フェリシモが25年版チョコカタログで予約販売開始、 「カカオ危機」踏まえた提案も
2024年11月14日 12:00
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同カタログでは毎年、〝チョコレートバイヤーみり〟こと、バイヤーの木野内美里氏が日本初上陸となる海外チョコを現地で発掘し、掲載するのが恒例となっている。今回は33の国と地域から87ブランド・157点、うち日本初上陸20ブランド・42点、同社限定130点の海外ローカルチョコを掲載した。
25年版カタログの表紙には、チョコだけではなくカカオ豆も掲載した。11月8日に都内で開催された記者発表会において、木野内氏は「当社はメーカーではないので、これまではチョコ自体を表紙にし続けてきたが、『カカオショック』には触れずにおられようかということ。新しいチョコのありかたも考えなければいけない。ただ、カカオ豆と一緒に、当社のアイデンティティーであるローカルチョコレートも載せた」と説明。今年はカカオ豆の不作から価格が急騰する「カカオショック」が出来。それを踏まえて、サステナブルなチョコの提案も行った。
今回木野内氏は、ガーナ、アラブ首長国連邦、ギリシャ、ブルガリアを来訪、新カタログにも当地のチョコを掲載した。木野内氏は今年、カカオ産地の児童労働をなくす活動において、ガーナの視察ツアーに参加。こうしたことから、カカオ産地であるガーナのショコラティエのチョコも販売する。ガーナ産コーヒー豆が入ったもので、カカオ豆からチョコレートを製造するまでの全工程を一貫した、近年流行の「ビーン・トゥー・バー」だ。
スロバキアのチョコレートは、牛乳などを使わないヴィーガン向け。コロンビアに自社の契約農場を持っており、フェリシモとの仕入れ交渉の際には唯一「値下げ」を持ちかけてきたのだという。「自社農園を持っていたり、フェアトレードで契約したりしてきたショコラティエは、カカオショックのような危機に強く、びくともしていない」(木野内氏)。
また、カカオの代替品として「キャロブ(イナゴマメ)」を使用した、添加物不使用、カフェイン・グルテンフリーの健康的なチョコとして、インドネシアのキャロブチョコも掲載。木野内氏は「キャロブの生産量はカカオ豆とは比較にならないほど少ないが、カカオアレルギーの人や、カフェインが駄目な人でも食べることができる。チョコではあるが、ジャンクな雰囲気が無いのが特徴」と話す。
なお、カタログ掲載の全チョコレートは販売価格の約1%が「LOVE&THANKS基金」として、カカオの生産地ガーナの児童労働を無くす活動に拠出される。また2024年度に引き続き、平和を願い、〝心の平和〟という意味のカラーであるブルーのチョコレート特集を実施。「青チョコが幸せを呼ぶ」シリーズとして基金額を約2%に増額する。