まくらでは、消費者にオンライン上で「枕診断」をしてもらうことで、一人ひとりに適したオーダーメイド枕「THE PILLOW」を提案している。とはいえ、枕は「好み」が関わる部分が非常に大きい商材。重要になってくるのは販売後のアフターフォローだ。
河元社長は「『枕が合わなかったときの責任は誰にあるか』ということへの考え方が180度変わった。今までも合わない枕の返品は受け付けていたが、あくまでも『お客様都合』であり、期間も20日間。しかし『THE PILLOW』は『AIがあなたに合う提案する』という商品なので、合わなかった場合の責任は全て当社にある」と話す。
カスタマーサポートに「THE PILLOW」が合わないという問い合わせがあった場合、必ず「大変申し訳ございませんでした」と謝罪するようにした。さらには、返品を受け付ける期間も撤廃。同商品は、月額1480円で使えるサブスクプランも設けている。こうしたサブスクは「最低利用期間」を設けていることが多いが、解約に関する制限を設けていない。
河元社長は「当社は絶対的に合う枕を提供し続けなくてはいけないし、テクノロジーとデータの蓄積で返品率は改善ができると思っている。なので、『枕が合わない場合は当社が全て責任を持つ』ことを徹底していく」と決意を語る。
とはいえ、購入してからどれだけ経過していても返品を受け付けるというのは、これまでのECの常識では考えられないサービスだ。河元社長も「顧客から返品の相談があって『申し訳ありませんでした』と切り出すことに抵抗があったのは確か。社内の文化を変える必要があった」と語る。しかも、まず顧客への返金を行い、商品を返すのはその後でも良いのだという。「言うなれば『性善説』。ようやくこうした姿勢が社内にも浸透してきた」。
「THE PILLOW」は、7つのポケットに入れる素材の容量で高さや硬さなどを調節できる。「仮に最初は合わなかったとしても、素材の増減でその人にとって寝心地の良い枕にすることができる。当社としては絶対に合わせられる自信があるので、顧客ときちんと向き合うことで、枕を売るだけで終わりにするのではなく、販売した後の顧客との関係性をどうやって築いていくかを重視している」(河元社長)。
そのため、重要になってくるのは「なぜ合わないのか」「寝心地の悪さを感じる原因は何か」をつきとめることだ。「寝る姿勢もあるし、敷布団の影響を受けることもあるので、睡眠時の環境を詳しく聞くことにしている。実は最初の枕診断では聞いていない部分なので、例えば『子供と一緒に寝ている』という人の場合、寝返りが制限されることで枕が合わなくなることもある」。枕診断の項目を増やしすぎると離脱率が増える恐れがあるため、質問はある程度絞っているという。「質問が不足していた部分は口頭で聞き取り、きちんとデータとして残すことで、同じ理由で返品する人を出さないようにしていきたい」。
自社サイトと楽天市場店で取り扱っているが、通常の購入よりもサブスクを利用するユーザーが多い。気になる返品率については「通常の商品より高いのは確かだが、想定した数字よりも低いし、減ってきている」という。
今後はBtoBにも注力する。例えば、保険会社のページに診断の仕組みを導入してもらい、「THE PILLOW」が売れた場合は売り上げの数%をバックする、といったアフィリエイトだ、他にも、寝具販売店や接骨院、整体院で枕診断をしてもらうビジネスも考えているという。
さらには海外販売も計画。「中国・台湾に関しては、診断の仕組みを中国語で提供し、現地の人の診断データをもとに日本で枕を作り、中国・台湾に送るという仕組みを考えている」。中国や台湾の人は日本人と寝る姿勢が似ているため作りやすいほか、「日本人の職人がオーダーメイドで枕を作る」ことに付加価値を感じる人が多いという。
ヨーロッパでの展開も計画しており、まずドイツからスタートする。寝る姿勢が日本人とは異なることや、枕の素材がドイツでは使いにくいことなどから、診断の仕組みや枕のポケット部分だけを提供する形を考えている。(
おわり)
河元社長は「『枕が合わなかったときの責任は誰にあるか』ということへの考え方が180度変わった。今までも合わない枕の返品は受け付けていたが、あくまでも『お客様都合』であり、期間も20日間。しかし『THE PILLOW』は『AIがあなたに合う提案する』という商品なので、合わなかった場合の責任は全て当社にある」と話す。
カスタマーサポートに「THE PILLOW」が合わないという問い合わせがあった場合、必ず「大変申し訳ございませんでした」と謝罪するようにした。さらには、返品を受け付ける期間も撤廃。同商品は、月額1480円で使えるサブスクプランも設けている。こうしたサブスクは「最低利用期間」を設けていることが多いが、解約に関する制限を設けていない。
河元社長は「当社は絶対的に合う枕を提供し続けなくてはいけないし、テクノロジーとデータの蓄積で返品率は改善ができると思っている。なので、『枕が合わない場合は当社が全て責任を持つ』ことを徹底していく」と決意を語る。
とはいえ、購入してからどれだけ経過していても返品を受け付けるというのは、これまでのECの常識では考えられないサービスだ。河元社長も「顧客から返品の相談があって『申し訳ありませんでした』と切り出すことに抵抗があったのは確か。社内の文化を変える必要があった」と語る。しかも、まず顧客への返金を行い、商品を返すのはその後でも良いのだという。「言うなれば『性善説』。ようやくこうした姿勢が社内にも浸透してきた」。
「THE PILLOW」は、7つのポケットに入れる素材の容量で高さや硬さなどを調節できる。「仮に最初は合わなかったとしても、素材の増減でその人にとって寝心地の良い枕にすることができる。当社としては絶対に合わせられる自信があるので、顧客ときちんと向き合うことで、枕を売るだけで終わりにするのではなく、販売した後の顧客との関係性をどうやって築いていくかを重視している」(河元社長)。
そのため、重要になってくるのは「なぜ合わないのか」「寝心地の悪さを感じる原因は何か」をつきとめることだ。「寝る姿勢もあるし、敷布団の影響を受けることもあるので、睡眠時の環境を詳しく聞くことにしている。実は最初の枕診断では聞いていない部分なので、例えば『子供と一緒に寝ている』という人の場合、寝返りが制限されることで枕が合わなくなることもある」。枕診断の項目を増やしすぎると離脱率が増える恐れがあるため、質問はある程度絞っているという。「質問が不足していた部分は口頭で聞き取り、きちんとデータとして残すことで、同じ理由で返品する人を出さないようにしていきたい」。
自社サイトと楽天市場店で取り扱っているが、通常の購入よりもサブスクを利用するユーザーが多い。気になる返品率については「通常の商品より高いのは確かだが、想定した数字よりも低いし、減ってきている」という。
今後はBtoBにも注力する。例えば、保険会社のページに診断の仕組みを導入してもらい、「THE PILLOW」が売れた場合は売り上げの数%をバックする、といったアフィリエイトだ、他にも、寝具販売店や接骨院、整体院で枕診断をしてもらうビジネスも考えているという。
さらには海外販売も計画。「中国・台湾に関しては、診断の仕組みを中国語で提供し、現地の人の診断データをもとに日本で枕を作り、中国・台湾に送るという仕組みを考えている」。中国や台湾の人は日本人と寝る姿勢が似ているため作りやすいほか、「日本人の職人がオーダーメイドで枕を作る」ことに付加価値を感じる人が多いという。
ヨーロッパでの展開も計画しており、まずドイツからスタートする。寝る姿勢が日本人とは異なることや、枕の素材がドイツでは使いにくいことなどから、診断の仕組みや枕のポケット部分だけを提供する形を考えている。(おわり)