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食品の宅配事業者でレシピ本が相次ぎ創刊されている。らでぃっしゅぼーや(本社・東京都港区、緒方大助社長)は10月22日、竹書房と組みレシピ本を発刊。大地を守る会(本社・千葉市美浜区、藤田和芳社長)は10月29日から、玄光社と連携してレシピ本を発売した。不況で自炊する人が増加したこともあり、"レシピ本"はブームとなっており、出版社はレシピ本の発刊を推進。ただし、すでに多くのレシピ本が出版されており、何らかな"差別化"が必要となる。宅配事業者が発行するレシピ本は野菜を販売する専門性を強みに、乱立する他と差別化が図りやすいとして相次いで創刊したようだ。宅配事業者にとってはレシピでの調理を通じて野菜の特徴や魅力を知ってもらう有効なツールと分析しており、新規客開拓につながるメリットがありそうだ。
大地を守る会では「農家ごはん」(3万部発行、AB版、104ページ、税込価格1260円)を発刊。45レシピを掲載し、料理研究家が紹介するほか、にんじんやたまねぎ、きのこなどそれぞれの生産者が登場し美味しい食べ方を説明。有機JAS法の解説や、有機野菜の味や価格の理由などを説明するコラムを掲載。
らでぃっしゅぼーやは「らでぃっしゅぼーやのおだいどこ~おいしい野菜を知っている、だからおいしい食べ方を知っている~」(竹書房、B5判96ページ、単行本オールカラー)を発刊し、109点のレシピを掲載。会員誌に掲載したレシピで人気のあったものを抜粋し、栄養バランスが良く素材の味を楽しめる内容とした。レシピ本は季節ごとに章立てし、旬な野菜の調理方法を紹介。食材別にレシピを探せるように索引を付けた。
相次ぐレシピ本創刊の背景には、体脂肪メーカーが発行したレシピ本のヒットがある。専門的な企業が協力したレシピ本は、他のレシピ本より信頼感や共感が得られやすいようだ。
食材宅配2社ではレシピ本は料理や野菜に関心の高いユーザーを、書店売り場でセグメントすることが可能と分析。レシピ本を通じて野菜の特徴や美味しい食べ方の理解深耕を図り、美味しい料理を調理できる利便性で誘導し、新規客の開拓につなげたい考えだ。