集英社は、ファッションや雑貨、コスメなどを取り扱う通販サイト「ハッピープラスストア」の利益改善が進んでいる。
同社は前期(2020年5月期)、粗利の改善に向けて大きく舵を切り、従来以上にセール販売を抑制して定価販売を強化した。主力商材のファッション領域では競合ECモールが多数ある中、改めて自社の強みを見直した結果、商品の魅力をしっかり伝えるコンテンツと連動して定価で販売し、顧客に納得して買ってもらうことに振り切った。
商材面でも、「エクラ」や「LEE」など人気雑誌に紐付いたオリジナルブランドを展開しているが、F1層向けの独自ブランドである「フェリースルネス」と「フラワーデイズ」を昨年春夏シーズンで終了し、F2層向けの「トゥエルブクローゼット」と「エムセブンデイズ」、さらに大人の女性に向けた「イーバイエクラ」、唯一雑誌に紐付かない「スアデオ」の4ブランドに集中するなど、顧客層に合わせてMDの強弱をつけた。
また、年2回発刊してきた通販マガジン「フラッグショップマガジン」も昨年の秋冬号で休刊し、制作コストをウェブに寄せた。雑誌に依存することなく、ウェブを中心にした独自の企画やコンテンツを量産し、定価販売と併せて商品1型当たりの売り上げを最大化する取り組みが前期の後半から形になってきたという。
前期のEC売上高は19年5月期の55億円から多少落としたものの、セール販売比率の抑制と、利益率の高い買い取り商品を”独自のコンテンツで売る”という最大の武器を磨いたことで、粗利益率が前年比6ポイント改善した。
一方、2月に通販サイトをそれまでの「フラッグショップ」から「ハッピープラスストア」にリブランディングしたのに伴ってドメインも変更したため、オーガニック検索経由の流入が一時的に冷え込んだことがトップラインを落とした主要因と見ている。
同社は今期もウェブコンテンツの強化に取り組んでおり、コロナによるリモート勤務期間中には同社のバイヤーがリレー形式で一押し商品を紹介する「2020年の”これ買い!”アイテム」のコンテンツをスタート。バイヤーが登場する動画も配信し、売り上げに大きく貢献したほか、顧客アンケートでの反応も良かったという。
加えて、実店舗メインのアパレル企業の一部ではコロナ禍で在庫を抱え、秋物の生産をキャンセルするケースもあったが、同社は国内の工場と積極的にコラボ商品企画を仕掛けるなど、工場との関係強化を図った。
とくに、オリジナルブランドの「スアデオ」では、世界から注目されるデニムメーカー、ジャパンブルーとコラボしたデニムを販売して話題になったほか、秋冬シーズンも国産の最高級カシミヤニットブランド「UTO」と人気スタイリストの福田麻琴さんがコラボしたカシミヤのワンピースやストール、ニットで有名な佐藤繊維とコラボしたセーターやカーディガンなど、上質アイテムを数多く展開して一定の成果を得ているようだ。
メディアサイトとの連携深める
また、今後は通販サイトを”ハッピープラス”ブランドに統合した目的でもある、女性誌ポータルサイト「ハッピープラス」との連携を強化する。
ウェブ広告などを通じてユーザーを開拓する手法から、女性誌のメディアサイトとの連携による親和性の高い顧客層の獲得にシフトする。通販サイトのコンテンツをメディアサイトにも転載するなどし、メディアサイトの当該コンテンツを見て商品を気に入ったらすぐに「ハッピープラスストア」で購入できる導線を整備する。
加えて、通販サイトとメディアサイトは別々のシステムで運営しているが、両サイトの会員基盤を統合し、双方のユーザー属性を把握した上でコンテンツの訴求や広告配信、EC売り上げにつなげる施策に活用する。
なお、実店舗展開についても秋のプロパー期から出店を強化しており、8月下旬に西武池袋本店、9月上旬にラシック福岡天神(福岡三越)へ出店したのに続き、11月11日には大丸東京店にも新店舗(画像)をオープン。既存の渋谷スクランブルスクエア、そごう横浜店、そごう千葉店、ジェイアール京都伊勢丹店と合わせて7店舗体制となっている。
