リプロ ウェブサイトの表示速度改善ツール クリック予測と画像圧縮で
2024年 5月22日 14:35
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同ツールには大きくふたつの機能があり、ひとつはクリック予測&リンク先読み機能で、もうひとつが画像フォーマットの自動変換機能だ。
前者は独自の特許技術によってサイト訪問者が次にクリックする可能性が高いリンクを予測し、リンク先の情報を先読みすることで、ユーザーがリンクをクリックすると読み込んだ情報を瞬時に表示することができる。サイト回遊中に取得した情報はユーザーの端末に一時保存し、管理・活用することでクリック後の高速表示を可能にする。
後者は、ウェブサイトの画像を次世代画像フォーマットに自動変換。掲載画像の解像度をほぼ変えずに、2分の1程度にデータを圧縮することで画像表示の高速化を実現する。
リプロが実施した意識調査では、マーケティング責任者の約7割がサイトの表示速度向上について重要性を認識しているものの、実際に改善に向けた取り組みを実施している企業は2割を下回るという。
というのも、サイトの速度改善にはソースコードの最適化やサイトリニューアル、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の導入といった対策があるが、ソースコードは作業工程の確保が必要だったり、サイト刷新は時間とコストがかかったり、CDNもコスト面と導入後の運用工数が必要だったりといった課題がある。
加えて、これらの対策には共通して明確な効果が可視化できないという点も企業がサイト速度対策に踏み切れていない要因という。
「リプロブースター」は導入後の運用工数も不要なほか、同期間同条件でユーザー群を分けて検証が行えるABテスト機能によって速度改善効果を確認できるのが特徴だ。
また、ツールの導入はタグの設置のみで特別な開発は不要のため、導入したその日からサイトスピードを高速化し、その後のツール運用も不要なほか、CDNや画像圧縮などすでに取り組んでいる速度改善対策に加える形でより高い効果が期待できるとしている。
導入効果としては、LCP(クリックされてからページ全体が表示されるまでの速度)の平均改善率は19・1%、FCP(クリックされてから何らかの要素が表示されまでの速度)の平均改善率は33・5%に上るなど、「LCPだけでなくFCPも大きく改善できるのが強み」(平田祐介CEO)とする。
同社ではEC事業者やメディアサイトなどへの導入を想定しており、すでに大手通販企業やインテリア雑貨の「BRUNO」、下着の「エメフィール」などが通販サイトに導入。BRUNOは「ウェブサイトやコンテンツを作り込むほどトレードオフで表示スピードは遅くなる。リッチなコンテンツを提供したいサイトほど、後回しにせずにサイトスピードの改善に取り組むべき」としている。
リプロによると、ウェブサイトの表示速度改善はすべてのサイト訪問者の顧客体験に影響を与えることができる数少ないマーケティング施策のひとつで、とくにグーグルが2021年にSEO(検索エンジン最適化)の検索ランキングの決定要素としてウェブサイトのユーザーエクスペリエンスを評価するための指標となる「コアウェブバイタル」を追加して以降、サイトの表示速度対策の重要性が高まっているという。