オイシックス・ラ・大地は、BtoBサブスク事業で社員食堂や高齢者施設への給食の導入を始めた。人手不足や、人件費と食材費の高騰といった課題を、ミールキットを活用することで解決する。生野菜の使用による付加価値の向上と、省人化によるコスト削減を図る。2030年に売上高1000億円、給食市場シェアは約2%の獲得を目指す。
今年1月にシダックスを連結子会社化した。メニューの企画立案や製造を手掛けるオイシックス・ラ・大地と、企業や高齢者施設向けに営業や販売を行うシダックスがチームを組んですすめる。
冷凍品やチルド品を組み合わせたメニューを提供する。メインの肉や魚を調理済みとすることで現場の調理負担を軽減。トッピングに生野菜を使用することで、色どりの良いメニュー提供を実現する。配送はシダックスの自社便で行う。
社員食堂向けには宅配ブランド「Oisixの人気メニューや、有名店とのコラボメニューを提供し満足度を高める。またケータリングを行う専門会社と協業しイベントやパーティ需要に応える。スムージーなどウェルネスメニューの提案も行う。
現状、社員食堂は約1000カ所の運営を受託している。コントラクト業界が多く、オフィスと工場を合わせて7割を占める。社内コミュニケーションの向上や、離職率の低下など企業のニーズやコストに応じた提案を行い、導入企業を獲得する。
高齢者施設向けには食の楽しみを提供。省人化した高齢者向けのミールキットに加えて、イベントや行事食にも対応。和洋折衷のおやつで入居者の満足度を高める。今後、スムージーやジュースの提供も検討し他社との差別化を図る。
ターゲットは、特別養護老人ホームと介護老人保健施設、有料老人ホーム。今後デイサービスへの提案も検討していく。食事の満足度向上で施設の入居者獲得に貢献する。
オイシックス・ラ・大地は保育施設向けに給食を提供する「すくすくOisix」を展開。給食用ミールキットを導入した施設の調理時間が約30%短縮し、人件費は18%削減に貢献した。完食率は6%改善するなど施設の満足度向上に寄与しているという。
堤BtoB事業統括に聞く 給食事業の今後は?
オイシックス・ラ・大地はBtoB事業を推進する。給食市場で狙うポジションや、主力事業のBtoCサブスクとの相乗効果について堤祐輔取締役BtoB事業統括兼シダックス取締役に聞いた。
――売上目標の1000億円は、約5兆円の市場で約2%のシェアになる。
「給食市場は約4.8兆円で、今後5兆円まで成長するとされる。上位10社の合計占有率は2割に満たない程で、給食市場は中小や地場の企業が多い。シダックスは10位に位置付け、チャレンジャーの立場だ。業界再編も起こると思うが、売上高1000億円規模になると上位3~5位の立場となり、人手不足など市場の課題に対する貢献度も増す」
――BtoB事業のシナジーは。
「オイシックス・ラ・大地が製造したものを、シダックスが調達、導入施設に提供する。BtoCの製造設備を活用するため製造工場の稼働率が高まる。例えばハンバーグはtoBとtoCを一緒に製造することによって工数が下がり効率化に寄与する」
――調達面は。
「シダックスにとっては、国産の特別栽培野菜や有機野菜を、価格競争力を維持しながら調達できる。野菜を訴求するメニューの提供が可能となり差別化になる」
――原価への貢献は。
「食材費自体が高騰している。『Oisix』と同じ基準をクリアした食材を使用しており、今後も食材費は上がるだろう。省人化で人件費を抑えコスト削減に貢献したい」
――BtoCサブスクとのマーケティングのシナジーは。
「考えはあるが、優先度は上げていない。給食を導入する保育園の保護者が『Oisix』を知ってお客様になってくれたことはあった。高齢者施設でも、入居者獲得の特典として『Oisix』を活用したいとの意向もあった。今後期待している」
――「Oisix」のノウハウはどう活用するか。
「保育施設では食育をやっているが、同様に高齢者施設でも食を通じたレクリエーションを行う。お寿司やてんぷらを提供すると入居者は元気になるが、職員の負担が大きく難しい。ミールキット化して月1回実施できるようにする。また、人気キット『梅シロップKit』を活用して、入居者が梅シロップを漬け込むこともやっていて好評を得ている」
