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楽天と東急 データ分析の合弁会社、リアルとネットのデータ活用

2020年 9月 3日 14:00

 楽天と東急は8月31日、両社が保有するオンラインとオフラインのデータを分析してソリューションを提供する会社を共同出資で設立したと発表した。10月から「東急ストア」などの東急グループの店舗において、両社の消費行動分析データの活用による最適な販促情報の提供や品揃えの充実、価格設定の見直しといった取り組みと効果検証を行う(写真左から、楽天東急プランニング日野副社長、楽天の三木谷社長、東急の髙橋社長、楽天東急プランニングの笠原社長)。

 









 新会社の名称は「楽天東急プランニング」。設立日は7月30日で、9月1日から営業を開始している。出資比率は楽天51%、東急49%。社長には楽天の笠原和彦常務執行役員が、副社長には東急の経営企画室マーケティング・IT推進グループの日野健統括部長が就任した。

 新会社では両社が蓄積しているデータを活用し、両社のマーケティングソリューションの強化や東急グループの店舗マーチャンダイジングへの活用、クライアント企業に提供する広告パフォーマンスの最大化、両社の経営資源を組み合わせたOMOによる新しい購買行動や購買体験の創出を図る方針。これにより、可視化した顧客のニーズに合わせた商品の仕入れや、顧客に適した広告による商品情報の発信、利便性の高い購買体験の提供を通じた顧客の生活価値向上を目指す。

 10月からの東急ストアなど、東急グループの店舗における取り組みのほか、11月からは、両社のデータを活用したウェブ広告の実験販売や、東京・二子玉川エリアにおける、楽天のデジタルソリューションと東急の運用ノウハウを連携させた新たなデジタルサイネージの実験販売を行う予定。

 また、9月より東急グループの店舗に、楽天グループの共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」とススマートフォン決済「楽天ペイ(アプリ決済)」の導入を進める。

 8月31日にオンラインで行われた記者会見で、楽天の三木谷浩史社長は「多様化する消費者ニーズを可視化して、顧客により利便性高いサービスを提供し、より豊かな生活を暮らしてもらいたい」と述べた。

 また、東急の髙橋和夫社長は「今回の取り組みで沿線のお客様の生活価値を変革していく。オフラインとオンラインを融合したサービスを実現することで、より便利に、より楽しい体験を提供していくことを目指す」とした。

 楽天東急プランニングの社長に就任した笠原和彦氏は、東急と組んだ理由について「東急は地域の消費者へのさまざまなサービスや生活提案など、深い関係を築いている。オンラインに関するアセットやノウハウを持つ楽天と東急と組むことで、より消費者の満足度は高まるのではないか」と説明した。

 
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