「auPAYマーケット」を運営するauコマース&ライフ(=auCL)では、4月1日付で尾﨑高士会長が代表取締役社長に就任した。社長の八津川博史氏は代表取締役副社長に。代表取締役会長には、KDDI執行役員パーソナル事業本部サービス統括本部副統括本部長の多田一国氏が就任した。尾﨑氏はKDDIでパーソナルプロダクト企画部長や購買本部長などを歴任。一昨年4月からauCLに携わっている。尾﨑社長に今後の戦略などを聞いた。
――代表取締役3人体制となった理由は。
「auPAYマーケットは『au経済圏』の一部であり、当社とKDDIの施策・戦略は密接につながっている。ただ、これまではKDDI側にも仮想モールに関する組織があり、auCLと組織が並列していたことに関する弊害があった。そこで、今期からは組織を当社側で一本化することになった。KDDIとの折衝は多田が行い、私はauCL全体を見る。そして八津川はダイレクト(自社物販)事業を担当する」
――現状のauPAYマーケットに足りない部分は。
「いろいろな部分がまだ足りていないと思っている。ファンダメンタルな部分はもちろん、商品や価格、モールの使い勝手など、さまざまな指標をもとに、足りない部分をあぶり出している。もちろん、販促などで流通額を伸ばすのは重要だが、それだけでは駄目だ。お客さまに使ってもらった上で『良い売り場』と評価してもらわないと成長しない」
――auユーザー間でauPAYマーケットの認知度が広がらない点も課題だ。
「現状、マス媒体を使ったアピールをしていないのが理由の1つだが、そもそもauのお客さまに対する接点が、ウェブサイトやアプリにとどまっている点も大きい。また、継続的に使ってもらうための工夫も足りていないのではないか、キャンペーンなどを実施して一時的に顧客が増えたとしても、それが根付いていない」
――リピート購入してもらうためには何が必要か。最近はキャンペーンのやり方も変えているようだが。
「これまではポイントやクーポンを利用するお客さまが一度買って終わり、というような施策に結果としてなってしまったものもあるが、長期的に見るとあまり効果がない。『このモールはいいな』とお客さまが感じるキャンペーンこそが良い施策なので、そちらに舵を切っている。毎月の買い物に対するポンタポイント還元と、前月の購入金額に応じたクーポンがもらえる特典制度『買い得メンバーズ』を7月から始めたが、これもそういった考えに基づいている。お得感や満足度を上げるための施策を中心に展開していく」
――KDDIは現状の仮想モールをどう捉えているか。
「ECの市場規模が大きく拡大する中で、現状の流通額で満足していないのは当然のことだ。ただ、採算を無視してまで大きくしようとは考えていない。EC全体の市場規模拡大ペースよりも高い成長率を目指しながら伸ばしていきたい」
――au経済圏におけるモールの役割は。
「auスマートパスという1500万以上の会員基盤のお客さまへアプローチできる点が大きな強みとなり、できるだけ多くのお客さまに仮想モールを使ってもらい、auを使うことのエンゲージメントを高めていくことが重要だ。auPAYマーケットは、ポンタポイントの消費先、つまり『出口戦略』という一面があるのは事実だが、それで終わってはいけない。きちんと他のau経済圏サービスに送客できるようにしていく。単にポイント消費するための場所では意味がないし、それなら自分たちで仮想モールを運営する必要はない。auPAYマーケットで買うことの喜びをプラスすることで『auを使っていて良かった』と思ってもらうのが一番の目的。そのためにはファンダメンタルが重要だ。送客までできるようになれば、一歩競合に近づけるのではないか」
――そのためにはもっと流通額を伸ばさなければいけない。
「目標となる数字は公開していないが、市場の成長スピードを上回るペースで伸ばしていく。そのためには社内の意識改革を進めなければいけないと思っている。新たに『暮らしが満たされるお買い物体験を』というブランドアイデンティティーを制定しており、お客さまの暮らしに寄り添って心地良い買い物体験を提供することを目指したい」
――出店店舗に向けたメッセージは。
