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消費者庁 ネット取引の研究会発足、モール巡るトラブルにメス

2010年 8月16日 10:06

 インターネットを通じた商取引に新たな規制の枠組みが整備されることになりそうだ。消費者庁は8月5日、「インターネット消費者取引研究会」を発足。ネットオークションや仮想モールを通じた消費者トラブルについて議論を行い、来春をメドに検討結果を取りまとめる。


 ネットの匿名性や非対面性を悪用し、違法な販売を行う事業者が後を絶たない。こうした事業者を市場から排除するため、消費者庁は研究会の発足を決めた。

 検討課題の一つに挙げられるのが、アフィリエイト・ドロップシッピングやネットオークション、仮想モールなど、ネット市場の拡大と共に成長してきた新たな取引形態による消費者トラブル。これら取引は、複数の事業者が介在することがトラブル解決の制約となっていることが度々、指摘されてきた。

 例えば、モールの出店事業者が違法な表示を行っているケース。行政サイドが運営者を通じて指導しようにも「一部の運営者は"個別の店舗に指摘してほしい"と、取り合わない事例も少なくない」(同庁政策調整課)という。また、個人が出品するオークションにおいても運営者が主導的役割を果たしているケースもある。行政サイドからすれば、中小の事業者がひしめき合い、社名変更を繰り返し違法な販売を続ける事業者が存在する中で、これまで打つ手がなかったのが実情だ。研究会では、こうしたネット取引を巡る諸問題について議論する。

 研究会は、消費者庁長官の諮問機関との位置づけ。「呼称が異なるだけで『検討会』などと区別はない」(同)という。メンバーには弁護士や消費者団体関係者、学識経験者、ネット関連団体の関係者を選任。「他省庁の検討会の参加実績や論文、エッセイなどを参考に消費者問題、ネット関連問題に詳しい方を選んだ」(同)としている。

 第1回会合は8月18日に開催。月1回程度会合を行い、来春をメドに検討結果を報告する。
 検討課題として、仮想モール等を巡るトラブルのほか、ネットの匿名性を悪用した詐欺商法(出会い系サイトやワンクリック請求)、海外サイトを通じたオンラインショッピングなどの問題についても議論する。

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