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ジャパネットのBS放送局 「BS10」にチャンネル名変更、チャンネルポジションは「10」に、ザッピングで視聴者増へ

2024年 8月29日 12:00

 ジャパネットグループのジャパネットブロードキャスティングは来年1月にも運営する無料放送を行うBS局「BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)」のチャンネル名称を「BS10(ビーエステン)」へ変更、同時にチャンネルポジションを「BS10ch」に切り替える。視聴者はテレビリモコンの「10ボタン」を押すことで同チャンネルを視聴できるようになる。従来、同チャンネルの視聴にはリモコンで3ケタのチャンネル番号を入力したり、電子番組表から選択せねばならず新規視聴者の誘導に課題があった。チャンネルポジションの変更でいわゆるザッピング(※リモコンを操作してチャンネルをしきりに切り替える行為)で視聴者を同チャンネルに誘導できる環境となるため、視聴者数拡大やそれに伴う同チャンネルでの広告収入、放映する通販番組の売り上げ拡大につなげていきたい狙いがあるようだ。

 「BSJapanext」のチャンネル番号(サービスID)は現在、「BS263ch」だが、来年1月にも現在は映画ドラマ専門の有料チャンネル「スターチャンネル」に割り当てられているテレビリモコンの「10ボタン」を押すと選局されるよう標準設定されているチャンネル番号「BS200ch」に切り替える。なお、ジャパネットブロードキャスティングは6月1日、「スターチャンネル」の運営会社を買収。その後、ジャパネットブロードキャスティングを存続会社として両社は会社統合しており、現状、同社が「BSJapanext」「スターチャンネル」の両方を運営している。

 「BSJapanext」のチャンネル名を「BS10」、チャンネル番号を「BS200ch」に切り替えると同時に来年1月にも「スターチャンネル」も名称を「BS10スターチャンネル」、チャンネル番号は「BS201ch」とする。視聴者が「スターチャンネル」を視聴したい場合、チャンネルを「BS10」にあわせた後にリモコンのチャンネルアップボタンを押すことで視聴できる。また、テレビ画面上に表示する電子番組表経由でもチャンネルを選択できる。なお、「BSJapanext」に現在、割り当てられているチャンネル番号「BS263ch」は消滅、使用帯域は返上するという。

 従来まで視聴者が「BSJapanext」を視聴するためにはテレビリモコンで3ケタのチャンネル番号をリモコンで入力したり、EPG(電子番組表)から選択、またはリモコンのチャンネルアップボタンやダウンボタンを押して同チャンネルをあわせる必要があったが、チャンネルポジションの変更により、「ザッピング」でテレビの視聴者を同チャンネルに誘導することが可能となり、一定程度、新規視聴者が増えることが予想される。

 運営するチャンネルの名称やチャンネルポジションの変更にあわせて両チャンネルそれぞれで新規視聴者獲得のための施策を強化する。サンリオの人気キャラクター「ポチャッコ」を「BS10大使」として起用。今後、BS10のオリジナル衣装のポチャッコが各番組へ出演させるなどして、両チャンネルへ新規視聴者の獲得につなげる狙い。このほか、番組司会者に著名な俳優を起用するなどした映画紹介番組を制作・放送。両チャンネルで独自にまたはサイマル放送を行う。「BS10」で放送する映画紹介番組では本編終了前後で「BS10スターチャンネル」への有料放送加入を案内する告知放送なども行う。また、無料放送の「BS10」でシリーズものの映画やドラマの初回を放送し、2回目以降を放送する有料放送の「BS10スターチャンネル」へ加入を促す取り組みなども行う。ジャパネットたかたが発行するカタログやチラシなどで両チャンネルの視聴促進のための告知なども行っていく。

 番組自体の内容や構成などもこれまで以上に充実させていく考え。「BS10」では強化中のゴルフのツアーやプロ野球、プロバスケットボールの試合の中継やハイライト、スポーツ応援番組などスポーツ関連番組をより強化していく。「BS10スターチャンネル」では放送する洋画の日本語吹替版の比率を現状の3割から7割まで高める。他放送やDVDでもみられない番組についても吹替版とするほか、視聴者から吹替えで視聴したい番組や吹替えを担当してほしい声優などを募集して権利元の許可をとりながらオリジナルで吹替版を製作、放送する取り組みなどを始める考え。また、日本初公開の最新作や日本では独占放送となる海外ドラマなどの話題作を毎週放送していく。

 「BSJapanext」は22年の開局からクイズ番組「アタック25Next」のほか、ゴルフなどのスポーツ関連番組などが視聴者から支持を受けてきたものの、同チャンネルの視聴にはリモコンで3ケタのチャンネル番号を入力したり、電子番組表から選択せねばならず新規視聴者の誘導に課題があったようだ。来年1月からのチャンネルポジション変更でテレビ視聴者がワンタッチで同チャンネルにあわせられるようになることでザッピングを通じて相当数の新規視聴者が増えることになりそうで、同チャンネルで放送するジャパネットたかたの通販番組の売上増やCM収入増にも一定程度、貢献しそう。その効果について同社では「具体的な指標は立てていないが(視聴率や広告収入など含め)間違いなく(業績面でよい)影響はあると考えている」と期待を寄せる。「無料放送『BS10』から有料放送『スターチャンネル』への送客を促す編成、ジャパネットたかたで発行している自社媒体での告知などジャパネットグループだからこそできる強みを活かし、無料と有料の2チャンネル運営を通じてシナジーを生み出し、これまで以上に視聴者の皆様に愛され必要とされる放送局を目指す」(同社)としている。

 
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