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ヒットの裏側、タンタンコーポ、猛暑がエアコンを後押し、工事の無償補償が安心感誘う

2010年 9月 5日 21:32

9月の声を聞いても、まだまだ収まる気配のない残暑。カタログ通販各社にとっては秋冬商戦の出だしとなる大事な時期だが、秋らしさを感じるには程遠い気候だけに、秋物衣料の売れ行きを懸念する声が多く聞かれる。長引く消費不況に加え、序盤は「冷夏」、中盤以降は一転して「猛暑」という販売戦略上のかじ取りが難しかった今年の夏商戦。カタログ通販各社はアパレルや涼感寝具や暑さ対策グッズなど夏の定番商品なども苦戦を強いられたようだ。

 そんな中で、猛暑による特需に沸いた商品もある。その代表格となるのがエアコンだ。家電のネット販売を展開するタンタンコーポレーション(本社・東京都八王子市、丹澤誠二社長)では、エアコンが好調に推移。3~8月の販売台数は6000台超で、前年同期のほぼ2倍となった。

 自力でも設置できる液晶テレビやブルーレイレコーダなどとは違い、エアコンは購入後に工事が必要となる。そのため、これまではネットで購入することをためらう消費者も多かった。丹澤誠二社長は好調の理由を「猛暑が後押しとなったのは事実だが、エアコンは暑くなる以前から良く売れている。顧客からの見積りや質問にきちんと対応できることが大きいのでは」と説明する。

 現在はネット専業の同社だが、かつては東京・八王子市などに実店舗を構えていた。その当時に得たノウハウが、リピーター獲得につながっているという。

 取り付け工事は全国各地の業者に委託しているが、今年からは商品の最大7年間延長保証に加えて、工事の3年間無償保証を開始した。他社ではあまり行っていないサービスだ。消費者にしてみれば、商品こそナショナルブランドのため信頼は置けるものの、取り付け工事に関しては、ネットでは業者の"質"が分かりにくいだけに大きな不安要素となっていた。新サービスでこれを解消したというわけだ。さらには、売れ筋商品の在庫を切らすことなく販売できたのも大きい。

 丹澤社長は「ネットでエアコン買うことへの抵抗感はなくなってきたのではないか。秋以降も期待できる」と話す。2011年2月期の売上高は、前期比7・7%増の35億円を予想していたが、「40億円に届く勢い」(丹澤社長)という。エアコンの販売台数増だけではなく、商品点数を増やしたことや、7月にアマゾンの仮想モール「マーチャント@amazon.co.jp」に出店したことも売り上げ増に結びついている。


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