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ジャパネットグループ 福岡に新拠点、コミュニケーション促す工夫など導入

2021年12月24日 13:00

 ジャパネットグループは12月16日、福岡・天神に新拠点を開設した。コロナ禍を機に拠点の分散化や社員に負荷のかからないオフィスの在り方の見直しを進めており、福岡に新たなオフィスを設けることにした。2週間に一度、くじ引きで席替えをする制度を導入したり、社内の様々なところにミーティングスペースを設置したり、靴を脱いでくつろげる芝生エリアなどもある社員が休日の際にも自由に出入りできる空間を設けるなど社員同士のコミュニケーションを活発化させる工夫を施した。

 
 新拠点「天神オフィス」は福岡・天神の商業ビル「天神ビジネスセンター(地下2階、地上19階建て)」の12・13階となる。ジャパネットホールディングスでは12~14階部分を区分所有しているが、14階は他社に貸し出す予定。

 なお、同社が所有する3フロア合計面積は約7000平方メートルとなるため、「天神オフィス」の広さは単純計算では4600平方メートル程度とみられる。

 同社ではコロナ禍を受けて原則出社を前提としたコロナと共存できるオフィスの在り方や働き方の見直しを進めてきた。都内に比べて通勤時間が短縮できる点などから福岡に新たな拠点を置くことにし、同拠点では「在宅勤務よりも快適なオフィス」を目指し、様々な工夫や設備を取り入れている。

 同拠点は12階と13階とも執務エリアと休憩スペースなどがある多目的エリアを設けた。なお、2カ所の中階段でつなぎ社員は2フロアの自由な行き来が可能となっている。執務エリア(写真(上))では社員ごとの固定席は設けず、「ベースキャンプ」と呼ぶ部・課ごとに8人1組のユニットを設け、各ユニットの代表者が2週間に一度、くじ引きして執務席を決める仕組みを導入した。東京などの拠点でも固定席は設けず、フリーアドレス制を導入しているが、毎回、座る席が決まっている社員も多いことなどから同制度を採用。半強制的に席替えを行うことで、「普段はあまりかかわりのない部・課同士が隣り合い、様々なコミュニケーションが生まれることを期待している」(同社)とする。なお、1月から社内イントラを活用して拠点内の社員の位置が分かる専用アプリの運用を開始する予定で、席替えを行っても、社員の場所を把握できるという。

 また、数人が座れる座席を設置したスペースを拠点内に大小17カ所配置。会議を行うまでもない打合せや簡単なミーティング、雑談などができ、コミュニケーションを活発化させたい考えだ。このほか、集中して業務を行う際などに利用する個室なども設けている。

 多目的エリアではテレビ観戦などもできる芝生を敷いた土足禁止のスペース(写真(下))やエアロバイクやルームランナーなどの器具で運動ができるスペース、仮眠室などを設置。同エリアは休日など社員が自由に入退出することができ、社員が自身の学習のためやグループのプロスポーツチームの試合を皆で観戦したりなどに利用することを想定しているという。

 同拠点には新規採用者のほか、従来まで東京の拠点に大半を置いていた経営戦略や人事・経理部門などホールディングス機能や媒体制作部門などを移転させ、まずは215人体制でスタート。なお、新規事業を手掛ける子会社のジャパネットサービスイノベーションの本社も同拠点に移転した。年末から年明けにも採用を促すテレビCMを放送するなどし、採用活動を強化、さらに50人程度の採用を見込み、同社グループの中核拠点の1つとして機能させていく考え。


「地域創生のための拠点に」

【髙田旭人社長に聞く 新拠点の狙い】

 「天神オフィス」を開設したジャパネットグループ。狙いなどを髙田旭人社長(写真)に聞いた。(報道陣との一問一答より要約・抜粋)

                      ◇

 ――コロナ禍を機に在宅ワークが広がっている。あえて新たなオフィスを構える意義は。

 「在宅ワークと増やすか否かは各企業が選択する個性だと思うが、当社としては社員同士が顔を合わせて働くことによるコミュニケーションが重要だという観点などから原則出勤を選んだ。ただ、社員自ら出社したい、在宅よりも快適に働けると思ってもらえるオフィスを作りたいと思った。そうであれば、会社として投資はすべきだろうと。投資以上に、そこで生まれるコミュニケーションが会社の力を強くすると信じている」

 ――「天神オフィス」の特徴は。

 「働きやすく格好のよい執務エリアのほか、休憩スペースには昼寝できるスペースやマッサージチェアなどリラックスできる設備を置くなどこだわった。そうした空間で仕事をすると気持ちが前向きになる。そうした気分で仕事をすると持続力やパフォーマンスも上がる。『短い時間で価値を生む』ということに重きを置いて仕事に皆、取り組んでいるがそれに貢献できると思う」

 ――クリエイティブな業務もはかどりそうだ。

 「最近、開始した取り組みなのだが、(グループのプロサッカーチームの)『V・ファーレン長崎』や(グループのプロバスケットボールチームの)『長崎ヴェルカ』のスポンサーでもある会社さんが『自社のロゴを変えたい』『かっこいいCMを作りたい』という悩みを持たれていて、そういった悩みを我々が受けさせて頂いている。こうしたクリエイティブの領域ではニーズがあれば色々なことをやっていきたいし、ひいては我々がやろうとしている地域創生に繋がると思っている。クリエイティブの話もそうだが、ジャパネットらしい強みを生かし、福岡をはじめ九州に貢献したい」

 ――今期(2021年12月)の業績の見通しは。

 「(売上高はグループ全体で)去年より少し伸ばせると思う。利益は(長崎市内に建設中の大型複合施設の)『長崎スタジアムシティ』や(3月に開局予定の)BS局など先行投資を行っている事業が結構あるため、多少、落としそうだが、それを除けばコロナ禍でも前向きに社員ががんばり、新しいチャレンジも色々できたこともあり、業績は順調に伸ばせた」


 
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