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「エースコンタクト」 「後払い」で新規利用客急増、キャッチボールの「後払いドットコム」導入、フレキシブルな対応も利点

2024年 7月25日 12:00

 メニコングループで、コンタクトレンズ専門店「エースコンタクト」を運営するダブリュ・アイ・システムの会員専用通販サイトでは、キャッチボールが提供する後払い決済サービス「後払いドットコム」を2023年1月に導入。「オンラインでの決済に抵抗がある」という一部消費者のニーズを取り込み、順調に利用者数を伸ばしている。

 エースコンタクトでは、2021年3月に会員専用通販サイトをスタート。クレジットカード決済のほか、携帯電話のキャリア決済や「PayPay」などのオンライン決済には対応していたものの、現金による支払いはできない状態だった。

 ダブリュ・アイ・システムCX推進本部マーケティング部の茂木里奈課長は「本当はスタート当初から現金が使える決済も導入したかったのですが、システム連携が煩雑だったり、手数料に懸念があったりしてうまくいきませんでした。ただ、当社のお客様は、店頭での動向をみても『現金支払い』へのニーズが他社よりも高い。なので、現金決済に対応していないことが、ECの利用を妨げているのではないかと考えていました」と当時を振り返る。

 そこで後払い決済の導入を検討したものの、当初考えていた後払い決済サービスは「与信が通るまでにタイムラグがある」点が大きな問題だった。「『すぐに注文が完了しない』というのはお客様にとって不便だし、当社にとっても『売り上げが立つかどうか分からない』という状態は懸念材料となります」(茂木課長)。

 そんなときに出会ったのが、キャッチボールの「後払いドットコム」。同サービスでは、注文情報の登録から1~数秒で与信結果をすべて自動で返答する「リアルタイム与信」が可能だ。エースコンタクトの店舗では、顧客から電話での注文を受けた際に、他社の後払い決済サービスで支払えるようにしているものの、当該サービスはリアルタイム与信ではないため、まず決済会社の審査を待つ間、顧客からの注文情報をエクセルへ一時的に入力・管理。そして、審査が通ってから顧客に連絡、出荷伝票を発行してから、ようやく管理システムに注文情報を入力、電話で注文をした顧客へと出荷するという手順を踏んでいる。「後払いドットコムなら、こうした煩雑な作業が不要な点が決め手となりました」(茂木課長)。

 加えて「手数料も競合他社と比較して非常に良心的」(同)なこともポイントに。キャッチボールの場合、コールセンター、与信審査は全て自社運営のためアウトソーシングしている部分がなく、他社より手数料が安くできるのだという。

ECの売上増に貢献

 「後払いドットコム」を導入したのは2023年1月。茂木課長は「『コンビニ払いができるようになりました!』というメールマガジンを配信しただけで、後払い決済の利用が急増したのには驚きました。当社では決済手法ごとに新規とリピーターの比率を算出しているのですが、導入直後となる昨年1月頃の数字でいうと、クレジットカードは新規が4割なのに対し、後払い決済は新規が6割を占めました。つまり『決済手法が限定されている』がために、ECを使っていなかったというユーザーが、初めて利用してくれたということです。EC自体の売り上げ増にもつながっているので、本当に導入して良かったと思いました」と喜ぶ。

 さらには、定期購入の決済手法としても使えるようにした。そのため、現在はリピーターの方が後払い決済を多く利用する傾向にある。

 こうした施策も功を奏し、後払い決済の利用率は伸びているという。茂木課長は「後払い以外の決済は手数料を徴収していないので、(手数料が220円かかる)後払いをどれくらい使ってくれるのか、不安もあったのですが、全くの杞憂でした」と笑顔を見せる。

 また、「後払いドットコム」の評価できるポイントは「レスポンスの早さ」にもあるという。「『伝票を捨ててしまった』など、お客様から決済に関する問い合わせがあり、急ぎで返事をしなければいけない場合でも、すぐにメールや電話で返答していただけるので、大変助かっています。他社と比較するととにかく早いんです」(茂木課長)。EC事業者にとっても、決済会社とユーザーが直接やり取りすることで問題を解決してくれるなら、それに越したことはない。ユーザー満足度の向上にも寄与しているわけだ。

買い物体験を充実

 エースコンタクトのECは、「店頭でコンタクトレンズを購入しているユーザーの利便性を高めるためのサービス」という位置づけだ。茂木課長は「コンタクトレンズは高度管理医療機器なので、当社の場合は店舗が近隣の眼科を案内し、眼の検査をきちんと受けてもらうというのが大前提。検査をした上で問題が無い人は『ECでも気軽に買ってください』という考え方なんです」と説明する。

 ただ、近年はネットだけでコンタクトレンズ購入を完結するユーザーが増え、それに伴うトラブルも急増している。茂木課長は「ECの使いやすさを向上させていくことはもちろんですが、対面販売を通じて、コンタクトレンズの適切な使用方法を啓蒙していくことも課題です」と気を引き締める。店頭販売に重きを置きながらも、後払い決済などによりECでの『買い物体験』を充実させることで、「コンタクトレンズの便利さ」を、より実感してもらえるようにしていく。

 
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