通販新聞社は通販実施企業を対象に、今年の通販市場の予想および景況感についてアンケート調査を行った。その結果、市場予測について「拡大する」と回答した企業の割合は53%で昨年7月に実施した前回調査より13ポイント上昇した。コロナ禍による通販利用の定着化を理由に挙げる声が多かった。一方、足元の消費動向は「下がっている」が約6割を占めた。今後の市場はどうなっていくのか、各社から寄せられた声をみていく。
本紙は主な通販実施企業約600社を対象に実施した通販通教売上高調査に合わせてアンケートを実施した。
まず、「2023年以降の通販市場について、どう予想していますか」と質問し、「拡大する」「横ばい」「縮小する」から選んでもらった。その結果、有効回答数のうち、「拡大する」と回答した企業は53%を占めた。「横ばい」は37%で「縮小する」は7%だった(
上グラフ参照)。
「今後の予想」
通販利用が定着化「拡大」が5割超
「拡大する」と回答した企業の意見で目立ったのは、コロナ禍で通販利用が増加・定着し、今後もその傾向が継続するという見解だ。
主な回答は、「コロナによって通信販売の利便性、安全性が評価され、今後も一定は定着すると想定される」(ジュピターショップチャンネル)、「コロナ禍で通販市場の存在感が拡大し、消費者の生活にも定着してきた」(新日本製薬)、「コロナ禍で通販利用者が増加した際の新規顧客が継続利用するため」(白鳩)、「ここ数年のコロナの影響による店頭販売の急減、通信販売の急伸といった急激な変化は生じないと捉えている。一方で、コロナ以前からのデジタル化の波は続いており、通販市場の拡大が続くと想定」(ファンケル)、「共働き世帯の増加による時短ニーズの増加、通販での購入体験増加による普及の進化等」(mighty)などの声があった。
消費者の傾向を加味した視点としては、「一般消費者の出費の傾向は旅行・観光分野が増えると思われ、自己需要品の購入は前年度、前々年度と比べて落ちるとは予測するが、日本のEC市場の伸びはまだ頭打ちの状況にはないと考える」(田中貴金属ジュエリー)、「消費活動が実店舗に戻りつつはあるが、店舗とECの融合の進化は継続する為、持続的な成長は維持」(マガシーク)、「世の中が活気づいてくる時期に入った」(テレビショッピング研究所)などがあった。
このほか、「化粧品の通信販売は今後も成長が期待される業界であり、競争の激化も起こりえる」(アプロス)、「異業種による新規参入が多いから」(世田谷自然食品)など、業界ごとの展望を交えた意見も見られた。
「横ばい」は約4割先行きへの不安強く
「横ばい」と回答した企業の回答では、通販市場の伸長は実感しているものの、昨今の物価高や円安の影響を懸念する声が目立った。
主な回答は、「需要低下はないと思うが、今般の物価高により、消費の低迷も見込まれるため」(GSTV)、「通販市場の伸びは引き続きあると思うが、原価高騰による値上げなどの影響で日本国内の消費は冷え込むのではないか」(ヤマサキ)、「販売チャネルとして定着してきたが、一方で景気悪化の影響も看過できない」(ニッピコラーゲン化粧品)、「円安やコスト高騰など不安要素は引き続き残るが、消費マインドの回復は期待できる」(ロッピングライフ)などがあった。
このほか、「外出意欲の高まりもあり店舗での購入を楽しむ消費者も増える一方、新型コロナの先行きは不透明なことに加え、コロナ渦で今までECを利用していなかった人も通販を利用するようになり、客層が増えると考えるため」(全日空商事)、「外出時間が増え、店舗での購入は増加すると予測されるが、ECは伸びていることから通販市場としては横ばいと予測」(ヒラキ)、「20年は新型コロナ拡大に伴う巣ごもり消費の影響で大幅に通販市場規模は拡大したが、21~22年の伸び率は鈍化しており、その傾向が今後も続くのではないか」(アイム)などの意見もあった。
また、「その他」として「長く続いたコロナによる外出自粛からの解放、実店舗回帰が活発化する一方、ECのデジタル接客、UI、UXの進化によるECサイトの進化も進んでおり、正しい予想ができない」(ユナイテッドアローズ)などの率直な声も寄せられた。
