通販事業者にとっても新たな「売り場」として期待される"次世代マルチメディア放送"のインフラ事業者に決まった、ドコモを中心とするマルチメディア放送。パートナーは未定だが、動画や書籍、ゲームなど多彩なコンテンツを提供する計画で、「ワンセグ」などの類似サービスとは「ファイル蓄積型」などの強みで差別化を図り、視聴者を獲得する構想のようだ。石川昌行取締役に戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)
――マルチメディア放送の特徴は。 「『ワンセグ』のようなリアルタイムの普通の放送もあるが、放送波を使って、通信と同じようにファイルを使って端末に送り届ける『蓄積型』が今までにない試みだ。プッシュ型でコンテンツを送ることができるわけだ。また、全国をカバーできるのが今までの地上放送とは異なっている。一度に同じものを送ることができるわけだ」
――蓄積型のメリットは。 「蓄積される、ということ。自分から取りにいく必要がないわけだ。通信だと重い動画は難しかったが、このサービスは放送波なので相当リッチな高精細のものが送れる。例えば前の日の夜中に送っておけば、次の日の朝には、エリアの外でもどこでも好きな時に見ることができる。基本は毎日見る、生活に密着したサービスだと思っている。携帯は肌身離さず持っているメディアなので、習慣的に見るということを重視したい」
――どういうコンテンツを揃える予定なのか。 「未定だが、できるだけ数を多くしたい。いろいろなコンテンツを月額で見放題のパッケージにして入れていこうと思っている。その中には通販番組もあるかもしれないし、ゲームや新聞、音楽などもあるだろう。つまりデジタルファイルになるものであればなんでもいいわけだ」
――
核となるコンテンツは。 「総合的な編成になると思う。総合編成というと普通のテレビのように感じるかもしれないが、プラス電子書籍やゲーム、いろいろなアプリケーションなどをすべて含んだ総合編成だ。放送というと動画など映像を連想し勝ちだが、デジタルデータならなんでも送れるのでそこが今までと異なる新しい部分だろう」
――
通販ではどのようなことができるのか。 「まずストリーミング形式では、リアルタイムで通販番組などを見てそのまま商品を購入する、ということができる。ただ、それはあまり目新しさがない。それにリアルタイムで場を盛り上げるやり方は、ユーザーの見る時間を特定できない問題もある。それよりも、ファイル蓄積型で、同じような嗜好を持った人にファイルを送るやり方が魅力があると考えている。過去にどんなファイルを見ていたのかを参考に『この人にはこんなファイルがいいだろう』とセグメントして送ることができるわけだ。その人のライフスタイルに合ったものを継続的にお勧めしていく、というのは通販向きだと思う。ただ時間はバラけてしまうので、どう付加価値をユーザーに出していくかが重要になってくる」
――
ユーザーはどう獲得していくのか。 「端末をまず出さなければいけない。5年間で対応端末は5千万台出す。ここでまずベースができる。ユーザーが携帯を買いにきたときがチャンスなので、店頭で勧誘してできるだけ加入してもらう。おそらく始めは出荷数も少ないので、最終年度に向けて多くなっていくイメージだ」
――
類似のサービス「モバHO!」(※東芝子会社が提供していた移動体向け放送)は5年ほどで終了したが勝算は。 「このサービスでは端末の普及、サービス内容、値段のレンジ、この3つが重要だが、この3つを『モバHO!』は外していたのかなと。我々は、まず端末は5千万台出すことでクリアしている。サービス内容は『ファイル蓄積型』という新しいものだし、他のコンテンツを流用するのでは意味がないと思っているので、そこも変える。料金は『モバHO!』より安い300円。もちろん、これらを変えたから成功するとは言えないが」
――
契約数はどれぐらいを見込んでいるのか。 「端末は5千万台を出荷して、そのうち2~3割とすれば1千万超ぐらいにはなると思う」
――
利用料金は。 「あるボリュームは定額300円で見放題にして、映画などのコンテンツはプラス一本何百円、などの特別料金にする形を考えている。帯域の制限もあるので品質の高いコンテンツをパッケージで提供したい。ユーザーにはその中から欲しいものを選んでもらう」
