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リバークレイン メールマーケ強化で成果、ユーザーの行動もとに個別メール配信で

2024年 6月20日 12:00

 バイク関連用品のネット販売を手掛けるリバークレインが電子メールを活用した販促施策を強化して成果をあげている。従来から、運営する通販サイトに誘導するメールマガジンを登録者全員に配信してきたが、今年からCRMツールを導入して顧客にとって興味関心の高い内容の販促メールの配信を始めたことで開封率および実購買率が向上、メール経由の売上高も大きくアップしたという。

 リバークレインは車両用カスタムパーツからアパレルまで現状、300万点以上のバイク関連用品を販売するバイク愛好者に高い人気と知名度を誇るバイク関連用品を取り扱う通販サイト「ウェビック」を運営。2000年の創業以来、毎年、増収を維持しており、直近決算(2023年12月期)の売上高も前年比7・6%増の178億円と堅調だったものの、コロナ禍によるバイク人気は一巡。また、バイク人口は50歳以上が中心で若年層は少なく、新規の愛好者が増えにくい状況であることから、今後を踏まえて同社では新規客の獲得より既存客とのコミュニケーションを積極化するなどリピーターを意識した施策を強化することとし、メールマーケティングを推進することにした。

 一環として1月中旬から通販事業者向けCRMツール「アクションリンク」を導入した。これまでもアクティブ顧客の大半が購読登録をしているメールマガジンをほぼ毎日、数十万の登録者全員に配信。このうち、商品購入を促す販促目的のメルマガも週3回程度のペースで配信してきた。全配信という母数の多さなどからメルマガ経由の売り上げは一定の成果があがっていたものの、開封率が全体的に高くなく、実購買率も伸び悩んでいた。そのため、顧客ごとに適した販促メールを配信できる外部ツールを導入して開封率、実購買率をアップさせ、メール経由の売上高を効率的かつさらに伸ばそうという狙いがあった。

 「アクションリンク」の導入を決めた理由は多くのメルマガ登録者を抱える同社にとって、配信数ごとに料金が増えていく従量課金プラン以外に、一定額で数に関わらず配信できるプランの用意があったことのほか、過去の実績をもとに全業種に共通して成果があげやすい内容、タイミング、配信先決めをあらかじめテンプレート化し、企業が特別な設定なしに販促メールなどを配信できる”鉄板シナリオ”と呼ばれる工数がかからず、すぐに開始できるという機能面が魅力だったという。

 「アクションリンク」を活用し、メルマガの全配信のほか、「ウェビック」でのユーザーの行動履歴をもとに当該ユーザーが興味関心を持っているであろう適切な販促メールを個別に送信する取り組みをスタート。具体的には通販サイト内の買い物カゴに商品を入れながらも購入に至らなかった商品を自動抽出して当該顧客に訴求する「カゴ落ちフォロー」や商品詳細ページを閲覧した顧客に当該商品を訴求する「商品ページ閲覧後リタゲ」など。

 事前に設定された行動を一定の期間や回数行った場合、それがトリガー(引き金)となり、自動的に当該ユーザーに販促メールを配信する「トリガーメール」と呼ばれる個別メールで適切な人に適切なタイミングで適切な内容を訴求できたことから実施直後から効果を発揮した。特に購入を迷っている顧客に配信するトリガーメールの効果は突出して高く、配信したユーザーの半分以上が開封。この開封率は同社のメルマガの3倍にあたるという。また、売価の高い商品だからこそ、購入を迷うことから総じて当該メールで購買につながる商品の単価は高く、「購入迷いメール」の配信数自体はさほど多くない中で全配信メルマガを加えたすべてのメールマーケティング施策による売上高の1割を「購入迷いメール」が占めるまでになっているようだ。

 このほか、現状の「ウェビック」の独自ポイントの保有数を通知するメールやある商品の売価を引き下げた場合に一定期間中に当該商品を閲覧したユーザーに当該商品の値下げを通知するメールも開封率、実購買率ともに高いという。

 メールマーケティング施策を含む同社のCRM施策全般を担当するショッピング事業部ストアマネジメントグループの西出竜馬サブチーフ(=写真)によると、トリガーメールは一定の条件に合致したユーザーにのみ配信するため、配信数は全配信するメルマガの25分の1程度だが、「開封・クリック率はメルマガの10倍で経由売上高は(メルマガと)ほぼ同じくらいで、メールマーケティングによる全売上高は実施前比べて1・8倍まで拡大した」(西出氏)として、「アクションリンク」導入から4~5カ月で売り上げ拡大に大きく貢献しているようだ。

 一定の成果をおさめたことで今後はさらにメールマーケティング施策を強化していく考えで最後の購入から一定期間が経過した顧客にクーポンなどのインセンティブとともに再購入を促すなどして離脱を防止するメールなど現状、まだ注力できていないトリガーメールについても実施していくほか、メルマガについてもすべての登録者に同じ内容のものを配信するのではなく、例えば新規顧客として開拓を強化したい20~30代向けのメルマガを作って当該層のみに割引クーポン付きで配信するような世代別のメルマガの作成・配信などの取り組みなども行っていきたいという。

 将来的には例えばツーリング用バッグを購入した顧客におすすめのツーリングスポットを案内したり、バイクパーツの購入者へ一定期間が経過したタイミングで「下取り」の提案を行うなど購入履歴に紐づけた内容の情報メールの配信なども行い、「物販はもちろん情報についてもそれぞれのお客様に適切なタイミングで適切な情報を届けることで『ウェビック、分かっているな』とバイク愛好者にとって欠かせない存在になりたい」(西出氏)とし、メールマーケティングを含むCRM施策の強化で顧客との関係性を高めて1顧客あたりの購入回数を引き上げ、売り上げ拡大につなげていきたい考え。

 
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