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日本通信販売協会の新会長に千趣会の梶原社長が就任、法規制や物流問題など重視

2024年 6月27日 12:00

 通信販売協会(JADMA)は6月21日、定時総会後の理事会において、第15代会長に千趣会の梶原健司社長が就任した。千趣会からJADMAの会長が選ばれるのは初めて。

 同日に会見した梶原新会長は、「小売りや通販業界は資源価格の高騰、物価上昇、為替の変動、人手不足、高まる地政学的リスクといった多くの課題に直面している」とした上で、「JADMAとしての喫緊の課題は法規制と物流、セキュリティへの対応だ。会員各社との情報交換を密にし、課題解決につなげたい」とした。
 
 新会長は今年3月に取り沙汰された紅麹問題について、「機能性表示食品そのものの販売に大きな影響を与えた。対応策として健康被害報告が義務化され、事業者の負担が増えることになった」と懸念を示すとともに、機能性表示食品制度の見直しについては通販業界の意見を積極的に具申することを強調した。
 
 物流の24年問題および30年問題については、「送料無料表示への影響や、再配達の削減、物流コスト上昇などは今後も引き続き大きな課題」とし、JADMAの一番新しいガイドラインとして「通販業界における物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」を3月に作成したこと、また、EC市場におけるセキュリティ問題に関してはJADMAの新組織として「Web・情報セキュリティ専門部会」を6月に立ち上げたことに触れた。

 加えて、通販業界の総売上高が13兆円規模に達し、コロナ禍以降さらに利用者が増えていることから、「社会的な重要性、社会貢献における責務を担う業界となっている」とし、「通販業界にとってもっとも大切で原点でもある、誰もが安心して利用できる『安全で健全な通販』であることを今一度見つめ直し、構築することが重要」と話した。

 また、生成AIやチャットGPTなどIT技術の進化や変化が加速的に進む反面、高齢化や地方の過疎化などの社会的な課題が多く存在することを受け、「お年寄りや困っている人たちにも通販業界として向き合わないといけない」と指摘。さらに、世の中全般にサステナブルの機運が高まっていることから、「配送や資源の有効活用を含め、CO2削減、カーボンニュートラル推進といった環境問題にも業界全体で貢献していくことが大切。人にも地球にもやさしい業界であるべき」とした。

なお、6月11日時点でJADMAの加盟会員は通販事業者415社、周辺事業者186社の計601社となっている。
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