「消費動向」
物価上昇が足かせ約6割が「下降」
アンケートでは次に「現状の消費の動向をどう捉えていますか」と質問し、各社に「上向いている」「下がっている」「横ばい」の3択で回答してもらった。その結果、「下がっている」が57%と最も多く、「横ばい」は30%、「上向いている」が13%となった(
下グラフ参照)。
「下がっている」と回答した企業の回答では、物価高による消費意欲の低迷を挙げる声が圧倒的多数を占めた。
主な回答は、「物価上昇により消費動向が下降傾向にあるため」(タキイ種苗)、「物価の高騰」(ディーエムジェイ)、「物価が高騰しているため」(山田養蜂場)、「原材料費や燃料費高騰による値上げが影響するため」(白鳩)、「円安による物価の上昇・値上げにより、消費動向が下がっている」(アイム)、「物価高騰により、消費意欲が減退している」(ニッピコラーゲン化粧品)、「近頃の物価上昇に対する警戒で、旅行以外の消費には消極的になっている」(ちゅら花)、「物価高による消費の低下」(GSTV)、「国際紛争による消費マインドの低下と、コロナ特需の反動は影響が大きかった」(ロッピングライフ)などだった。
また、「物価高騰と先行きの社会保障含めた経済に対する不安から全体的に縮小。より良い物への選別が厳しくなる。人口減少は国内的には更に進んでいく」(mighty)、「各種生活関連商品や光熱費等、生活に直結するものの値上げが続いており、節約志向が高まっている」(ヒラキ)などの不安材料を挙げる声もあった。
次いで多かった「横ばい」では、「日用品等の値上げを実感するものは抑制する傾向にあるものの、コロナ感染者数の増加、減少の傾向に応じて、旅行等の消費は上向いていることから全体としては横ばいとみている」(ジュピターショップチャンネル)、「20年からのコロナ影響による急伸に比べると横ばい傾向にあると捉えている。ただし、デジタル化の進展による社会変化、通販市場の拡大基調は続いており、当面は微増傾向にある。期待は薄いものの、急激にコロナ感染が落ち着いた場合、外出が増える=メイク消費の拡大などは考えられる」(ファンケル)、「物価高騰により生活主体の買い物中心になり、必需品以外の買い物に慎重になっている」(テレビショッピング研究所)、「全体の消費マインドは上がっているが、アパレルについてはコロナ禍収束に伴う『リベンジ消費』はほぼ無く、社会全体の半強制的な自粛の雰囲気が継続、コロナ禍以前の生活に完全には戻らないことから良くて横ばいと想定」(マガシーク)などの声があった。
一方で、「上向き」とした企業の回答の中では「最近の物価高によって生活必需品の消費に逆風が吹いているが、高付加価値商品は好調」(インペリアル・エンタープライズ)、「外出意欲が高まっていることで、今まで抑えていた消費意欲が増幅すると考えられる」(全日空商事)、「コロナ禍の抑制から解放され、反動が大きく出ていると感じる」(田中貴金属ジュエリー)など良好な景況感を挙げる声も多く、「衣料品の消費傾向としては、外出機会の増加により上向いている」(ユナイテッドアローズ)など、業界による状況の違いが窺える結果となった。
購買意欲が鈍化、「巣ごもり反動減」に苦戦
<コロナ下の3年間の変化は?>
新型コロナウイルス影響下における3年間の状況について各社はどのように総括しているのか。アンケートでは「コロナ禍1年目の20年度および21年度と比較して、22年度の市場動向や消費者の購買動向などに相違点はありましたか」と質問した。各社の回答は次の通り。
節約志向強く
各社からの回答で多かったのは、巣ごもり需要の反動減や物価高による消費者マインドの冷え込みを危惧する声だ。
