーケアスキンケア事業部ビオレu・石鹸ブランドマネージャーの石井嗣人氏)という。

　同商品はシャワーヘッドと洗浄液をセットで1万2800円で販売。洗浄液は600円で単品販売も行う。

　12月23日からアスクルの事業者向け通販サイト「ASKUL」と消費者向け通販サイト「LOHACO」で先行販売を行う。「個人はもちろん、介護施設など法人にも需要があるとみている。アスクルでまず販売して反応や売れ行きをテストしたい」(石井氏)とする。

　先行販売を前に11月9、10日にアスクルが東京・二子玉川で開催した商品展示会「いい明日がくる展」で同商品を展示、加えて来場者が同商品を体験できるブースを出展した。今後もジムや銭湯などシャワー設備のある施設に同商品を置いたり、来夏をめどに海やキャンプ場などに同商品を搭載した専用車を派遣して認知アップを進める考え。来春には量販店やドラッグストアなどへの卸販売などを含めて本格販売を開始予定。「シャワーで洗う」という新しい提案で、シャワーヘッドはもちろん、専用洗浄液の継続販売という安定的な収益確保を狙う。