――オイシックスの食材を使用したプロダクトの導入施設数の目標は。
「現状の2000施設でのスイッチと、新規の施設への導入を期待する。来年度は数百施設での導入を目指す」
今年1月にシダックスを連結子会社化した。メニューの企画立案や製造を手掛けるオイシックス・ラ・大地と、企業や高齢者施設向けに営業や販売を行うシダックスがチームを組んですすめる。
冷凍品やチルド品を組み合わせたメニューを提供する。メインの肉や魚を調理済みとすることで現場の調理負担を軽減。トッピングに生野菜を使用することで、色どりの良いメニュー提供を実現する。配送はシダックスの自社便で行う。
社員食堂向けには宅配ブランド「Oisixの人気メニューや、有名店とのコラボメニューを提供し満足度を高める。またケータリングを行う専門会社と協業しイベントやパーティ需要に応える。スムージーなどウェルネスメニューの提案も行う。
現状、社員食堂は約1000カ所の運営を受託している。コントラクト業界が多く、オフィスと工場を合わせて7割を占める。社内コミュニケーションの向上や、離職率の低下など企業のニーズやコストに応じた提案を行い、導入企業を獲得する。
高齢者施設向けには食の楽しみを提供。省人化した高齢者向けのミールキットに加えて、イベントや行事食にも対応。和洋折衷のおやつで入居者の満足度を高める。今後、スムージーやジュースの提供も検討し他社との差別化を図る。
ターゲットは、特別養護老人ホームと介護老人保健施設、有料老人ホーム。今後デイサービスへの提案も検討していく。食事の満足度向上で施設の入居者獲得に貢献する。
オイシックス・ラ・大地は保育施設向けに給食を提供する「すくすくOisix」を展開。給食用ミールキットを導入した施設の調理時間が約30%短縮し、人件費は18%削減に貢献した。完食率は6%改善するなど施設の満足度向上に寄与しているという。
堤BtoB事業統括に聞く 給食事業の今後は?
オイシックス・ラ・大地はBtoB事業を推進する。給食市場で狙うポジションや、主力事業のBtoCサブスクとの相乗効果について堤祐輔取締役BtoB事業統括兼シダックス取締役に聞いた。
――売上目標の1000億円は、約5兆円の市場で約2%のシェアになる。
「給食市場は約4.8兆円で、今後5兆円まで成長するとされる。上位10社の合計占有率は2割に満たない程で、給食市場は中小や地場の企業が多い。シダックスは10位に位置付け、チャレンジャーの立場だ。業界再編も起こると思うが、売上高1000億円規模になると上位3~5位の立場となり、人手不足など市場の課題に対する貢献度も増す」
――BtoB事業のシナジーは。
「オイシックス・ラ・大地が製造したものを、シダックスが調達、導入施設に提供する。BtoCの製造設備を活用するため製造工場の稼働率が高まる。例えばハンバーグはtoBとtoCを一緒に製造することによって工数が下がり効率化に寄与する」
――調達面は。
「シダックスにとっては、国産の特別栽培野菜や有機野菜を、価格競争力を維持しながら調達できる。野菜を訴求するメニューの提供が可能となり差別化になる」
――原価への貢献は。
「食材費自体が高騰している。『Oisix』と同じ基準をクリアした食材を使用しており、今後も食材費は上がるだろう。省人化で人件費を抑えコスト削減に貢献したい」
――BtoCサブスクとのマーケティングのシナジーは。
「考えはあるが、優先度は上げていない。給食を導入する保育園の保護者が『Oisix』を知ってお客様になってくれたことはあった。高齢者施設でも、入居者獲得の特典として『Oisix』を活用したいとの意向もあった。今後期待している」
――「Oisix」のノウハウはどう活用するか。
「保育施設では食育をやっているが、同様に高齢者施設でも食を通じたレクリエーションを行う。お寿司やてんぷらを提供すると入居者は元気になるが、職員の負担が大きく難しい。ミールキット化して月1回実施できるようにする。また、人気キット『梅シロップKit』を活用して、入居者が梅シロップを漬け込むこともやっていて好評を得ている」
――オイシックスの食材を使用したプロダクトの導入施設数の目標は。
「現状の2000施設でのスイッチと、新規の施設への導入を期待する。来年度は数百施設での導入を目指す」