主な回答では、「20年度、21年度の巣ごもり需要拡大から、コロナ対策規制緩和により明らかに内向きから外向きに購買動向が変化し、その上物価高による値上げの影響で買い控え傾向による向かい風が収まらない状況」(タキイ種苗)、「コロナ禍1年目は健康食品通販にとっては追い風もあったが、2年目は新規参入も増えて競争が激しくなった。更に22年は物価高での購買欲の減少に加えて小売業者も値上げせざるを得ず、売価の上昇により購入を控える客もいる」(ちゅら花)、「コロナ禍1~2年目は巣ごもり需要があり衣類や雑貨類の需要が伸びた。3年目は巣ごもり需要も落ち着き、生活用品の値上げも相まり購買意欲は高まっていない」(ヒラキ)、「20年をピークに新規獲得効率が下がっている。20年はネットでの新規獲得が好調だったが年々競争が激化し、獲得が不安定になっている。その分、既存顧客の安定化(定期誘導)により売上を維持している」(ヤマサキ)、「衝動買いがなくなり、考え、比較しながらの購買傾向になった」(テレビショッピング研究所)、「物価高により選別志向、節約志向が強まっている」(mighty)などだった。
売れ筋に変化も
購買行動では、売れ筋の変化を指摘する意見も目立った。
「オンラインショッピングやテレワークなどの需要は継続しているが売れ筋商品に若干の変化が見られる。インドア、機能重視、自己投資などの傾向は変わらないが、新しい商品、満足度の高いチョイス、便利な決済方法など一定のこだわりが感じられる」(ロッピングライフ)、「外出制限やイベント中止等により支出を抑えていた人々がようやくお金を使いだしてきた感じがする」(インペリアル・エンタープライズ)、「ウィズコロナが定着し、コロナ感染者数の増加、減少に応じた消費を行っている」(ジュピターショップチャンネル)、「コロナ禍ではレジャー産業が低迷した反面、高級車や宝飾品など高価な嗜好品への需要が明らかに増えた。コロナは収束していないが対策緩和によりレジャー産業が息を吹き返したと同時に当社の売上は低下の傾向は表れていると感じている」(GSTV)などだった。
このほか、「21年度まではECへのシフトが明確にあったが、22年度は実店舗への来店が大きく回復し、ECサイトで商品チェック後に来店して購入するという流れが増加した」(田中貴金属ジュエリー)、「1年目は「巣ごもり」需要で増加、2年目は通販利用における電子決済等の普及とプロモーションによる増加」(白鳩)、「化粧品に関する動向は大きな変化はない。しかし、生活様式も変化しており、実態にあわせた購買環境が挙げられる」(アプロス)、「外出、旅行等機会の増加により衣料品の消費は上向いている」(ユナイテッドアローズ)などの意見が寄せられた。
本紙は主な通販実施企業約600社を対象に実施した通販通教売上高調査に合わせてアンケートを実施した。
まず、「2023年以降の通販市場について、どう予想していますか」と質問し、「拡大する」「横ばい」「縮小する」から選んでもらった。その結果、有効回答数のうち、「拡大する」と回答した企業は53%を占めた。「横ばい」は37%で「縮小する」は7%だった(上グラフ参照)。
「今後の予想」
通販利用が定着化「拡大」が5割超
「拡大する」と回答した企業の意見で目立ったのは、コロナ禍で通販利用が増加・定着し、今後もその傾向が継続するという見解だ。
主な回答は、「コロナによって通信販売の利便性、安全性が評価され、今後も一定は定着すると想定される」(ジュピターショップチャンネル)、「コロナ禍で通販市場の存在感が拡大し、消費者の生活にも定着してきた」(新日本製薬)、「コロナ禍で通販利用者が増加した際の新規顧客が継続利用するため」(白鳩)、「ここ数年のコロナの影響による店頭販売の急減、通信販売の急伸といった急激な変化は生じないと捉えている。一方で、コロナ以前からのデジタル化の波は続いており、通販市場の拡大が続くと想定」(ファンケル)、「共働き世帯の増加による時短ニーズの増加、通販での購入体験増加による普及の進化等」(mighty)などの声があった。
消費者の傾向を加味した視点としては、「一般消費者の出費の傾向は旅行・観光分野が増えると思われ、自己需要品の購入は前年度、前々年度と比べて落ちるとは予測するが、日本のEC市場の伸びはまだ頭打ちの状況にはないと考える」(田中貴金属ジュエリー)、「消費活動が実店舗に戻りつつはあるが、店舗とECの融合の進化は継続する為、持続的な成長は維持」(マガシーク)、「世の中が活気づいてくる時期に入った」(テレビショッピング研究所)などがあった。
