通販物流支援などを手がける富士ロジテックホールディングスでは今年度より、ECでの返品・交換物流サービスの提供を本格展開している。アパレルEC企業などを中心に、返品・交換に関わるコストや手間の問題を、専用システムを通じて解決していく。
同社によると、現状、ECの返品率はアメリカでは2~3割程度と言われる中、日本ではまだ1割程度だが、返品・交換ができるアパレル関連商品だけで見るとそれが2~3割になるとのデータがあるという。アパレル商品は、サイト上の画像と届いた実物を比べた場合に、見た目や色味、風合いなどが微妙に異なることがあるため、ミスマッチにつながるケースが少なくない。また、メーカーごとにサイズ感が違うことも他の商材と比べて返品率が高くなる要因となっている。
通常、顧客が商品を返品する場合、倉庫に着払いで配送することがあるが、受け取った倉庫の現場では顧客の手書きの送り状だけではどこからどういった要件で返品された荷物なのかを把握することが難しく、照合や検品作業に大きな手間がかかる。そのため、返品作業で少なくない物流コストが発生。顧客への商品交換が完了するまでに時間も要してしまい、その後の顧客離脱につながる場合もあるという。
そこで同社では、提携する企業と共に専用のシステムをEC企業に提供。返品を希望する顧客がEC企業のサイト上から当該商品や注文番号、返品理由、顧客データなどを入力することで、倉庫とEC企業で返品作業に必要な情報を共有・管理することができ、顧客、カスタマーセンター、物流作業の負担を大幅に減らすことが可能になるという。「返品商品が到着してからの倉庫側の検品処理は半日程度で済むようになるため、最短で翌日には返金処理や交換商品の発送が行える」(西間木智通販営業部部長)と説明。同システムの導入で倉庫での処理時間は約半分となり、人件費負担といった物流コストも大きく圧縮できるというのだ。
なお、顧客がサイトで入力する項目についてはカスタマイズでき、簡素化することも、返品理由といったより詳しい内容を入力してもらうことも可能だ。また、データ収集することも可能で、かつ顧客の購買後の体験を最適化して再購買につなげる。
都市部4エリアで拠点展開
また、同社では関東、中部、関西、九州の都市部4エリアで複数の物流施設を保有しているため、顧客や通販企業それぞれが位置する最も近い拠点での返品・交換物流を効率的に展開することができる。近年はコロナや天災などに備えるBCPの観点から、物流拠点を分散化するニーズもあるため、それに応える体制もできているとした。
最近の潮流として、アパレル、靴など色柄やサイズピッチなどが幅広い商材については、自前で物流の仕組みを持つ大手小売り企業・メーカーを中心に、ECの返品交換に対応した仕組みを構築しているところが少なくない。消費者もアパレルECは返品・交換が当たり前というイメージを持ちつつある中、「物流側で返品・交換ができるプラットフォームを提供しているところはまだ少ない。この仕組みはアパレルEC特有の物流課題に対応できる」(西間木部長)とした。
今後については、物流側のオムニチャネル化も提案していく考え。実店舗とECで在庫連携などを図り、返品・交換物流を双方のチャネルから最適に対応できる仕組みも提供していく。
同社によると、現状、ECの返品率はアメリカでは2~3割程度と言われる中、日本ではまだ1割程度だが、返品・交換ができるアパレル関連商品だけで見るとそれが2~3割になるとのデータがあるという。アパレル商品は、サイト上の画像と届いた実物を比べた場合に、見た目や色味、風合いなどが微妙に異なることがあるため、ミスマッチにつながるケースが少なくない。また、メーカーごとにサイズ感が違うことも他の商材と比べて返品率が高くなる要因となっている。
通常、顧客が商品を返品する場合、倉庫に着払いで配送することがあるが、受け取った倉庫の現場では顧客の手書きの送り状だけではどこからどういった要件で返品された荷物なのかを把握することが難しく、照合や検品作業に大きな手間がかかる。そのため、返品作業で少なくない物流コストが発生。顧客への商品交換が完了するまでに時間も要してしまい、その後の顧客離脱につながる場合もあるという。
そこで同社では、提携する企業と共に専用のシステムをEC企業に提供。返品を希望する顧客がEC企業のサイト上から当該商品や注文番号、返品理由、顧客データなどを入力することで、倉庫とEC企業で返品作業に必要な情報を共有・管理することができ、顧客、カスタマーセンター、物流作業の負担を大幅に減らすことが可能になるという。「返品商品が到着してからの倉庫側の検品処理は半日程度で済むようになるため、最短で翌日には返金処理や交換商品の発送が行える」(西間木智通販営業部部長)と説明。同システムの導入で倉庫での処理時間は約半分となり、人件費負担といった物流コストも大きく圧縮できるというのだ。
なお、顧客がサイトで入力する項目についてはカスタマイズでき、簡素化することも、返品理由といったより詳しい内容を入力してもらうことも可能だ。また、データ収集することも可能で、かつ顧客の購買後の体験を最適化して再購買につなげる。
都市部4エリアで拠点展開
また、同社では関東、中部、関西、九州の都市部4エリアで複数の物流施設を保有しているため、顧客や通販企業それぞれが位置する最も近い拠点での返品・交換物流を効率的に展開することができる。近年はコロナや天災などに備えるBCPの観点から、物流拠点を分散化するニーズもあるため、それに応える体制もできているとした。
最近の潮流として、アパレル、靴など色柄やサイズピッチなどが幅広い商材については、自前で物流の仕組みを持つ大手小売り企業・メーカーを中心に、ECの返品交換に対応した仕組みを構築しているところが少なくない。消費者もアパレルECは返品・交換が当たり前というイメージを持ちつつある中、「物流側で返品・交換ができるプラットフォームを提供しているところはまだ少ない。この仕組みはアパレルEC特有の物流課題に対応できる」(西間木部長)とした。
今後については、物流側のオムニチャネル化も提案していく考え。実店舗とECで在庫連携などを図り、返品・交換物流を双方のチャネルから最適に対応できる仕組みも提供していく。