前号に続き、ベルーナの専門通販事業などについて、安野清社長(=
写真)に聞いた。
◇
ーーインフルエンサーやSNSの活用を進めている。
「成果が出るまでは至っていないのが現状だ。チャレンジは続けていくつもりなので、テストを続けながら勝ちパターンを作りたい」
ーー考えられる勝ちパターンは。
「『LINE』の有効活用はできているのだが、インフルエンサーマーケティングについては試行錯誤している段階だ」
ーーネット広告の出稿に関しては。
「レスポンス向上を優先しながら出稿している。アフィリエイトはほぼやっておらず、ソーシャル広告と検索広告が中心。ただ、検索広告の単価も年々上昇しているので、それ以外から顧客を取るべくチャレンジしている。今期については、アプリを武器にできないかと考えている。プッシュ通知などを活用し、自然に顧客が通販サイトに来訪する導線が作れれば、広告を使わず売り上げにつなげることができる」
ーーまずアプリをインストールしてもらう必要があるが、導線は。
「ソーシャル広告やアパレル店舗から誘導している」
ーーリュリュモールは流通額が前期比17%減だった。今後のサービス継続については。
「新規の獲得が依然として苦戦している。『オフィスカジュアル』という方向性はぶらさず、なんとか採算を合わせていきたい」
ーー紙とECの融合に関して、もう少し具体的に。
「ネット通販のみで勝ち抜くのは難しい。紙とネットは異質なものだと考えているが、『カタログを見てネットで注文する』といった、紙とネットで相乗効果を生み出すようなビジネスモデルが当社の持ち味でもある。当社の顧客は比較的年齢層が高いこともあり、力を発揮できるのではないか。また、カタログファンのニーズにも応えていきたい」
ーーかつて安野社長は「総合通販各社がカタログ通販を縮小する中で、残存者利益を取りに行きたい」と公言していた。
「実際にはほとんど無かった。ただ、少しはあると思うので、頑張りたい。そのためにも利益を出さないといけない。今期も茨の道だが、来期にはなんとか黒字にしたい」
ーー専門通販事業については収益性拡大を目指す「グロース領域」と位置づけた。
「ガンガン攻めて売り上げを伸ばしていきたい。化粧品に関しては、ベトナムなど東南アジア市場は面白いと思っている。海外売り上げは店舗への卸が40%程度だが、日本国内においても店舗販売を強化していきたい。ドラッグストアやドン・キホーテへの卸など、今期の国内における化粧品の店舗販売は3億円程度を目指す」
ーー化粧品通販のオージオでは、以前タレントを使った販促を展開していたが、今後行う予定はあるのか。
「今のところやるつもりはない。結局販促はコストに見合う成果が出るかどうかということが重要だ」
ーー健康食品通販のリフレは苦戦が続いている。
「今は『サンセット』だが復活させたい。化粧品・健康食品合算で前期は147億円売っているので、これを200億円にするのが目標だ」
ーー小林製薬の「紅麹サプリ」問題の影響は。
「一定数キャンセルが出たので、影響は出ている」
ーーこのところ成長が続いていたグルメ事業に関しては、前期売上高は微増にとどまった。
「競合と比較するとLTVが低いのが弱点だが、逆に言えば伸びしろでもある。ブランディングとCRMの両輪を強化することで成長を実現したい。また、昨年6月に谷櫻酒造を子会社化しているが、製造小売業を強化していきたい。さらに、減塩など昨今の健康志向に合致した惣菜のラインアップを拡充する。前期のグルメ事業の売上高は324億円だが、売上高500億円を目指して『暴走運転』していきたい」
ーーLTVが低いのはなぜか。
「やはりブランディングの問題だろう。知名度を上げるためにインフォマーシャルを強化していきたい。また、昨年システムを刷新したので、ポイント付与などCRM強化の効果も出てくるだろう」
ーー買収した酒蔵は順調なのか。
「酒蔵は非常に面白いが、大々的に展開するには製造能力の問題もある。今後は海外への輸出も考慮し、もう1社くらい買収してもいいかもしれない」
ーーその他、今後のM&A戦略については。
「1つはロマンを感じられるかどうか、もう1つは既存事業とのシナジー効果。いかに収益増に貢献できるかということになるだろう」
ーー今後の業績目標については。
「外部環境に左右される部分はあるが、ベストは売上高2900億円、営業利益300億円。普通のシナリオでは売上高2500億円、営業利益200億円というイメージだ。プロパティ事業と専門通販事業、さらにはソリューション事業と呉服関連事業で利益を稼ぎたい」(おわり)
