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ユーグレナが子ども向け飲料の販売強化、20~30代を次の顧客基盤に育成へ

2024年10月24日 12:00

 ユーグレナは20~30代の新規顧客層の獲得をすすめる。子ども向けの商品シリーズを立ち上げ、8月に独自素材のユーグレナを配合した飲料を発売した。多種類の栄養素を持つ素材の強みを生かし、偏食や食べムラがある子どもの栄養課題の解決をサポートする。

 発売したのは、「からだにユーグレナ フルーツミックス」と、「からだにユーグレナいちごミックス」(1ケース24本入り4354円)。1本で500mgのユーグレナを摂取できる。未就学児から小学校低学年の子ども利用を想定し、ユーグレナの配合量は、成人向けの既存飲料等の約半分に抑えた。

 これまでは、60~80代のシニア層が7~8割を占め、顧客基盤の中心だった。子ども向けの栄養サポート市場への参入で、20~30代の子育て世代にアプローチする。手軽に幅広い栄養素を摂れる素材の強みを生かし、親が抱える子どもの栄養の悩みや、バランスの良い食事を用意できていないストレスや不満・不安の解消につなげる。

 子ども向け商品の展開は初めて。シニア世代を中心に顧客基盤を築く既存飲料「からだにユーグレナ」のユーザーインタビューで、家族で飲んでいるケースが多いことに着目した。これまで30~40代もターゲット層にしていたが、子どもの利用を提案する訴求はしていなかった。

 商品開発では子どもが飲みやすい味わいを追求し、親が子どもに飲ませたい商品を設計することをめざした。子どもと母親を対象にした官能評価を繰り返し、摂取意向や完食率、残量などを踏まえて甘さを控えた。既存の飲料は、甘みが強かった。

 新規顧客の獲得はウェブ広告を中心に行う。既存飲料は、59種の栄養素を摂取できることが、食が細くなりがちなシニア層から支持を得ていた。このため、オフライン広告が中心だった。今後は子どもを持つ母親にウェブ広告の強化、商業施設におけるイベントのサンプリングでアプローチする。子どもの便通や睡眠の質の改善に対する実感が、親の悩みの解決、リピート購入につながるとみている。

 今後、子ども向け商品のラインアップも拡充していく。9月には、ユーグレナを配合したふりかけをリニューアル発売した。個包装からチャック付きパウチに変更し、好みの量を使用できるようにした。

三重ブランドマネージャーに聞く 子供向け商品展開の狙い

 ユーグレナのサスティナブルブランド戦略部食品・ユーグレナ素材戦略室の三重啓次郎ブランドマネージャーに、子ども向け商品展開の狙いを聞いた。

――子ども向け商品の狙いは。
 「食の細くなるシニア層にとって、『ユーグレナ』のも持つ59種の栄養素の幅が価値になっている。60~80代が7~8割を占める中、新規顧客層を開拓が課題だった。この栄養の幅が子どもの栄養課題の解決になることがわかった」

――開発の課題は。
 「開発期間は2年。特に味の決定が難しかった。既存商品は30~40代をターゲットにしていたため、子どもに合わせて味わいを変えた」
 
――具体的には。
 「甘さを控えた。子どもが飲みやすく、子どもが飲むことを意図して購入してもらえる商品にした。既存商品に『カロリーオフ』をうたったものがあるが、『甘さ控えめ』とは印象が異なる」
 
――機能性表示食品制度の活用は。
 「考えていない。機能性表示食品は明らか食品のカテゴリーであっても人工的なイメージがある。『ユーグレナ』は自然のものとして摂取してもらいたいし、そのような顧客ニーズもある」
 
――子どもの栄養市場はどうみるか。
 「市場には野菜を使用したジュースや、特定の栄養素を摂取できる飲料などがある。ただ、これら商品には人工的なイメージがあり、親は積極的に飲ませたいとは思っていないだろう。『ユーグレナ』は自然のものとして差別化し、独自のポジションを獲得したい」

――20~30代の「ユーグレナ」の認知度は。
 「『ユーグレナ』の認知度は素材を含めて全世代で47%。60~70代になると60%まで高まるため世代間のギャップがある」

――どうアプローチするか。
 「『ユーグレナ』の栄養の幅は幼児や小学生低学年の子どもを持つ子育て層の価値になる。ウェブ広告やイベントでのサンプル配布などさまざまな取り組みを行う」

――出足は。
 「想定よりも上振れている。次の顧客の軸として期待するためしっかりと育成する。便通改善や睡眠の質の改善などの体感があり、子どもが良い生活を送れているという親の効果実感が重要だ。リピート購入を獲得できる商品になっている」



 
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