――
収益の分配は。 「いろいろな形があると思う。我々が調達してきてお金を支払う形もあるし、レベニューシェアのモデルもある。その辺りはいろいろな方法を組み合わせ検討したい」
――マルチメディア放送の特徴は。
「『ワンセグ』のようなリアルタイムの普通の放送もあるが、放送波を使って、通信と同じようにファイルを使って端末に送り届ける『蓄積型』が今までにない試みだ。プッシュ型でコンテンツを送ることができるわけだ。また、全国をカバーできるのが今までの地上放送とは異なっている。一度に同じものを送ることができるわけだ」
――蓄積型のメリットは。
「蓄積される、ということ。自分から取りにいく必要がないわけだ。通信だと重い動画は難しかったが、このサービスは放送波なので相当リッチな高精細のものが送れる。例えば前の日の夜中に送っておけば、次の日の朝には、エリアの外でもどこでも好きな時に見ることができる。基本は毎日見る、生活に密着したサービスだと思っている。携帯は肌身離さず持っているメディアなので、習慣的に見るということを重視したい」
――どういうコンテンツを揃える予定なのか。
「未定だが、できるだけ数を多くしたい。いろいろなコンテンツを月額で見放題のパッケージにして入れていこうと思っている。その中には通販番組もあるかもしれないし、ゲームや新聞、音楽などもあるだろう。つまりデジタルファイルになるものであればなんでもいいわけだ」
――核となるコンテンツは。
「総合的な編成になると思う。総合編成というと普通のテレビのように感じるかもしれないが、プラス電子書籍やゲーム、いろいろなアプリケーションなどをすべて含んだ総合編成だ。放送というと動画など映像を連想し勝ちだが、デジタルデータならなんでも送れるのでそこが今までと異なる新しい部分だろう」
――通販ではどのようなことができるのか。
「まずストリーミング形式では、リアルタイムで通販番組などを見てそのまま商品を購入する、ということができる。ただ、それはあまり目新しさがない。それにリアルタイムで場を盛り上げるやり方は、ユーザーの見る時間を特定できない問題もある。それよりも、ファイル蓄積型で、同じような嗜好を持った人にファイルを送るやり方が魅力があると考えている。過去にどんなファイルを見ていたのかを参考に『この人にはこんなファイルがいいだろう』とセグメントして送ることができるわけだ。その人のライフスタイルに合ったものを継続的にお勧めしていく、というのは通販向きだと思う。ただ時間はバラけてしまうので、どう付加価値をユーザーに出していくかが重要になってくる」
――ユーザーはどう獲得していくのか。
「端末をまず出さなければいけない。5年間で対応端末は5千万台出す。ここでまずベースができる。ユーザーが携帯を買いにきたときがチャンスなので、店頭で勧誘してできるだけ加入してもらう。おそらく始めは出荷数も少ないので、最終年度に向けて多くなっていくイメージだ」
――類似のサービス「モバHO!」(※東芝子会社が提供していた移動体向け放送)は5年ほどで終了したが勝算は。
「このサービスでは端末の普及、サービス内容、値段のレンジ、この3つが重要だが、この3つを『モバHO!』は外していたのかなと。我々は、まず端末は5千万台出すことでクリアしている。サービス内容は『ファイル蓄積型』という新しいものだし、他のコンテンツを流用するのでは意味がないと思っているので、そこも変える。料金は『モバHO!』より安い300円。もちろん、これらを変えたから成功するとは言えないが」
――契約数はどれぐらいを見込んでいるのか。
「端末は5千万台を出荷して、そのうち2~3割とすれば1千万超ぐらいにはなると思う」
――利用料金は。
「あるボリュームは定額300円で見放題にして、映画などのコンテンツはプラス一本何百円、などの特別料金にする形を考えている。帯域の制限もあるので品質の高いコンテンツをパッケージで提供したい。ユーザーにはその中から欲しいものを選んでもらう」
――収益の分配は。
「いろいろな形があると思う。我々が調達してきてお金を支払う形もあるし、レベニューシェアのモデルもある。その辺りはいろいろな方法を組み合わせ検討したい」