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ーーインフルエンサーやSNSの活用を進めている。
「成果が出るまでは至っていないのが現状だ。チャレンジは続けていくつもりなので、テストを続けながら勝ちパターンを作りたい」
ーー考えられる勝ちパターンは。
「『LINE』の有効活用はできているのだが、インフルエンサーマーケティングについては試行錯誤している段階だ」
ーーネット広告の出稿に関しては。
「レスポンス向上を優先しながら出稿している。アフィリエイトはほぼやっておらず、ソーシャル広告と検索広告が中心。ただ、検索広告の単価も年々上昇しているので、それ以外から顧客を取るべくチャレンジしている。今期については、アプリを武器にできないかと考えている。プッシュ通知などを活用し、自然に顧客が通販サイトに来訪する導線が作れれば、広告を使わず売り上げにつなげることができる」
ーーまずアプリをインストールしてもらう必要があるが、導線は。
「ソーシャル広告やアパレル店舗から誘導している」
ーーリュリュモールは流通額が前期比17%減だった。今後のサービス継続については。
「新規の獲得が依然として苦戦している。『オフィスカジュアル』という方向性はぶらさず、なんとか採算を合わせていきたい」
ーー紙とECの融合に関して、もう少し具体的に。
「ネット通販のみで勝ち抜くのは難しい。紙とネットは異質なものだと考えているが、『カタログを見てネットで注文する』といった、紙とネットで相乗効果を生み出すようなビジネスモデルが当社の持ち味でもある。当社の顧客は比較的年齢層が高いこともあり、力を発揮できるのではないか。また、カタログファンのニーズにも応えていきたい」
ーーかつて安野社長は「総合通販各社がカタログ通販を縮小する中で、残存者利益を取りに行きたい」と公言していた。
「実際にはほとんど無かった。ただ、少しはあると思うので、頑張りたい。そのためにも利益を出さないといけない。今期も茨の道だが、来期にはなんとか黒字にしたい」
ーー専門通販事業については収益性拡大を目指す「グロース領域」と位置づけた。
「ガンガン攻めて売り上げを伸ばしていきたい。化粧品に関しては、ベトナムなど東南アジア市場は面白いと思っている。海外売り上げは店舗への卸が40%程度だが、日本国内においても店舗販売を強化していきたい。ドラッグストアやドン・キホーテへの卸など、今期の国内における化粧品の店舗販売は3億円程度を目指す」
ーー化粧品通販のオージオでは、以前タレントを使った販促を展開していたが、今後行う予定はあるのか。
「今のところやるつもりはない。結局販促はコストに見合う成果が出るかどうかということが重要だ」
ーー健康食品通販のリフレは苦戦が続いている。
「今は『サンセット』だが復活させたい。化粧品・健康食品合算で前期は147億円売っているので、これを200億円にするのが目標だ」
ーー小林製薬の「紅麹サプリ」問題の影響は。
「一定数キャンセルが出たので、影響は出ている」
ーーこのところ成長が続いていたグルメ事業に関しては、前期売上高は微増にとどまった。
「競合と比較するとLTVが低いのが弱点だが、逆に言えば伸びしろでもある。ブランディングとCRMの両輪を強化することで成長を実現したい。また、昨年6月に谷櫻酒造を子会社化しているが、製造小売業を強化していきたい。さらに、減塩など昨今の健康志向に合致した惣菜のラインアップを拡充する。前期のグルメ事業の売上高は324億円だが、売上高500億円を目指して『暴走運転』していきたい」
ーーLTVが低いのはなぜか。
「やはりブランディングの問題だろう。知名度を上げるためにインフォマーシャルを強化していきたい。また、昨年システムを刷新したので、ポイント付与などCRM強化の効果も出てくるだろう」
ーー買収した酒蔵は順調なのか。
「酒蔵は非常に面白いが、大々的に展開するには製造能力の問題もある。今後は海外への輸出も考慮し、もう1社くらい買収してもいいかもしれない」
ーーその他、今後のM&A戦略については。
「1つはロマンを感じられるかどうか、もう1つは既存事業とのシナジー効果。いかに収益増に貢献できるかということになるだろう」
ーー今後の業績目標については。
「外部環境に左右される部分はあるが、ベストは売上高2900億円、営業利益300億円。普通のシナリオでは売上高2500億円、営業利益200億円というイメージだ。プロパティ事業と専門通販事業、さらにはソリューション事業と呉服関連事業で利益を稼ぎたい」(おわり)