同社は前期(2020年5月期)、粗利の改善に向けて大きく舵を切り、従来以上にセール販売を抑制して定価販売を強化した。主力商材のファッション領域では競合ECモールが多数ある中、改めて自社の強みを見直した結果、商品の魅力をしっかり伝えるコンテンツと連動して定価で販売し、顧客に納得して買ってもらうことに振り切った。
商材面でも、「エクラ」や「LEE」など人気雑誌に紐付いたオリジナルブランドを展開しているが、F1層向けの独自ブランドである「フェリースルネス」と「フラワーデイズ」を昨年春夏シーズンで終了し、F2層向けの「トゥエルブクローゼット」と「エムセブンデイズ」、さらに大人の女性に向けた「イーバイエクラ」、唯一雑誌に紐付かない「スアデオ」の4ブランドに集中するなど、顧客層に合わせてMDの強弱をつけた。
また、年2回発刊してきた通販マガジン「フラッグショップマガジン」も昨年の秋冬号で休刊し、制作コストをウェブに寄せた。雑誌に依存することなく、ウェブを中心にした独自の企画やコンテンツを量産し、定価販売と併せて商品1型当たりの売り上げを最大化する取り組みが前期の後半から形になってきたという。
前期のEC売上高は19年5月期の55億円から多少落としたものの、セール販売比率の抑制と、利益率の高い買い取り商品を”独自のコンテンツで売る”という最大の武器を磨いたことで、粗利益率が前年比6ポイント改善した。
一方、2月に通販サイトをそれまでの「フラッグショップ」から「ハッピープラスストア」にリブランディングしたのに伴ってドメインも変更したため、オーガニック検索経由の流入が一時的に冷え込んだことがトップラインを落とした主要因と見ている。
同社は今期もウェブコンテンツの強化に取り組んでおり、コロナによるリモート勤務期間中には同社のバイヤーがリレー形式で一押し商品を紹介する「2020年の”これ買い!”アイテム」のコンテンツをスタート。バイヤーが登場する動画も配信し、売り上げに大きく貢献したほか、顧客アンケートでの反応も良かったという。
加えて、実店舗メインのアパレル企業の一部ではコロナ禍で在庫を抱え、秋物の生産をキャンセルするケースもあったが、同社は国内の工場と積極的にコラボ商品企画を仕掛けるなど、工場との関係強化を図った。
とくに、オリジナルブランドの「スアデオ」では、世界から注目されるデニムメーカー、ジャパンブルーとコラボしたデニムを販売して話題になったほか、秋冬シーズンも国産の最高級カシミヤニットブランド「UTO」と人気スタイリストの福田麻琴さんがコラボしたカシミヤのワンピースやストール、ニットで有名な佐藤繊維とコラボしたセーターやカーディガンなど、上質アイテムを数多く展開して一定の成果を得ているようだ。
メディアサイトとの連携深める
また、今後は通販サイトを”ハッピープラス”ブランドに統合した目的でもある、女性誌ポータルサイト「ハッピープラス」との連携を強化する。
ウェブ広告などを通じてユーザーを開拓する手法から、女性誌のメディアサイトとの連携による親和性の高い顧客層の獲得にシフトする。通販サイトのコンテンツをメディアサイトにも転載するなどし、メディアサイトの当該コンテンツを見て商品を気に入ったらすぐに「ハッピープラスストア」で購入できる導線を整備する。
加えて、通販サイトとメディアサイトは別々のシステムで運営しているが、両サイトの会員基盤を統合し、双方のユーザー属性を把握した上でコンテンツの訴求や広告配信、EC売り上げにつなげる施策に活用する。
なお、実店舗展開についても秋のプロパー期から出店を強化しており、8月下旬に西武池袋本店、9月上旬にラシック福岡天神(福岡三越)へ出店したのに続き、11月11日には大丸東京店にも新店舗(画像)をオープン。既存の渋谷スクランブルスクエア、そごう横浜店、そごう千葉店、ジェイアール京都伊勢丹店と合わせて7店舗体制となっている。