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有力EC各社の次の一手──桃源郷、利益重視の方針へ転換

2010年10月14日 11:16

 5-2.jpg桃源郷は利益改善に向けた取り組みを強化している。その一環として今年5月に買収したビーズアクセサリーの通販サイト「ビーズマニア」を活用しオリジナル商品比率を高め、売上高ベースで現状の2倍の5割を目指す。オリジナル商品は既存客向けに提案し、新規客獲得はプラズマテレビなど利益率が低い仕入れ商品で行う。広告費用対効果の悪化で前期(09年6月期)は減益となったが、今期(11年3月期)の経常利益は4000万円を見込んでおり、ピークに当たる08年6月期並みに回復させる。
 
 
 「ビーズマニア」は取り扱いの8割がオリジナル商品となっており、オリジナル商品比率を高める同社の戦略に合致したため買収(取得金額は非公表)。女性をターゲットとする同サイトは家具やベビー用品を扱う既存通販サイトとの連携が可能で、取得した商品開発ノウハウや人員、顧客リストを活用する。
 
 「ビーズマニア」は1998年に通販事業を開始。手作りビーズアクセサリーの無料レシピで新規客を開拓。40~50代の女性が中心顧客層で、リピート率は80%に達するが、「難易度の高い商品が多く、顧客層が広がりにくかった」(ビーズマニアプロジェクト)という。
 
 このため11月以降をメドに、新規客層である10~20代向けビーズアクセサリーの手作りキットを発売。「価格が安く難易度が低いものを提案する予定」(同)とする。
 
 また仮想モールへの出店も計画。既存通販サイトとの連携を図り、メンズ向けビーズアクセサリーや子育てをする母親向け商品の開発も予定。サイト内では共同開発商品として訴求し、相互送客を図りたい考え。なお、通販サイト「ビーズマニア」の売上高は2011年中に月商2000万円を予定している。
 
 利益面については、桃源郷の受注システムへの統合や在庫の適正化などで効率化を図る。桃源郷としてもオリジナル商品の増加により、売上高ベースで利益を確保しやすい自社商品比率を高めたい考え。
 
 今後は「今後も開発能力のある通販サイト数店舗を買収したい」(大橋社長)としている。これによりオリジナル商品比率を現状の2倍となる5割まで高めたい考えだ。
 
 なお、10年3月期の9カ月変則決算の経常利益は1000万円を計上。売上高ベースでのオリジナル商品比率は3割前後となっている。


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