このほか、「化粧品の通信販売は今後も成長が期待される業界であり、競争の激化も起こりえる」(アプロス)、「異業種による新規参入が多いから」(世田谷自然食品)など、業界ごとの展望を交えた意見も見られた。
「横ばい」は約4割先行きへの不安強く
「横ばい」と回答した企業の回答では、通販市場の伸長は実感しているものの、昨今の物価高や円安の影響を懸念する声が目立った。
主な回答は、「需要低下はないと思うが、今般の物価高により、消費の低迷も見込まれるため」(GSTV)、「通販市場の伸びは引き続きあると思うが、原価高騰による値上げなどの影響で日本国内の消費は冷え込むのではないか」(ヤマサキ)、「販売チャネルとして定着してきたが、一方で景気悪化の影響も看過できない」(ニッピコラーゲン化粧品)、「円安やコスト高騰など不安要素は引き続き残るが、消費マインドの回復は期待できる」(ロッピングライフ)などがあった。
このほか、「外出意欲の高まりもあり店舗での購入を楽しむ消費者も増える一方、新型コロナの先行きは不透明なことに加え、コロナ渦で今までECを利用していなかった人も通販を利用するようになり、客層が増えると考えるため」(全日空商事)、「外出時間が増え、店舗での購入は増加すると予測されるが、ECは伸びていることから通販市場としては横ばいと予測」(ヒラキ)、「20年は新型コロナ拡大に伴う巣ごもり消費の影響で大幅に通販市場規模は拡大したが、21~22年の伸び率は鈍化しており、その傾向が今後も続くのではないか」(アイム)などの意見もあった。
また、「その他」として「長く続いたコロナによる外出自粛からの解放、実店舗回帰が活発化する一方、ECのデジタル接客、UI、UXの進化によるECサイトの進化も進んでおり、正しい予想ができない」(ユナイテッドアローズ)などの率直な声も寄せられた。
「消費動向」
物価上昇が足かせ約6割が「下降」
アンケートでは次に「現状の消費の動向をどう捉えていますか」と質問し、各社に「上向いている」「下がっている」「横ばい」の3択で回答してもらった。その結果、「下がっている」が57%と最も多く、「横ばい」は30%、「上向いている」が13%となった(下グラフ参照)。
「下がっている」と回答した企業の回答では、物価高による消費意欲の低迷を挙げる声が圧倒的多数を占めた。
主な回答は、「物価上昇により消費動向が下降傾向にあるため」(タキイ種苗)、「物価の高騰」(ディーエムジェイ)、「物価が高騰しているため」(山田養蜂場)、「原材料費や燃料費高騰による値上げが影響するため」(白鳩)、「円安による物価の上昇・値上げにより、消費動向が下がっている」(アイム)、「物価高騰により、消費意欲が減退している」(ニッピコラーゲン化粧品)、「近頃の物価上昇に対する警戒で、旅行以外の消費には消極的になっている」(ちゅら花)、「物価高による消費の低下」(GSTV)、「国際紛争による消費マインドの低下と、コロナ特需の反動は影響が大きかった」(ロッピングライフ)などだった。
また、「物価高騰と先行きの社会保障含めた経済に対する不安から全体的に縮小。より良い物への選別が厳しくなる。人口減少は国内的には更に進んでいく」(mighty)、「各種生活関連商品や光熱費等、生活に直結するものの値上げが続いており、節約志向が高まっている」(ヒラキ)などの不安材料を挙げる声もあった。
次いで多かった「横ばい」では、「日用品等の値上げを実感するものは抑制する傾向にあるものの、コロナ感染者数の増加、減少の傾向に応じて、旅行等の消費は上向いていることから全体としては横ばいとみている」(ジュピターショップチャンネル)、「20年からのコロナ影響による急伸に比べると横ばい傾向にあると捉えている。ただし、デジタル化の進展による社会変化、通販市場の拡大基調は続いており、当面は微増傾向にある。期待は薄いものの、急激にコロナ感染が落ち着いた場合、外出が増える=メイク消費の拡大などは考えられる」(ファンケル)、「物価高騰により生活主体の買い物中心になり、必需品以外の買い物に慎重になっている」(テレビショッピング研究所)、「全体の消費マインドは上がっているが、アパレルについてはコロナ禍収束に伴う『リベンジ消費』はほぼ無く、社会全体の半強制的な自粛の雰囲気が継続、コロナ禍以前の生活に完全には戻らないことから良くて横ばいと想定」(マガシーク)などの声があった。
