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米不足への不安が広がったのは7月ごろ。SNSで「スーパーに米がない」「米が買えない」といった投稿が目立ち始めた。新米収穫前に一時的に在庫が減少する端境期に、一部産地のコメの不作や自然災害への不安などが重なり店頭での買い占めにつながったといわれている。
テレビ番組などで度々取り上げられたことで消費者の不安が広がり「令和の米騒動」に発展。国が備蓄米の放出に慎重な姿勢を見せたことで、消費者の不安感は一気に高まった。
消費者の不安感はウェブサイトでの検索数にも現れた。「食べチョク」を運営するビビッドガーデン(東京都港区)によると、サイト内の「米」に関する検索数は6月が前年同期比2・4倍に、7月は同2・8倍に増加。8月には18倍に跳ね上がった。流通額(合計購入金額)も6月は前年同月比1・4倍に、7月は同1・5倍と推移し、8月は12倍に急伸した。
米の需要増加を受けて、8月16日に「すぐに届くお米特集」を、9月4日に「産地や品種で探せるお米特集」といった特集ページを公開した。約350軒の米の生産者ネットワークを生かして生産者へのアンケートや情報交換を行い、消費者の米不足への不安を払拭する記事ページも掲載した。
今年の新米の販売は、定期購入は予想以上の注文を獲得しているという。4キログラムのコースはすでに完売し、今後の再販を計画する。売れ行きの良い2キログラムのコースも販売数を追加した。
パルシステム生活協同組合連合会は、産地と連携して年間計画を立てて米を確保してきた。ただ、米不足が顕在化した6月以降の注文量は前年を上回り、8月には前年同月比40%増と急増した。中には約5倍に跳ね上がる商品もあり、想定以上の注文があった。
米卸業者などとの調整を進めたが、米の在庫ひっ迫と欠品が発生。9月2日に値上げや一部商品の注文停止など、1人1個までの受注制限などの対応をとったという。
オイシックス・ラ・大地は来年秋に収穫する新米の予約を、9月5日から始めた。1年間にわたって、一定金額で販売する。
新米予約は15年以上続く定期購入サービスだが、米不足への不安を受けて、2025年度分は通常よりも半年以上前倒した。来年以降も天候による不足や急な備蓄需要が発生すると予想。市場の取引価格の上昇も踏まえて、安定した価格で1年分を確保できる安心感で需要に対応する。
24年度の新米予約は今年5月からスタートした。8月17日までの予約量は前年比40%増と伸長した。