ゴルフ用品のネット販売などを行うゴルフダイジェスト・オンライン(=GDO)では、中古クラブやサブスク販売でプロモーションを強化しており、堅調に推移している。平行して、発注精度の向上や在庫管理の適正化など、バックヤード業務の改善にも着手。ゴルフEC運営を行うリテールビジネスユニットの坪井春樹ユニット長に、前期の取り組みや今後の展望について聞いた。
――国内のEC事業の前期業績を振り返って。
「売り上げ自体は前年比100%で悪くはない状況だったが、一方で在庫が過多になりそれを消化(セールなど)していった経緯もあって利益率は悪化した。22年はコロナ禍で(3密を回避できるとして)ゴルフファーが増え、業界自体が非常に好調だったこともあり、23年への仕入れを増やしていた。しかし、コロナバブルも落ち着いていって需要が減り、主にはウェア類の在庫が余ったという状況。
20~30代の若年層のゴルファーの売り上げが減少している傾向がある一方、60代の顧客が増えている印象。(コロナ明けで)若い世代のお金の使い方が様々なところに分散したのかもしれない」
――購買単価について。
「購買単価自体は上がっている。これは比較的高単価商材である新品・中古クラブの販売が好調で、その構成比が上がっていることが影響している。一方で、ウェアは単価が高いものが動きにくく、低いものが出ている傾向。
クラブ自体は一定値上がりもしていて、買い替え頻度が増えている。1顧客当たりの年間の購入回数が伸びている状況。当社が独自で行っている(購入と同時に買い取りも行う割引サービスの)『下取り割』や(サブスク型の)『TRY SHOT(トライショット)』の影響が大きかった」
――アイテムごとの傾向は。
「中古クラブが非常に良かった。下取り割で調達が増えているので、そもそも販売できる在庫が増えていることが大きい。また、前述の通り新品価格が上がっているので、価格的なメリットから中古に流れていると感じる。一方で、低調だったのはウェア類。これは若年層が減っていることや、価格も多少上がっているので手が出づらかったのでは。キャリーバッグも価格が上がったので、影響を受けた」
――前期に特に注力したことは。
「トライショットや下取り割のプロモーションの強化を行った。今までサービス軸でのPRはあまりしていなかったが、これらは他社でやっていないものなので、差別化できるサービスだと思っている。トライショットについてはBSでのテレビCMや北海道でのイベントを行って認知拡大を図り、新規獲得でその効果があった」
――グループにあるリアルの売り場と連携については。
「中古クラブをメインにした店舗になっており、基本的には在庫連携をしていて、実店舗で販売しているものはECでも販売している」
――22年に秋葉原のゴルフショップに開設したショールーミング型の実店舗の「GDOSelect」の近況は。
「現在も運営していて、主に新品を扱っている。どこでも売っている商品というよりかは、少しニッチなものをあえて扱うようにして、EC上だけでは判断しづらいものをリアルで見てもらう場所としている。あとは取り置きの需要が多い。秋葉原駅に直結しているため、立地が良くその需要を獲得している」
――AIなど最新ツールの活用については。
「ECではレコメンドのようなところであるが、それ以外はフロント面で使っているようなものはほとんどない。ただ、在庫管理のツールとしては使っていて、AIで発注量の判断や、何を消化販売していくかなどの判断に活用している。精度というよりかは業務の効率化のためというもの。人の手でやっていた部分をある程度AIのロジックに任せて判断している」(つづく)
――国内のEC事業の前期業績を振り返って。
「売り上げ自体は前年比100%で悪くはない状況だったが、一方で在庫が過多になりそれを消化(セールなど)していった経緯もあって利益率は悪化した。22年はコロナ禍で(3密を回避できるとして)ゴルフファーが増え、業界自体が非常に好調だったこともあり、23年への仕入れを増やしていた。しかし、コロナバブルも落ち着いていって需要が減り、主にはウェア類の在庫が余ったという状況。
20~30代の若年層のゴルファーの売り上げが減少している傾向がある一方、60代の顧客が増えている印象。(コロナ明けで)若い世代のお金の使い方が様々なところに分散したのかもしれない」
――購買単価について。
「購買単価自体は上がっている。これは比較的高単価商材である新品・中古クラブの販売が好調で、その構成比が上がっていることが影響している。一方で、ウェアは単価が高いものが動きにくく、低いものが出ている傾向。
クラブ自体は一定値上がりもしていて、買い替え頻度が増えている。1顧客当たりの年間の購入回数が伸びている状況。当社が独自で行っている(購入と同時に買い取りも行う割引サービスの)『下取り割』や(サブスク型の)『TRY SHOT(トライショット)』の影響が大きかった」
――アイテムごとの傾向は。
「中古クラブが非常に良かった。下取り割で調達が増えているので、そもそも販売できる在庫が増えていることが大きい。また、前述の通り新品価格が上がっているので、価格的なメリットから中古に流れていると感じる。一方で、低調だったのはウェア類。これは若年層が減っていることや、価格も多少上がっているので手が出づらかったのでは。キャリーバッグも価格が上がったので、影響を受けた」
――前期に特に注力したことは。
「トライショットや下取り割のプロモーションの強化を行った。今までサービス軸でのPRはあまりしていなかったが、これらは他社でやっていないものなので、差別化できるサービスだと思っている。トライショットについてはBSでのテレビCMや北海道でのイベントを行って認知拡大を図り、新規獲得でその効果があった」
――グループにあるリアルの売り場と連携については。
「中古クラブをメインにした店舗になっており、基本的には在庫連携をしていて、実店舗で販売しているものはECでも販売している」
――22年に秋葉原のゴルフショップに開設したショールーミング型の実店舗の「GDOSelect」の近況は。
「現在も運営していて、主に新品を扱っている。どこでも売っている商品というよりかは、少しニッチなものをあえて扱うようにして、EC上だけでは判断しづらいものをリアルで見てもらう場所としている。あとは取り置きの需要が多い。秋葉原駅に直結しているため、立地が良くその需要を獲得している」
――AIなど最新ツールの活用については。
「ECではレコメンドのようなところであるが、それ以外はフロント面で使っているようなものはほとんどない。ただ、在庫管理のツールとしては使っていて、AIで発注量の判断や、何を消化販売していくかなどの判断に活用している。精度というよりかは業務の効率化のためというもの。人の手でやっていた部分をある程度AIのロジックに任せて判断している」(つづく)