「当モールは、優待サービス『auスマートパスプレミアム』会員のお客さまの利用が多く、auファンが多い。そのため、客層や消費動向は他の仮想モールとは少し違う。そういう点をきちんと店舗さまに説明していきたい。例えば、他の仮想モールと同じキャンペーンを実施した際に、当モールの方が単価は高いという結果が出ている」
――代表取締役3人体制となった理由は。
「auPAYマーケットは『au経済圏』の一部であり、当社とKDDIの施策・戦略は密接につながっている。ただ、これまではKDDI側にも仮想モールに関する組織があり、auCLと組織が並列していたことに関する弊害があった。そこで、今期からは組織を当社側で一本化することになった。KDDIとの折衝は多田が行い、私はauCL全体を見る。そして八津川はダイレクト(自社物販)事業を担当する」
――現状のauPAYマーケットに足りない部分は。
「いろいろな部分がまだ足りていないと思っている。ファンダメンタルな部分はもちろん、商品や価格、モールの使い勝手など、さまざまな指標をもとに、足りない部分をあぶり出している。もちろん、販促などで流通額を伸ばすのは重要だが、それだけでは駄目だ。お客さまに使ってもらった上で『良い売り場』と評価してもらわないと成長しない」
――auユーザー間でauPAYマーケットの認知度が広がらない点も課題だ。
「現状、マス媒体を使ったアピールをしていないのが理由の1つだが、そもそもauのお客さまに対する接点が、ウェブサイトやアプリにとどまっている点も大きい。また、継続的に使ってもらうための工夫も足りていないのではないか、キャンペーンなどを実施して一時的に顧客が増えたとしても、それが根付いていない」
――リピート購入してもらうためには何が必要か。最近はキャンペーンのやり方も変えているようだが。
「これまではポイントやクーポンを利用するお客さまが一度買って終わり、というような施策に結果としてなってしまったものもあるが、長期的に見るとあまり効果がない。『このモールはいいな』とお客さまが感じるキャンペーンこそが良い施策なので、そちらに舵を切っている。毎月の買い物に対するポンタポイント還元と、前月の購入金額に応じたクーポンがもらえる特典制度『買い得メンバーズ』を7月から始めたが、これもそういった考えに基づいている。お得感や満足度を上げるための施策を中心に展開していく」
――KDDIは現状の仮想モールをどう捉えているか。
「ECの市場規模が大きく拡大する中で、現状の流通額で満足していないのは当然のことだ。ただ、採算を無視してまで大きくしようとは考えていない。EC全体の市場規模拡大ペースよりも高い成長率を目指しながら伸ばしていきたい」
――au経済圏におけるモールの役割は。
「auスマートパスという1500万以上の会員基盤のお客さまへアプローチできる点が大きな強みとなり、できるだけ多くのお客さまに仮想モールを使ってもらい、auを使うことのエンゲージメントを高めていくことが重要だ。auPAYマーケットは、ポンタポイントの消費先、つまり『出口戦略』という一面があるのは事実だが、それで終わってはいけない。きちんと他のau経済圏サービスに送客できるようにしていく。単にポイント消費するための場所では意味がないし、それなら自分たちで仮想モールを運営する必要はない。auPAYマーケットで買うことの喜びをプラスすることで『auを使っていて良かった』と思ってもらうのが一番の目的。そのためにはファンダメンタルが重要だ。送客までできるようになれば、一歩競合に近づけるのではないか」
――そのためにはもっと流通額を伸ばさなければいけない。
「目標となる数字は公開していないが、市場の成長スピードを上回るペースで伸ばしていく。そのためには社内の意識改革を進めなければいけないと思っている。新たに『暮らしが満たされるお買い物体験を』というブランドアイデンティティーを制定しており、お客さまの暮らしに寄り添って心地良い買い物体験を提供することを目指したい」
――出店店舗に向けたメッセージは。
「当モールは、優待サービス『auスマートパスプレミアム』会員のお客さまの利用が多く、auファンが多い。そのため、客層や消費動向は他の仮想モールとは少し違う。そういう点をきちんと店舗さまに説明していきたい。例えば、他の仮想モールと同じキャンペーンを実施した際に、当モールの方が単価は高いという結果が出ている」