コロナ禍を受けて、多くの事業者がECへと参入したこともあり、日本のEC化率は急速に高まった。ところが、ナウキャストとJCBが実施した、クレジットカードの決済データなどの調査によると、昨年の日本におけるEC売上高の伸び率は、前年比で2%増にとどまったという。
”巣ごもり需要”の反動が起きたわけだが、日本のEC化率はまだ10%未満にとどまっており、諸外国に比べるとまだまだ低い。そのため、コロナ禍における成長速度には及ばないものの、今後もEC化率が高まっていくこと自体は確実だ。
仮想モール「auPAYマーケット」を運営する、auコマース&ライフのコマース事業部ストアコンサルティング1部の三井文部長(=
写真)は「リアル店舗での消費がコロナ前と同程度に回復しているため、EC事業者間で顧客獲得の難易度が今後高まる可能性があり、今が事業者にとって『成長』と『衰退』のターニングポイントとなるかもしれない」と指摘する。
こうした中でEC事業者が打つべき施策とは何か。三井部長は「まず取り組むべきは『集客力』と『常連化』だろう」と話す。「集客」に関して、すぐにでもできるのは「マルチプラットフォーム戦略」だ。仮想モールは運営会社の「経済圏」と強く結びついており、経済圏の利用者は関連する仮想モールで買い物をする傾向が強い。
KDDIによる「au経済圏」も、「Pontaポイント」を中心に1億人以上の利用者を抱える。さらに、有料の優待サービス「auスマートパスプレミアム(スマプレ)」の会員数も1300万人超にのぼる。一つの仮想モールのみに出店しているのでは、他の経済圏が囲い込んでいる消費者へアプローチする手法を失ってしまう。auPAYマーケットに出店すれば、規模が大きいau経済圏へのアプローチが可能になる。
特に、スマプレ会員はauPAYマーケットとの結びつきが強いのが特徴で、仮想モール流通額のうちスマプレ会員が多くを占める。会員向け割引クーポンを配布しているほか、会員なら対象商品のポイントが1%増 や送料無料となり、さらにセールイベントにおける会員特典などもある。
そのため「スマプレ会員なら、初回でもかなりお得に購入することができるので、初回購入をフックとして他の経済圏のお客さまを引き込める可能性がある」(三井部長)のもEC事業者にとっては大きなメリットだ。
もう一つのポイントである「常連化」、これは全てのEC事業者にとって大きなテーマといえる。2回目以降の購入を促すには、初回購入後のアフターフォローが重要になってくるが、多くの顧客に対して個別に対応するのは難しいため、手間をかけずに効果的に販促を行う必要がある。
auPAYマーケットでは、事前にクーポンを設定しておくだけで、配信シナリオに合致するユーザーに対し、自動でメール配信を実施できる「自動販促オプション」を用意している。
三井部長は「例えば、来店したものの商品を閲覧するだけで買わなかったというお客さまに対してもクーポンでアプローチできる。また、一度購入したが、しばらく来店していないというお客さまに対しても、自動的にクーポンを案内することができる。条件に合致したお客さまに自動的にアプローチしてくれるので、店舗さまからは非常に好評だ」と語る。
また、ユーザー向け施策としては、auPAYマーケットで2000円以上購入すると、1~2000ポイントや50~1000円の割引クーポンなどが必ず当たる 「買い得ルーレット」も好評で、仮想モールへの再来訪・再購買を促すきっかけとなっている。
auPAYマーケットのユーザーは30~50代が中心だが、近年はライブコマースサービス「ライブTV」も視聴者数が伸びており、若年層の利用も伸びつつある。若年層向けの商品をauPAYマーケットで扱うのも、売り上げ増に向けた一つの打ち手といえるだろう。
三井部長は「auPAYマーケットは、注力すれば必ず売り上げが伸びるモール。EC事業者にとっても、一つの仮想モールに依存するのはリスクが高いので、当モールに力を入れることで、売り上げの”柱”が複数ある体制を目指してほしい」と事業者に呼びかける。
”巣ごもり需要”の反動が起きたわけだが、日本のEC化率はまだ10%未満にとどまっており、諸外国に比べるとまだまだ低い。そのため、コロナ禍における成長速度には及ばないものの、今後もEC化率が高まっていくこと自体は確実だ。
仮想モール「auPAYマーケット」を運営する、auコマース&ライフのコマース事業部ストアコンサルティング1部の三井文部長(=写真)は「リアル店舗での消費がコロナ前と同程度に回復しているため、EC事業者間で顧客獲得の難易度が今後高まる可能性があり、今が事業者にとって『成長』と『衰退』のターニングポイントとなるかもしれない」と指摘する。
こうした中でEC事業者が打つべき施策とは何か。三井部長は「まず取り組むべきは『集客力』と『常連化』だろう」と話す。「集客」に関して、すぐにでもできるのは「マルチプラットフォーム戦略」だ。仮想モールは運営会社の「経済圏」と強く結びついており、経済圏の利用者は関連する仮想モールで買い物をする傾向が強い。
KDDIによる「au経済圏」も、「Pontaポイント」を中心に1億人以上の利用者を抱える。さらに、有料の優待サービス「auスマートパスプレミアム(スマプレ)」の会員数も1300万人超にのぼる。一つの仮想モールのみに出店しているのでは、他の経済圏が囲い込んでいる消費者へアプローチする手法を失ってしまう。auPAYマーケットに出店すれば、規模が大きいau経済圏へのアプローチが可能になる。
特に、スマプレ会員はauPAYマーケットとの結びつきが強いのが特徴で、仮想モール流通額のうちスマプレ会員が多くを占める。会員向け割引クーポンを配布しているほか、会員なら対象商品のポイントが1%増 や送料無料となり、さらにセールイベントにおける会員特典などもある。
そのため「スマプレ会員なら、初回でもかなりお得に購入することができるので、初回購入をフックとして他の経済圏のお客さまを引き込める可能性がある」(三井部長)のもEC事業者にとっては大きなメリットだ。
もう一つのポイントである「常連化」、これは全てのEC事業者にとって大きなテーマといえる。2回目以降の購入を促すには、初回購入後のアフターフォローが重要になってくるが、多くの顧客に対して個別に対応するのは難しいため、手間をかけずに効果的に販促を行う必要がある。
auPAYマーケットでは、事前にクーポンを設定しておくだけで、配信シナリオに合致するユーザーに対し、自動でメール配信を実施できる「自動販促オプション」を用意している。
三井部長は「例えば、来店したものの商品を閲覧するだけで買わなかったというお客さまに対してもクーポンでアプローチできる。また、一度購入したが、しばらく来店していないというお客さまに対しても、自動的にクーポンを案内することができる。条件に合致したお客さまに自動的にアプローチしてくれるので、店舗さまからは非常に好評だ」と語る。
また、ユーザー向け施策としては、auPAYマーケットで2000円以上購入すると、1~2000ポイントや50~1000円の割引クーポンなどが必ず当たる 「買い得ルーレット」も好評で、仮想モールへの再来訪・再購買を促すきっかけとなっている。
auPAYマーケットのユーザーは30~50代が中心だが、近年はライブコマースサービス「ライブTV」も視聴者数が伸びており、若年層の利用も伸びつつある。若年層向けの商品をauPAYマーケットで扱うのも、売り上げ増に向けた一つの打ち手といえるだろう。
三井部長は「auPAYマーケットは、注力すれば必ず売り上げが伸びるモール。EC事業者にとっても、一つの仮想モールに依存するのはリスクが高いので、当モールに力を入れることで、売り上げの”柱”が複数ある体制を目指してほしい」と事業者に呼びかける。