直販強化し、顧客基盤を構築カネボウ化粧品子会社のジョゼ(本社・東京都港区、萱岡修三社長)が今年8月、スキンケアの新ブランドを立ち上げた。化粧品大手メーカーとしてこれまで商品開発力を活かし、数々のブランドを立ち上げながら一部を除きヒット商材に恵まれなかった同社。新ブランドでは将来的な直販強化も見据えている。
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ジョゼは現在、5ブランドを展開し、ジュピターショップチャンネル(JSC)のテレビ通販を中心に展開している。だが、好調な売れ行きをみせるのは、メークブランド「ファインシーン」など一部に限られる。肌や顔の変化を感じにくいスキンケアに比べ、テレビではメーク商材に分があるためだ。昨年立ち上げたスキンケアブランド「エムズアップ」もJSCでの展開の結果は芳しいものではなかった。
今回、その反省を活かし立ち上げたのが、新ブランド「チャームドロップ」(全4アイテム、税込2940~7350円)だ。
ターゲット層は「エムズアップ」同様、40代の女性層。各アイテム異なる香りを楽しめ、"五感で楽しむエイジングケア"をコンセプトにしている。ここ最近、エイジングケアの重要性がクローズアップされることが多いが、"こうあるべき"という義務的な要素が強く、化粧品が本来持つ"楽しむ"要素が薄れてきているためだ。
さらに、イメージキャラクターとなる人選もこだわった。過去に立ち上げた「エムズアップ」では、元テレ朝アナウンサーの南美希子さんを起用。ターゲット層に一定の知名度を持つ"広告塔"との印象が強かった。
だが、テレビ通販の語りでは、商品をプロデュースした人物の思い入れがインパクトを生むと判断。美容ジャーナリストの植村朗子(うえむら・うららこ)さんに商品企画の段階から関与してもらい、消費者目線に立った商品開発を行った。
これまでJSCで8月末から9月初旬まで計5回を放送。結果は「目標には至らなかった」(萱岡社長)としており、成功したとは言い難い。スキンケアの訴求を避け、美容液を前面に打ち出したが、猛暑の影響で注文が伸びなかったことや、植村さんがプレゼンターとして経験が浅いことも影響したようだ。
だが、面白い結果も得られた。商品の一つ「フレッシュジェリーソープ」(155グラム、同3675円)の単品注文が伸びたことだ。朝、洗顔しながらマッサージを行えるという商品の面白さに加え、ジュレタイプという形状の珍しさが受け「(単価は低いが)セット売りを補完し、商品のインパクトでは手応えを感じた。出荷数ではまずまずの結果」(同)を得られたという。
来年1月には、「チャームドロップ」のトライアルセットも発売。雑誌や新聞、折り込みチラシなど紙媒体のテストマーケも検討する。国内化粧品市場の飽和感が高まり競争が激化する中、直販による顧客の固定化を最終目的と見据えるためだ。直販の売り上げ比率を、現在の約1割から2割程度まで高めたいという。
これまで化粧品大手子会社として大手ブランドの名を表に出さず展開してきたジョゼ。だが同じく"アウト・オブ・資生堂"として百貨店チャネルで知名度を得てきた「イプサ」や「アユーラ」と比べると目立った印象がない。"アウト・オブ・カネボウ"として地位を確立できるか、今後の成否が注目される。
カネボウ化粧品子会社のジョゼ(本社・東京都港区、萱岡修三社長)が今年8月、スキンケアの新ブランドを立ち上げた。化粧品大手メーカーとしてこれまで商品開発力を活かし、数々のブランドを立ち上げながら一部を除きヒット商材に恵まれなかった同社。新ブランドでは将来的な直販強化も見据えている。
ジョゼは現在、5ブランドを展開し、ジュピターショップチャンネル(JSC)のテレビ通販を中心に展開している。だが、好調な売れ行きをみせるのは、メークブランド「ファインシーン」など一部に限られる。肌や顔の変化を感じにくいスキンケアに比べ、テレビではメーク商材に分があるためだ。昨年立ち上げたスキンケアブランド「エムズアップ」もJSCでの展開の結果は芳しいものではなかった。
今回、その反省を活かし立ち上げたのが、新ブランド「チャームドロップ」(全4アイテム、税込2940~7350円)だ。
ターゲット層は「エムズアップ」同様、40代の女性層。各アイテム異なる香りを楽しめ、"五感で楽しむエイジングケア"をコンセプトにしている。ここ最近、エイジングケアの重要性がクローズアップされることが多いが、"こうあるべき"という義務的な要素が強く、化粧品が本来持つ"楽しむ"要素が薄れてきているためだ。
さらに、イメージキャラクターとなる人選もこだわった。過去に立ち上げた「エムズアップ」では、元テレ朝アナウンサーの南美希子さんを起用。ターゲット層に一定の知名度を持つ"広告塔"との印象が強かった。
だが、テレビ通販の語りでは、商品をプロデュースした人物の思い入れがインパクトを生むと判断。美容ジャーナリストの植村朗子(うえむら・うららこ)さんに商品企画の段階から関与してもらい、消費者目線に立った商品開発を行った。
これまでJSCで8月末から9月初旬まで計5回を放送。結果は「目標には至らなかった」(萱岡社長)としており、成功したとは言い難い。スキンケアの訴求を避け、美容液を前面に打ち出したが、猛暑の影響で注文が伸びなかったことや、植村さんがプレゼンターとして経験が浅いことも影響したようだ。
だが、面白い結果も得られた。商品の一つ「フレッシュジェリーソープ」(155グラム、同3675円)の単品注文が伸びたことだ。朝、洗顔しながらマッサージを行えるという商品の面白さに加え、ジュレタイプという形状の珍しさが受け「(単価は低いが)セット売りを補完し、商品のインパクトでは手応えを感じた。出荷数ではまずまずの結果」(同)を得られたという。
来年1月には、「チャームドロップ」のトライアルセットも発売。雑誌や新聞、折り込みチラシなど紙媒体のテストマーケも検討する。国内化粧品市場の飽和感が高まり競争が激化する中、直販による顧客の固定化を最終目的と見据えるためだ。直販の売り上げ比率を、現在の約1割から2割程度まで高めたいという。
これまで化粧品大手子会社として大手ブランドの名を表に出さず展開してきたジョゼ。だが同じく"アウト・オブ・資生堂"として百貨店チャネルで知名度を得てきた「イプサ」や「アユーラ」と比べると目立った印象がない。"アウト・オブ・カネボウ"として地位を確立できるか、今後の成否が注目される。