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千趣会 "顧客の意見"で独自性、「モノレシピ」改良商品を訴求

2010年 8月16日 10:24

 「あなたの意見で、こんな形に商品を改良しました」。千趣会(本社・大阪市北区、行待裕弘社長)は、もの作りサイト「モノレシピ」を通じ、顧客の意見で改良した商品の訴求を強化している。8月に発刊したインテリア総合カタログ「sumutoco(すむとこ)」2010年秋冬号で改良商品のページを新設し、10品目を紹介。顧客とともに商品作りを進める姿勢をより前面に打ち出すことで、「ベルメゾン」ファンの拡大と、インテリア・雑貨部門の活性化につなげる構えだ。

 「すむとこ」秋冬号で紹介している改良商品は「ルーター収納ボックス」「分厚いホットケーキ型2種セット」「ファスナーやりくりセパレート財布」など10品目(税込価格1155~9990円)。

 具体的な改善事例としては、喫茶店で出されるような分厚いホットケーキを焼けるようにした「分厚いホットケーキ型2種セット」で、「生地がくっつきやすい」などの声を踏まえ、フッ素樹脂加工を施した素材に変更。また、家計用と自分用の財布をひとつにした「ファスナーやりくりセパレート財布」では、「とっさの時にどちらが家計用か分からなくなる」「中身をたくさん入れるとかさばる」などの意見があったことから、ファスナーの色分け、形状の変更などの見直しを行っている。
 
 また、カタログでも改良商品の訴求を強化しており、「すむとこ」の最新号では、開発商品を紹介する「モノレシピ」の企画ページに、改良商品の紹介ページを追加し、実際に寄せられた顧客の意見とそれに対する改良点を分かりやすく説明。このほかに「モノレシピ」サイトにも改良商品の説明ページを設けている。
 
 これまで「モノレシピ」では、顧客の意見をもとに生活シーンの中にある悩みの解消や、利便性を高める商品を開発。前述の「分厚いホットケーキ型2種セット」は09年8月以降2万5000セット以上、「ファスナーやりくりセパレート財布」は同7000個以上を販売するなど、売れ行きも順調に推移している。
 
 一方で「モノレシピ」の開発商品については、購入顧客から意見を収集し改良を推進。顧客の声をどのように商品に反映させたかを知ってもらうことが重要と判断、改良商品10品目を投入するのに合わせ今回の取り組みを行うことにした。
 
 景況悪化などを背景に総合通販各社は昨年、家具や生活雑貨部門が苦戦し、対応策として価格訴求型の販促企画などが目立った。千趣会でも昨秋頃から、商品価値に対する値頃感を訴求した施策を行っていたが、さらに顧客との双方向のコミュニケーションを通じて作り込んだ商品を前面に打ち出すことで、他社とは一線を画した展開としていく考えのようだ。

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