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イーベイ・ジャパンの越境EC取引額が拡大、 デジカメやブランド小物が好調

2025年 3月13日 12:00

 イーベイ・ジャパンは3月7日、運営する越境ECモールの「eBay」について、2024年の越境EC事業のレポートと25年の市場展望を公開した。昨年はデジカメなどがけん引して、取引額が拡大。今年については米国市場の先行きが不透明な中、引き続きコアファンを抱えるカテゴリーの商材拡充を図るとしている。

 まず、昨年のeBayにおける日本からの売れ筋カテゴリーについて成長率で見ると、トップとなったのがデジタルカメラ。中でもCanonの「POWERSHOTシリーズ」とSonyの「Cyber-shot」シリーズ。どちらもコンパクトで、初心者からプロまで使いやすい機能が備わっているほか、PCやスマホで簡単に編集できるため、SNSへの投稿がしやすい点も、人気の理由になったという。

 次いで、メンズアパレル&バッグ・ブランド小物も好調に推移。ヴィンテージクロージングの人気が高まる中で、高品質な日本のウェアが注目され、「エビスジーンズ」や、「オニツカタイガー」のスニーカーなどが売り上げを後押しした。

 また、自動車パーツも好調となっており、特に日本の自動車メーカーの車が人気で、燃費性能で訴求した「プリウス」や、1980~90年代のスポーツカーの純正パーツがけん引。バイクパーツについては、「ヤマハ」、「ホンダ」、「カワサキ」、「スズキ」を中心に販売が伸び、成長率では自動車パーツの3倍に達している。

 取引額ランキングでは、1位が「レディースアパレル&バッグ・ブランド小物」、次いで「時計・パーツ&アクセサリー」、「アニメアート&キャラクターグッズ」という順になった。

 24年については、高額商品と中心とした真贋保証サービスを強化したことや、公式の海外配送サービスである「eBay SpeedPAK(スピードパック)」について、コンビニなどから依頼ができる配送など新メニューを拡充したことなども取引額の拡大につながったと見ている。

 同日に都内で行われた事業説明会では岡田雅之社長(画像)が登壇。近年、日本で拡大しているインバウンド需要が越境ECにもたらす影響として、「日本に来て欲しかった商品が無い場合、eBayで改めて購入するというのが基本的なビジョン。旅前・旅後(での購入)が増えている」と説明。

 また、政権交代のあった米国において、関税の引き上げが小売り市場に影響を及ぼす中、「今年は本当に(先が)読めないが、我々はエンスージアスト(ファンや熱狂的な支持者)フォーカス。ここは非常に強いデマンド持っているため、ある程度の困難を乗り越えられる」とし、熱狂的な支持層が多い商品カテゴリーを充実させて、集客を図ることを引き続き強化するとした。

 なお、当日は昨年1年間にeBayで優秀な成績を収めた出店者の表彰式も開催。最優秀賞は前年に続いて中古カメラなどを扱うシュッピンが受賞。優秀賞は中古時計などを扱う羅針が受賞したほか、部門賞はスポーツ用品を扱うゴルフパートナー、自動車部品販売のLaffeyなどが受賞している。
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