一方で、「上向き」とした企業の回答の中では「最近の物価高によって生活必需品の消費に逆風が吹いているが、高付加価値商品は好調」(インペリアル・エンタープライズ)、「外出意欲が高まっていることで、今まで抑えていた消費意欲が増幅すると考えられる」(全日空商事)、「コロナ禍の抑制から解放され、反動が大きく出ていると感じる」(田中貴金属ジュエリー)など良好な景況感を挙げる声も多く、「衣料品の消費傾向としては、外出機会の増加により上向いている」(ユナイテッドアローズ)など、業界による状況の違いが窺える結果となった。
購買意欲が鈍化、「巣ごもり反動減」に苦戦
<コロナ下の3年間の変化は?>
新型コロナウイルス影響下における3年間の状況について各社はどのように総括しているのか。アンケートでは「コロナ禍1年目の20年度および21年度と比較して、22年度の市場動向や消費者の購買動向などに相違点はありましたか」と質問した。各社の回答は次の通り。
節約志向強く
各社からの回答で多かったのは、巣ごもり需要の反動減や物価高による消費者マインドの冷え込みを危惧する声だ。
主な回答では、「20年度、21年度の巣ごもり需要拡大から、コロナ対策規制緩和により明らかに内向きから外向きに購買動向が変化し、その上物価高による値上げの影響で買い控え傾向による向かい風が収まらない状況」(タキイ種苗)、「コロナ禍1年目は健康食品通販にとっては追い風もあったが、2年目は新規参入も増えて競争が激しくなった。更に22年は物価高での購買欲の減少に加えて小売業者も値上げせざるを得ず、売価の上昇により購入を控える客もいる」(ちゅら花)、「コロナ禍1~2年目は巣ごもり需要があり衣類や雑貨類の需要が伸びた。3年目は巣ごもり需要も落ち着き、生活用品の値上げも相まり購買意欲は高まっていない」(ヒラキ)、「20年をピークに新規獲得効率が下がっている。20年はネットでの新規獲得が好調だったが年々競争が激化し、獲得が不安定になっている。その分、既存顧客の安定化(定期誘導)により売上を維持している」(ヤマサキ)、「衝動買いがなくなり、考え、比較しながらの購買傾向になった」(テレビショッピング研究所)、「物価高により選別志向、節約志向が強まっている」(mighty)などだった。
売れ筋に変化も
購買行動では、売れ筋の変化を指摘する意見も目立った。
「オンラインショッピングやテレワークなどの需要は継続しているが売れ筋商品に若干の変化が見られる。インドア、機能重視、自己投資などの傾向は変わらないが、新しい商品、満足度の高いチョイス、便利な決済方法など一定のこだわりが感じられる」(ロッピングライフ)、「外出制限やイベント中止等により支出を抑えていた人々がようやくお金を使いだしてきた感じがする」(インペリアル・エンタープライズ)、「ウィズコロナが定着し、コロナ感染者数の増加、減少に応じた消費を行っている」(ジュピターショップチャンネル)、「コロナ禍ではレジャー産業が低迷した反面、高級車や宝飾品など高価な嗜好品への需要が明らかに増えた。コロナは収束していないが対策緩和によりレジャー産業が息を吹き返したと同時に当社の売上は低下の傾向は表れていると感じている」(GSTV)などだった。
このほか、「21年度まではECへのシフトが明確にあったが、22年度は実店舗への来店が大きく回復し、ECサイトで商品チェック後に来店して購入するという流れが増加した」(田中貴金属ジュエリー)、「1年目は「巣ごもり」需要で増加、2年目は通販利用における電子決済等の普及とプロモーションによる増加」(白鳩)、「化粧品に関する動向は大きな変化はない。しかし、生活様式も変化しており、実態にあわせた購買環境が挙げられる」(アプロス)、「外出、旅行等機会の増加により衣料品の消費は上向いている」(ユナイテッドアローズ)などの意見が寄せられた。