TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

ベガコーポレーション アプリと店舗で購入支援 購入前に多面的な商品体験を

2024年11月21日 12:00

 家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、家具商品の購入後のミスマッチを防ぐため、実店舗やシミュレーションアプリを通じた商品体験を提供している。11月14日には都内の「LOWYA二子玉川ライズ店」で、3D家具配置シミュレーションアプリ「おくROOM」の体験会を開催。あわせて、実店舗を通じたOMOの仕組みなども公開した。

 同アプリは自社開発で、3D家具の配置シミュレーションが行えるもの。部屋のサイズや予算を入力するだけで自動で好みの部屋を無限に生成する。プロのスタイリストが作ったインテリアアイデアを取り入れることができ、家具の配置に悩むことなく、指定されたテイストや予算に応じたコーディネートを提案するという。

 完成した部屋については保存して一括購入することや、他の人のスマホ上でもイメージを共有できる。対象となる3D家具のモデルは同社の商品1000点以上で、まずは収納をはじめとした売れ筋の大型商品が中心となっている。通販サイトで常時取り扱う商品の6~7割をカバーしており、今後も順次追加していく。

 これまでEC事業を展開する中、顧客から「思ったよりも大きかった」、「置いたら統一感が出なかった」など届いた後でイメージの違いを感じたとの声が一部で聞かれていたという。同アプリはその問題を解消するもの。購入前にサイズや色柄、テイストなどをシミュレーション画面で忠実に表現し、また、引っ越しや模様替えといった際にも、顧客が想像の中だけで行っていたレイアウト作業を同アプリが視覚的にサポートしていく。「今回は、売り上げを伸ばしたり、まとめ買いを促進するためというよりも、コーディネートの手間を減らすことに役立ちたいということがあった」(浮城智和社長)とした。

 同アプリについて広告宣伝などは行っていないものの、提供直後からSNSで話題となり、一時は「App Store」の無料アプリランキングでトップ5に入るなど順調にダウンロード数が伸長。3月に入ってからの引っ越しシーズンでは、更に利用者数が伸びると見ている。今後はPC版の提供や、ゴーグルツールへの対応なども検討していく。

店内デバイスでも商品機能訴求

現在、同社ではECだけでなく直営の実店舗事業も強化しており、11月末には累計で全国8店舗となる。シミュレーションアプリと並行して、商品イメージをより深く体験できる機会を様々な角度から提供している。

 一部の実店舗ではスタッフだけでなく、据え置き型のタブレット型デバイスで接客を支援。二子玉川店内では数カ所に設置しており、それぞれ個別の商品スペックやSNSで公開している情報などを表示。来店者は画面上のQRコードを読み込むことで、ECの購入ページに移れるようになっている。

 店内には一目ではその機能性までが伝わらないような商品もあり、収納(収縮)機能や複数の用途を持ったアイデア家具などの付近に置くことで、画面上に流れる商品動画から内容を解説。「言わないと伝わらず、分からないこともある。必ずしも接客を望む来店者だけではないので、何気なく立ち寄った人に対してもタブレットで伝えることができる」(同社)とした。

 タブレット自体を来店者が手に持って操作できるため、今後はその利用状況を確認しながら対象商品などを選定していき、また、各店舗内の導線も踏まえて、導入店舗数を広げていく考え。
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売