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ヤマトロジの「TSS」、都内15区で4時間配送開始、午前受注商品を午後届け

2009年 9月17日 18:08

 ヤマトロジスティクス(YLC)は、ネット販売の深夜受注商品を最短八時間で届ける「トゥデイショッピングサービス」(TSS)の強化・拡充を進めている。この一環として、四時間配送を開始する。受注ピークの夜間を想定した8時間配送では、アパレル系ネット販売事業者等を取り込み、商品発送件数の増加にもつなげているが、今回の4時間配送では、午前の受注商品を当日午後に届けるサービスを提供。幅広い顧客のネット販売利用シーンに対応した迅速な商品配送を狙うネット販売事業者の利用につなげる。

 「TSS」は、注文した商品を早く受け取りたいという通販利用客のニーズへの対応を狙いに開発したもの。通販事業者は「オートピックファクトリー」と呼ばれる自動倉庫システムを装備したヤマト側の拠点等に商品を預ける仕組みで、独自の深夜便を活用し、午前〇時までのネット販売受注商品を最短八時間で顧客に届ける。

 200810月、埼玉県三郷市に「オートピックファクトリー」機能を備えた専用拠点を開設したのを機に本格的な展開を始め、関西や九州などへ、順次展開エリアを広げてきた。

 新たに投入する受注後最短4時間の配送サービスは、まず都内15区を対象に開始する。展開に当たっては、ヤマト運輸が新設した東京・有明地区のベースに入居するYLCの「有明クイック通販センター」が対応し、午前4時までの受注分を最短で当日午前8時、午前10時までの受注分を午後2時に届ける。対象となる15区は有明ベースの担当エリアで、料金体系は通常の「TSS」に四時間配送分の料金が加算される形になる。

 8時間配送の「TSS」は、ネット販売の受注ピーク時間帯(夜9時頃から午前0時頃)に対応した迅速な商品配送が最大の特長。アパレル系ネット販売事業者の利用が多く、導入企業の出荷件数も概ね2割から4割程度増えているという。これは、仕事を持つ女性等が夜の落ち着いた時間に注文した商品を早く受け取りたいというニーズに対応し成果をあげている形だが、4時間配送では、新たな商品や客層の取り込みを推進。この一環として、夜間以外の受注に対応し時間帯も選べるようにした。

 4時間配送については、10月中旬からキッチン用品等の雑貨を扱う通販事業者が都内で導入(約300アイテムで開始)する予定だが、YLCとしては、特に「午前10時までの注文を当日午後2時に届けるところをメーンにやっていきたい」(星野芳彦常務執行役員)考え。

 キッチン周り商材の場合、主要顧客は主婦層だが、ネット販売の利用パターンとして想定されるのは、朝の家事を終えて時間に余裕ができる午前9時頃からの受注。また、当日夕食時までに商品を必要とすることも考えられるが、今回の4時間配送では、午前10時までの受注分を最短で午後2時に届けられるため、こうした主婦層の利用シーンや緊急ニーズに対応できる。このほかに、ペット用品と酒類のネット販売事業者が4時間配送の導入を予定する。

 4時間配送については、東京・有明のベース以外にも、既に8時間の「TSS」を手掛ける大阪および福岡のベースでも対応が可能。今後、ニーズが見込まれる大都市部を中心に4時間配送を拡大させる意向で、年内中に札幌や名古屋でも体制を整備する考えだ。

 「TSS」の導入状況としては、既に2,000サイト規模となっており、「TSS」を手掛けるYLCのクイック通販カンパニーの売り上げも当初計画を上回るペースで推移しているという。YLCでは「TSS」のサービス水準を通販の標準として定着させることを目指しており、台湾や中国などの海外で展開することも視野に入れている。

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