前号に引き続き、ANAグループの仮想モールである「ANA Mall」について、運営を手がけているANA Xで同モールの責任者である三﨑経信チームリーダーに、現在の状況や今後の目標などについて聞いた。
◇
――2月に出店者数100店舗を達成したが、フォロー体制の強化などは。
「出店者のサポートデスクの人員を増やしただけでなく、対応範囲も拡大したことでより迅速に対応できるようにした。以前はシステムに関する問い合わせについて、社内の別デスクと連携して対応に当たっていたが、今はその機能も取り込んで一括対応できるように組織を集約した」
――モール内で提供する広告枠については。
「今は広告という立て付けで行っているものは何もなく、売れている商品がランキングで上位に表示されるという仕組みの露出だけ。しかし、出店者からのモール内広告へのニーズは結構高い。であれば、広告メニューとして作っていかなくてはと考えている。バナーで出せたり、商品検索結果で上位に出せるようにするなど。予約型の枠も含めて、施策としてタイアップ的なことができるかなど、時間はかかるがテストマーケティングから始まるような形になると思う」
――ANAならではの露出の仕方としては。
「最近では客室乗務員がお勧めする商品特集のページなども作ったりはしているが、まだまだ限られている。例えば、人気の機内食であったり、整備士の作業着から作ったトートバッグなどANA関連グッズはたくさんあるので、もっとそうしたページを整理して、レコメンドも工夫しながらやっていきたい。そういったところが後発のモールである我々としては一番の差別化になるはず。これらのコンテンツはモールをPRできる要素となるので、自分たちの強みとなる部分をきちんと理解しながら定期的に増やしていく」
――関連してANAグループ内での連携については。
「もともと、各グループ会社がそれぞれやっていたこと(小売りなど)を、ANAモールであればもっと販売ボリュームを上げられるのではという形に早く持っていきたい。そこは販売やPRの仕方であったり、タイミングも含めてきちんとコントロールできてこそだと思うので、グループ内で歩調を合わせてやっていければ。
また、今はANAあきんどがグループ内で地域商社という位置付けとなっているが、そちらに各地域での出店者の開拓を手伝ってもらっている」
――SNSなどの活用に関してANAグループで連携しているところは。
「現在、ANAグループでは2つの『X(旧ツイッター)』があり、いわゆる旅のつぶやきのようなアカウントと、広報PRのアカウントがある。広報PRのXでは、出店者の情報を任意に出せるのでうまく活用している。(フォロワー数の多い)ANAグループのメディアを使っていくことで効率的にユーザーを獲得できると考えている」
――今後の目標や計画について。
「やはり、大手ECの出店者をしっかりと取りそろえていくことをまずは目指したい。先ほど申し上げたような、家電やDIY系など主要顧客であるアクティブに航空利用しているビジネスパーソンを意識したようなところ。いくつかの大手ECとは商談も進んでいる。
また、2024年~26年度の3カ年の中期計画としては、『差別化』と『一般化』ということがキーワードになっていて、他のモールとの差別化をするに当たっては、ここにしかない店舗みたいなものは当然欲しいし、ANAグループだからこそというものもしっかりと充実させていかなければいけない。
その差別化がないと、立ち位置を明確にできないと思っているので、しっかり整えていく。とは言え、日常的にも使ってもらえないと、流通額は増えていかないので、そういった意味では一般的な商品がしっかりと整っている状態、つまり一般化ということも目指していきたい。
この中計3カ年の中で、いかにプラットフォームを発展させていくためのコア事業になっていくかということを、我々としては目標に置いている。単なるEC物販のモール事業にとどまらず、そこをプラットフォームにして事業拡大させていくというところがあるので、そこの基盤作りをこの3年間でやることが大きく掲げているものだ」(おわり)
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――2月に出店者数100店舗を達成したが、フォロー体制の強化などは。
「出店者のサポートデスクの人員を増やしただけでなく、対応範囲も拡大したことでより迅速に対応できるようにした。以前はシステムに関する問い合わせについて、社内の別デスクと連携して対応に当たっていたが、今はその機能も取り込んで一括対応できるように組織を集約した」
――モール内で提供する広告枠については。
「今は広告という立て付けで行っているものは何もなく、売れている商品がランキングで上位に表示されるという仕組みの露出だけ。しかし、出店者からのモール内広告へのニーズは結構高い。であれば、広告メニューとして作っていかなくてはと考えている。バナーで出せたり、商品検索結果で上位に出せるようにするなど。予約型の枠も含めて、施策としてタイアップ的なことができるかなど、時間はかかるがテストマーケティングから始まるような形になると思う」
――ANAならではの露出の仕方としては。
「最近では客室乗務員がお勧めする商品特集のページなども作ったりはしているが、まだまだ限られている。例えば、人気の機内食であったり、整備士の作業着から作ったトートバッグなどANA関連グッズはたくさんあるので、もっとそうしたページを整理して、レコメンドも工夫しながらやっていきたい。そういったところが後発のモールである我々としては一番の差別化になるはず。これらのコンテンツはモールをPRできる要素となるので、自分たちの強みとなる部分をきちんと理解しながら定期的に増やしていく」
――関連してANAグループ内での連携については。
「もともと、各グループ会社がそれぞれやっていたこと(小売りなど)を、ANAモールであればもっと販売ボリュームを上げられるのではという形に早く持っていきたい。そこは販売やPRの仕方であったり、タイミングも含めてきちんとコントロールできてこそだと思うので、グループ内で歩調を合わせてやっていければ。
また、今はANAあきんどがグループ内で地域商社という位置付けとなっているが、そちらに各地域での出店者の開拓を手伝ってもらっている」
――SNSなどの活用に関してANAグループで連携しているところは。
「現在、ANAグループでは2つの『X(旧ツイッター)』があり、いわゆる旅のつぶやきのようなアカウントと、広報PRのアカウントがある。広報PRのXでは、出店者の情報を任意に出せるのでうまく活用している。(フォロワー数の多い)ANAグループのメディアを使っていくことで効率的にユーザーを獲得できると考えている」
――今後の目標や計画について。
「やはり、大手ECの出店者をしっかりと取りそろえていくことをまずは目指したい。先ほど申し上げたような、家電やDIY系など主要顧客であるアクティブに航空利用しているビジネスパーソンを意識したようなところ。いくつかの大手ECとは商談も進んでいる。
また、2024年~26年度の3カ年の中期計画としては、『差別化』と『一般化』ということがキーワードになっていて、他のモールとの差別化をするに当たっては、ここにしかない店舗みたいなものは当然欲しいし、ANAグループだからこそというものもしっかりと充実させていかなければいけない。
その差別化がないと、立ち位置を明確にできないと思っているので、しっかり整えていく。とは言え、日常的にも使ってもらえないと、流通額は増えていかないので、そういった意味では一般的な商品がしっかりと整っている状態、つまり一般化ということも目指していきたい。
この中計3カ年の中で、いかにプラットフォームを発展させていくためのコア事業になっていくかということを、我々としては目標に置いている。単なるEC物販のモール事業にとどまらず、そこをプラットフォームにして事業拡大させていくというところがあるので、そこの基盤作りをこの3年間でやることが大きく掲げているものだ」(おわり)