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原料の供給先は52社。一般食品を含め、販売社は、さらに広がっている。小林製薬製造とは異なる「紅麹」を使用する事業者からは、「問い合わせが多数寄せられている」、「問い合わせの数は40件ほど。紅麹にとどまらず、機能性表示食品が危ない、健康食品が危ないなどの声が多く、市場全体の冷え込みが予想される」、「小林製薬製造の紅麹でなくても返金してほしい」などの声が寄せられている。製薬会社である小林製薬による健康被害の事例の発生に、「小林製薬でもそのようなことがある。よく分からない会社はもっと怖い」などの声もある。
小林製薬が3月29日に開いた2回目の会見では、風評被害の発生に、小林社長が「自主回収の告知までに原因を解明できず、想定しない成分を含むものだけでなく、すべての製品を回収しないといけなくなった。原因が分からないためすべての紅麹自体が悪いのではという話になってしまった」と謝罪した。
食品と医薬品は、同じ健康被害の収集・評価体制で管理する。今回も1月の症例報告から、関係性の強弱を評価してきたが、明確に因果関係が特定できなかったという。行政に対する報告も「社内の収集・評価体制のフローに沿ったもの」としたが、消費者庁や取引先への報告は、22日の会見直前だった。
一方で、健康食品事業の今後は、「国民の健康ということを考えると病気の予防、健康の維持は重要なポイント。許されるのであれば今後も貢献したい」(小林社長)と話した。
23年12月期のヘルスケア事業の売上高は前年比7・6%増の670億1200万円(医薬品を含む)。健康食品を中心とする通販事業は同11・0%減の75億700万円になる。ドラックストアでは、ビタミン・ミネラル類を含め多くのサプリメントを展開しており、原料供給先だけでなく、流通先店舗への影響も懸念される。ある原料供給先は、「すでに最終製品に加工してしまっている。原料の代金を返金してもらっても納得できない。取引先も大きな損害」と話す。
小林製薬は3月22日、販売する機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」など5製品の販売中止と自主回収を発表した。回収対象は、21年4月から今年2月に販売された累計106万個。年間約6億円を売り上げていた(23年実績)。「公表までに原因究明が間に合わず、すべての製品を回収することになってしまった」(小林社長)と話す。小林製薬製造の紅麹にカビ由来の「プベルル酸」が含まれている可能性も指摘されているが、今後、厚生労働省による原因究明に協力する。