通販サイト作成サービス「BASE」を提供するBASEでは昨年4月、新料金プランを導入した。これまでは、初期費用・月額費用無料で商品が売れた際のみ手数料が発生するプランだけだったが、月額利用料5980円、決済手数料2・9%の「グロースプラン」を新設。比較的規模の大きいネット店舗の取り込む狙いがある。山村兼司上級執行役員COOに導入後1年の現状を聞いた。
――月額有料プランの提供により、売上規模の大きな店舗の流出が減ったとのことだが。
「『スタンダードプラン』の場合、店舗が成長して売上規模が大きくなると、手数料の負担が重くなっていた。長く『BASE』を使ってもらえるプランとして始めたわけだが、狙い通りとなっている」
――これまで規模が大きくなった店舗はどのサービスに流れていたのか。
「月商500~1000万円になると資金に余裕が出てくるので、『ショッピファイ』を利用したり、スクラッチで自社サイトを構築したりという店舗が多かったようだ」
――「BASE」はこれまで、個人やそれに近い小規模事業者が中心に利用してきた。
「コロナ禍もあり、既存の店舗が成長していったことで、月商の規模が底上げされていったことが、新プラン導入の背景にある」
――店舗獲得のためのアウトバウンド営業を担当するスカウトチームを設けた。
「SNSで人気の店舗は『BASE』との相性が良いので、SNSでフォロワーが多い店舗に営業をかけるのがメインの活動だ。仮想モールに出店している店舗というよりは、自社サイトにファンを集めてD2Cを展開している店舗の方が、『BASE』にはスムーズに移行できるので、そういった店舗に声をかけている」
――グロースプランの利用店舗は。
「4200店舗を突破した。このうち、スカウトチームが獲得した店舗は数百だ。既存の店舗が成長して移行する割合の方が多い。当初の想定通りに店舗が獲得できている」
「月商17万円を超えるとグロースプランの方が手数料は安くなるが、スタンダードプランは月額の固定費がかからない点がメリット。毎月販売しない店舗や、どれくらい売れるか分からない店舗にとってはスタンダードプランの方が向いているだろう。そのため、月商17万円以上の店舗が全て移行しているわけではない。現在、開設数は190万店舗を超えており、平均月商は15万円程度。平均月商は年々増えており、グロースプランに切り替える店舗はもっと増えていくだろう」
――最も売っている店舗の月商は。
「3億円近く売っている店舗もある。『初心者しか使えない』『お試し用』と思っている人もいるようだが、売上規模の大きい店舗でもカバーできるプロダクトとなっている。グロースプランとセットでそういった点もアピールしていきたい」
――規模が大きな店舗を対象とした『BASE』の機能開発は。
「ここ数年取り組んでおり、例えば複数スタッフで店舗を管理できる権限を持たせるための機能や、リピート購入促す機能や会員機能などのCRM関連といったものを強化している」
――競合となる「ショッピファイ」などと比較した際に、「BASE」が優位となる点は。
「誰でも扱えるところだろう。『ショッピファイ』の場合APIが充実しており、社内にエンジニアやデザイナーがいたり、制作を発注できる環境だったりすれば、自分の好きなように通販サイトが構築できる。『BASE』の場合、エンジニアやデザイナーがいなくても、公式の拡張機能『BASEApps』が充実しており、スマートフォンからボタンを押すだけで新しい機能が追加できる。細やかなカスタマイズに関しては、一部できないこともあるが、多くの機能はBASEAppsでカバーできる」
「運営スタッフが1人や2人といった店舗や、初期投資は大きくできないがやりたいことがたくさんあるといった店舗にとっては、『BASE』が選択肢に入ると思う。ただ、簡単に使えるからといって、売上規模の大きな店舗の運営には対応していないということではない」(つづく)
――月額有料プランの提供により、売上規模の大きな店舗の流出が減ったとのことだが。
「『スタンダードプラン』の場合、店舗が成長して売上規模が大きくなると、手数料の負担が重くなっていた。長く『BASE』を使ってもらえるプランとして始めたわけだが、狙い通りとなっている」
――これまで規模が大きくなった店舗はどのサービスに流れていたのか。
「月商500~1000万円になると資金に余裕が出てくるので、『ショッピファイ』を利用したり、スクラッチで自社サイトを構築したりという店舗が多かったようだ」
――「BASE」はこれまで、個人やそれに近い小規模事業者が中心に利用してきた。
「コロナ禍もあり、既存の店舗が成長していったことで、月商の規模が底上げされていったことが、新プラン導入の背景にある」
――店舗獲得のためのアウトバウンド営業を担当するスカウトチームを設けた。
「SNSで人気の店舗は『BASE』との相性が良いので、SNSでフォロワーが多い店舗に営業をかけるのがメインの活動だ。仮想モールに出店している店舗というよりは、自社サイトにファンを集めてD2Cを展開している店舗の方が、『BASE』にはスムーズに移行できるので、そういった店舗に声をかけている」
――グロースプランの利用店舗は。
「4200店舗を突破した。このうち、スカウトチームが獲得した店舗は数百だ。既存の店舗が成長して移行する割合の方が多い。当初の想定通りに店舗が獲得できている」
「月商17万円を超えるとグロースプランの方が手数料は安くなるが、スタンダードプランは月額の固定費がかからない点がメリット。毎月販売しない店舗や、どれくらい売れるか分からない店舗にとってはスタンダードプランの方が向いているだろう。そのため、月商17万円以上の店舗が全て移行しているわけではない。現在、開設数は190万店舗を超えており、平均月商は15万円程度。平均月商は年々増えており、グロースプランに切り替える店舗はもっと増えていくだろう」
――最も売っている店舗の月商は。
「3億円近く売っている店舗もある。『初心者しか使えない』『お試し用』と思っている人もいるようだが、売上規模の大きい店舗でもカバーできるプロダクトとなっている。グロースプランとセットでそういった点もアピールしていきたい」
――規模が大きな店舗を対象とした『BASE』の機能開発は。
「ここ数年取り組んでおり、例えば複数スタッフで店舗を管理できる権限を持たせるための機能や、リピート購入促す機能や会員機能などのCRM関連といったものを強化している」
――競合となる「ショッピファイ」などと比較した際に、「BASE」が優位となる点は。
「誰でも扱えるところだろう。『ショッピファイ』の場合APIが充実しており、社内にエンジニアやデザイナーがいたり、制作を発注できる環境だったりすれば、自分の好きなように通販サイトが構築できる。『BASE』の場合、エンジニアやデザイナーがいなくても、公式の拡張機能『BASEApps』が充実しており、スマートフォンからボタンを押すだけで新しい機能が追加できる。細やかなカスタマイズに関しては、一部できないこともあるが、多くの機能はBASEAppsでカバーできる」
「運営スタッフが1人や2人といった店舗や、初期投資は大きくできないがやりたいことがたくさんあるといった店舗にとっては、『BASE』が選択肢に入ると思う。ただ、簡単に使えるからといって、売上規模の大きな店舗の運営には対応していないということではない」(つづく)