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インフォコム 「転売屋」対策を強化、同一住所や同一IPを排除

2020年10月29日 13:40

 インフォコムが提供する、人工知能(AI)を使った不正注文検知サービス「at score(アットスコア)」が、化粧品サンプルの転売など、営利目的の購入者からの注文を排除するための対策を強化している。

 同サービスは、AI与信エンジンにより、注文データの中から不正注文を検知するクラウドサービス。注文データにおける揺らぎ判定を利用し検知や、同一IPアドレスからの連続注文の検知機能などにより、不正注文検知の精度を向上させている。

 もともとは後払い決済において、未払いリスクを減らすために開発されたサービスだが、昨年頃からいわゆる「転売屋」による被害を受けている、単品通販企業からのニーズが高まっているという。

 近年は、本来1人1回しか注文できない、無料や低価格のサンプル品を大量に注文し、転売するケースが目立っているほか、アフィリエイト報酬を目的とした架空注文の被害も増えている。企業は転売でブランド価値を毀損する恐れがあるほか、本来得られるはずだった売り上げを逸することになる。

 同社では、不正注文者は、マンションの表記を消したり、名前を少し変えたり、住所を実際とは少し違う形式で記入することが多いことに着目し、文書校正支援技術を応用して名寄せを行っている。同一とみられる住所から大量に注文が入ったり、同じIPアドレスから大量注文があった場合など、不正注文のリスクが高い要素を検知。アットスコアが与信を行い、スコア化してリアルタイムに利用者へ知らせる。事業者はグレーの場合は本人確認をしたり、NGの場合は注文を取り消したりといった対応ができる。

 「100%を検知できるわけではないが、被害を最小化できる」(インフォコムエンタープライズ事業本部LAソリューション部サービス&ソリューション推進グループの嶋田正彰氏)。不正注文と判定する条件を厳しくすると、正常な注文でも不正と判断されるケースも増えるため、「郵便番号を間違った場合はOK」など、カスタマイズすることも可能だ。

 また、しきい値の設定によっては、あるスコアより良ければ自動で注文を通し、悪ければ取り消すといった対応もできる。

 法律を順守したデータ管理ポリシーを策定している点や、文書校正支援技術を応用し、精度の高い名寄せができる点が他社の同等サービスと比較した際のメリットとなる。

 9月には、リピート通販支援のテモナ(本社・東京都渋谷区、佐川隼人社長)と販売代理店契約を締結。テモナのネット販売支援サービスに、アットスコアをオプションとして提供する。今後は同様の単品通販向けカートシステムと提携していく考えだ。

 料金は初期費用30万円、月額費用は8万5000円。1与信あたり20円が必要となる(いずれも税別)。単品通販企業を中心に、3年間で150社への導入を目指す。
 
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