TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

全日空商事 新ブランドの出足好調、インスタライブでCAが訴求

2024年 7月11日 12:00

 全日空商事では、今年2月に立ち上げた新ブランドの「ANA FINDS(エイエヌエーファインズ)」について、SNSでのライブ配信や空港内広告などを使った大規模なプロモーション展開を図っている。新規商品の開発も順次進んでおり、今後、グループの主力ブランドとして育成を図り、拡販を進めていく考え。

 同事業は子会社で空港売店事業などを手がけるANAFESTAや、ギフト事業などを行うANAフーズとの3社連携による取り組みとして展開。「グルメ」、「バッグ&トラベル」、「ライフスタイル(雑貨)」の3カテゴリー合計67SKUでスタートした。商品の開拓・開発については、グルメ商品はANAフーズ、バッグや雑貨は全日空商事が行い、売り場としては全日空商事のECと、ANAFESTAの空港買店を通じて拡販を図っている。

 立ち上がりの状況としては、旅行需要の回復のタイミングも相まってトラベル関連の商品が好調に推移。中でも、旅先で使いやすい折り畳み式の「パッカブルショルダーバッグ」(税込価格6000円)が、リアルとネットの両販路で売り上げを伸ばしている。男女兼用で、普段使いがしやすいカジュアルデザインであることも背景にあるようだ。グルメについては、ECで「福岡・名産ごはんのお供3本セット(うめのり佃煮&ゆずすこなめ茸)」(同3240円)が売れ筋となっており、全体的に目標数値を上回る滑り出しとなっている。

 なお、全日空商事では従来からあった「リテール戦略推進室」を、同社グループ全体のBtoCにおけるマーケティング、MD、DX化などを横断的にけん引する組織として、4月1日付で「マーケティング&プロモーション室」に改組。新ブランドの販促に向けては同室が中心となって、ANAグループが有するアセットやノウハウを広く活用する形で行っている。

 一例としては、ANAのアカウントでの「インスタライブ」がある。3月21日には同ブランドだけを露出する内容で1時間のライブコマース番組を配信。ANAのキャビンアテンダント(CA)が登場して、ご飯のお供であるグルメ商品を食べながらリポートしたほか、ソフトタイプの軽量2WAYキャリーバッグについて、リュックとしても使える仕様を実演を交えながら詳しく解説していった。

 元々、ANAが運営していてフォロワー数の多いアカウントであったことに加え、事前にティザーサイトからも予告して集客をかけたこともあり、配信中には最大で600件以上のコメントが書き込まれるなど、大きな反響があった。高額商品ながらも配信中にいくつか購入があったとしている。

 普段、同アカウントはANAグループのサービスや旅関連の情報などを配信しており、全日空商事では昨年からここでのインスタライブを開始。同ブランドだけでなく、お節やブランドとのコラボ商品など、注目品を紹介している。「(生配信は)一方的に投げかけるだけではなく、顧客からの反応がすぐに帰ってくる。ANA広報室とも連携しながら月に1回ほどのペースで配信している」(同社)とした。

 また、リアルでの訴求としては、羽田空港内のエスカレーター横のスペースを使ったパネル広告への出稿もあり、搭乗客の導線に合わせたプロモーションをかけている。

 さらにウェブにおいてはメディアプラットフォームの「note」上で「FINDSメディア」を立ち上げており、関係するスタッフをはじめ、俳優の竹中直人さんや作家の椎名誠さんといった著名人へのインタビュー記事などを通じたブランドメッセージの発信も行っている。

 なお、今後の展開として、グルメにおいてブランドや産地の枠組みを超えて、複数の売れ筋商品を集めたギフトセッを発売するほか、バッグについても新商品を検討。順次、商品数を増やしていく考え。

 販促面に関しても、グループで手掛けるリアルイベント内で露出することを予定。全社を挙げて基幹ブランドとしての確立を目指していく。

 
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売