前号に続き、auコマース&ライフ(=auCL)が運営する仮想モール「auPAYマーケット」の戦略について、同社の八津川博史代表取締役副社長に近況を聞いた。
◇
――ライブコマースを視聴する層は
。
「キャストの登用次第ではあるが、モールの中心となる顧客層よりは1世代、2世代下の顧客が多いようだ。ただ、au経済圏を利用している人も多いので、これまでauPAYマーケットにあまり関心を持っていなかった層に認知してもらっているという感覚が強い。一方、40~50代という当社のコア層に向けたライブコマースにもチャレンジしたいと考えている。世代によって受ける商材やコンテンツは違うので、それぞれの世代に合わせて勝ちパターンを作っていきたい」
――その他、店舗向けの施策については。
「店舗へのデータやツールなどの提供を進めているが、少しずつ成果となって出てきており、底上げが進んでいるようだ。私も店舗とのコミュニケーションに関して、6月から直接見るようになったので、店舗とコミュニケーションを取る場を増やしたいと思っている」
――底上げが進んでいるというのはどこで分かるのか。
「例えば、新規に出店した店舗が、一定期間にどれくらいの売り上げがあるかといったデータに関して、一定以上売り上げる店舗の数が右肩上がりになっている。さらに、店舗レビューや納期遅延率、店舗都合によるキャンセル率、クレーム数などをもとに決める『店舗スコア』も上がってきている。スコアに課題がある場合は、かなり強く指摘してきたのも大きい。スコアは検索結果にも反映されるため、品質の良い店舗や商品が前面に出てくるようになり、コンバージョンが良くなってきた手応えがある」
「また、店舗向けのコミュニティープラットフォーム『auPAYマーケットサロン』の仕組みも整備されてきた。新規店舗の大半もサロンに入会し、有益な情報を得ている。サロンのコンテンツや店舗とのコミュニケーションについては、内容が伴ってきたのではないか」
――出店店舗は増えているのか。
「非公表だが、微増傾向にある」
――店舗が活用する広告やツール関して、新たな取り組みは。
「入札型の『プラチナマッチ広告』を昨年12月にアップデートし、表示ロジックを変えたほか、全品入札可能な形とした。店舗にとっての投資対効果が良くなっており、喜びの声をもらっている」
「事前にクーポンを設定しておくだけで、配信シナリオに合致するユーザーに対し、自動でメール配信を実施できる『自動販促オプション』も強化している。特に、初回購入者向け施策に関してはかなりの成果が出ている。また、メールマガジンに関しても、購入状況に応じたセグメント配信ができるようになっており、開封率やコンバージョン率の向上につながっている」
――ポイント施策に関して、以前に比べるとポイント付与数が減っているようだが、影響は。
「au経済圏においては、当モール以外からのポイント供出の方が多い。さまざまなauのサービスを利用すればするほどポイントをたくさん得られるわけで、ユーザーは当モールでのポイント付与だけではなく、経済圏における総合的なポイント付与という観点で見ているのではないか」
「どのセグメントの顧客に、どんな店舗や商品を見てもらうことで流通を促進するかなど、マッチングの精度は高まっている。こういった部分をもっと磨いていきたい。KDDIとアクセンチュアの合弁会社である、アライズアナリティクスが分析を担っているが、サービスや機能改善につながっている」
――今後の目標などは。
「当モールを選び、使い続けてもらう理由作りにこだわりたい。顧客や店舗にとって『ペイマはぴりりと辛い部分があるから、使い続けよう・選び続けよう』と言ってもらえるサービスを運営する事業体でありたい。ライブコマースが代表だが、『とがったものの集合体』であることが大事であり、どこに『とがり』を感じるかは人によって異なってくるのではないか。『とがりの集合体』が実現できればユーザーに支持されるプラットフォームになるだろうし、そこに存在意義を見出していければ、社会的にも大きな価値があると思う」(おわり)
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――ライブコマースを視聴する層は
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「キャストの登用次第ではあるが、モールの中心となる顧客層よりは1世代、2世代下の顧客が多いようだ。ただ、au経済圏を利用している人も多いので、これまでauPAYマーケットにあまり関心を持っていなかった層に認知してもらっているという感覚が強い。一方、40~50代という当社のコア層に向けたライブコマースにもチャレンジしたいと考えている。世代によって受ける商材やコンテンツは違うので、それぞれの世代に合わせて勝ちパターンを作っていきたい」
――その他、店舗向けの施策については。
「店舗へのデータやツールなどの提供を進めているが、少しずつ成果となって出てきており、底上げが進んでいるようだ。私も店舗とのコミュニケーションに関して、6月から直接見るようになったので、店舗とコミュニケーションを取る場を増やしたいと思っている」
――底上げが進んでいるというのはどこで分かるのか。
「例えば、新規に出店した店舗が、一定期間にどれくらいの売り上げがあるかといったデータに関して、一定以上売り上げる店舗の数が右肩上がりになっている。さらに、店舗レビューや納期遅延率、店舗都合によるキャンセル率、クレーム数などをもとに決める『店舗スコア』も上がってきている。スコアに課題がある場合は、かなり強く指摘してきたのも大きい。スコアは検索結果にも反映されるため、品質の良い店舗や商品が前面に出てくるようになり、コンバージョンが良くなってきた手応えがある」
「また、店舗向けのコミュニティープラットフォーム『auPAYマーケットサロン』の仕組みも整備されてきた。新規店舗の大半もサロンに入会し、有益な情報を得ている。サロンのコンテンツや店舗とのコミュニケーションについては、内容が伴ってきたのではないか」
――出店店舗は増えているのか。
「非公表だが、微増傾向にある」
――店舗が活用する広告やツール関して、新たな取り組みは。
「入札型の『プラチナマッチ広告』を昨年12月にアップデートし、表示ロジックを変えたほか、全品入札可能な形とした。店舗にとっての投資対効果が良くなっており、喜びの声をもらっている」
「事前にクーポンを設定しておくだけで、配信シナリオに合致するユーザーに対し、自動でメール配信を実施できる『自動販促オプション』も強化している。特に、初回購入者向け施策に関してはかなりの成果が出ている。また、メールマガジンに関しても、購入状況に応じたセグメント配信ができるようになっており、開封率やコンバージョン率の向上につながっている」
――ポイント施策に関して、以前に比べるとポイント付与数が減っているようだが、影響は。
「au経済圏においては、当モール以外からのポイント供出の方が多い。さまざまなauのサービスを利用すればするほどポイントをたくさん得られるわけで、ユーザーは当モールでのポイント付与だけではなく、経済圏における総合的なポイント付与という観点で見ているのではないか」
「どのセグメントの顧客に、どんな店舗や商品を見てもらうことで流通を促進するかなど、マッチングの精度は高まっている。こういった部分をもっと磨いていきたい。KDDIとアクセンチュアの合弁会社である、アライズアナリティクスが分析を担っているが、サービスや機能改善につながっている」
――今後の目標などは。
「当モールを選び、使い続けてもらう理由作りにこだわりたい。顧客や店舗にとって『ペイマはぴりりと辛い部分があるから、使い続けよう・選び続けよう』と言ってもらえるサービスを運営する事業体でありたい。ライブコマースが代表だが、『とがったものの集合体』であることが大事であり、どこに『とがり』を感じるかは人によって異なってくるのではないか。『とがりの集合体』が実現できればユーザーに支持されるプラットフォームになるだろうし、そこに存在意義を見出していければ、社会的にも大きな価値があると思う」(おわり)