前号に引き続き、ブランド品のネット買取販売を手がけるデファクトスタンダードの仙頭健一社長に国内リユース業界の現状や、今後の同社の事業計画などについて聞いた。※インタビューは4月前半に実施
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――低単価アパレルなどの取り引きがフリマアプリで盛んとなっている。
「直接お客様同士が売買するケースが増えることは目に見えて数字で出てきているので、我々としてそこを伸ばしづらい環境にあるのかなとは思う。ただ、全体で見るとフリマアプリさんの影響で自分が持っている物を売りに出そうという人はかなり増えたと思う。結果、それがフリマアプリにいく人もいれば、(CtoCが)面倒・不安だと思っている人はもしかしたら、我々のようなまとめて出せるtoBのところに来ると思う。全体で利用者が増えている中でCtoCはより増えていきやすいと思うが、そこからtoBを利用する人も一定数出てくるだろう」
――2020年に取り組む優先順位の高い施策とは。
「大きくは2つ。1つは海外展開。もう1つは取扱価格帯で高単価を扱える環境にすること。海外では、1月にビーノスグループの完全子会社になったことで、その強みを生かしていこうと。元々、国内のリユース業界は国内で買って国内で売るのが当たり前だった。近年は海外にトライしている企業さんもいるがまだ明確な成功事例はないと思う。ビーノスグループは海外のネットワークや人材があるので、リユース業界で一番海外に物を流して海外から物を入れているという状況を作りたい。
具体的には海外のマーケットプレイスを活用して、日本の商材を海外の消費者が普段買っている場所で手に入れるような状況を作りたい。日本のリユース商材は海外から高い評価を得ている。ブランド品を丁寧に扱っていたり、日本企業が真贋していれば本物だという信頼感もあるので、きちんと売ることができる。あとはtoBの部分で、海外のリユース業者に対してのつなぎ込みもしたい」
――対象地域は。
「新興国・アジアなど、そこはビーノスも強いところなのでさらに伸ばしたい。海外の業者に聞いても、日本で売るより高く買い取りたいといった声があり、実際にトライで扱った時には日本よりも高い価格で売れるような状況がすでに見えていた」
――取り扱い価格の拡大については。
「今まではどちらかというと宅配買取一本で時代的に合っていたと思う。その中でフリマアプリさんの台頭もあったので、そこでは扱いづらいような(高い)商材をより伸ばしたい。その手段の1つとして実店舗であったり、あとはすでに当社でやっている訪問買取など。あとは宅配買取の中でもっと高単価なものを扱えるサービスがあるのではないかと思っている。
実店舗に関してはすでに動いていて、準備はできているが新型コロナウイルスの影響があるので、タイミングを見ている。早ければ直近でオープンできるようなところまで準備ができている」
――店舗の場所は。
「最初はあえて何パターンか出す。大きいターミナル駅近くで坪単価は高いがその代わりに人通りが多い場所。また、便利な駅だが大通りから一歩入った路地の坪単価が安い雑居ビルのような場所、そして百貨店のような商業施設に入ることなど。最初はトライとして何店舗か出して、結果を見ながら一番伸ばせる所を伸ばしていく。
我々の実店舗の強みは『ブランディア』の認知度だと思う。テレビCMの影響もあって認知度調査でも多くの人に知っていただいているので、その認知度を生かしつつかつ、一番来られやすい立地を探って伸ばすことを考えている。ただ、いつやるのかということは本当に難しい点で今は議論中。粛々と準備はしており、いけるところでスタートする」
――今年度のマス広告への投資計画は。
「ある程度認知が進んだこともあり、昨年度よりは下げて、広告効果を高めていこうという方向性でいた。一方で、(コロナの影響で)今は生活が不安な人が多くいる中、我々は家の中にある使わなくなった物をある種お金に換えるということをする中で、リユース業界全体がもたらす社会的意義というものを強く思っている。物に価値を与えてそれをお金に換えるという役割は大きいと思うので、もしかすると今こそ改めて告知をきちんとして認知をさらに広げて、在宅時間が増えた中でそれを有効活用してもらう。いったんは(マス投資を)下げる前提でいたが、今後の動向によってはどこかで増やす可能性もあるだろう」
――社長就任の抱負は。
「リユース業を国内だけではなく、海外に広げることを積極的に進めたい。大きな視点で見ると国内は人口減などネガティブな状況もある。リユース業界の『日本to世界』をけん引するような企業に育てていきたいし、ひいてはリユース業界全体を元気にしたい。
また、サステナブルという面でも、今は企業が意識している場合が多いが、今後はより個人が意識していくことになると思う。海外でもそうした傾向にある。その時に我々リユース業界が果たす役割は大きいと思うので、今後の地球規模で見た時に貢献できるようなサービスレベルの設計に取り組みたい」
――海外事業拡大がカギになる。
「日本と海外の比率を半々にしたいとは思っている。将来的には流通総額の半分は海外で作られているというところを実現したい。現状ではまだまだ弱い面があるので、意識的に海外を見据えていく。今回、ビーノスグループに入ったことで、いろいろな連携をさせてもらっている。エンジニアであったり、海外展開のところであったり、そこのリソースをフルに生かしていくというところを今は体現している状況。今までデファクトスタンダードの中で解決しなくてはいけなかったものが、一気にぐっと解決するツールが増えたという状況なのでその強みを最大限に生かしたい」(おわり)
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――低単価アパレルなどの取り引きがフリマアプリで盛んとなっている。
「直接お客様同士が売買するケースが増えることは目に見えて数字で出てきているので、我々としてそこを伸ばしづらい環境にあるのかなとは思う。ただ、全体で見るとフリマアプリさんの影響で自分が持っている物を売りに出そうという人はかなり増えたと思う。結果、それがフリマアプリにいく人もいれば、(CtoCが)面倒・不安だと思っている人はもしかしたら、我々のようなまとめて出せるtoBのところに来ると思う。全体で利用者が増えている中でCtoCはより増えていきやすいと思うが、そこからtoBを利用する人も一定数出てくるだろう」
――2020年に取り組む優先順位の高い施策とは。
「大きくは2つ。1つは海外展開。もう1つは取扱価格帯で高単価を扱える環境にすること。海外では、1月にビーノスグループの完全子会社になったことで、その強みを生かしていこうと。元々、国内のリユース業界は国内で買って国内で売るのが当たり前だった。近年は海外にトライしている企業さんもいるがまだ明確な成功事例はないと思う。ビーノスグループは海外のネットワークや人材があるので、リユース業界で一番海外に物を流して海外から物を入れているという状況を作りたい。
具体的には海外のマーケットプレイスを活用して、日本の商材を海外の消費者が普段買っている場所で手に入れるような状況を作りたい。日本のリユース商材は海外から高い評価を得ている。ブランド品を丁寧に扱っていたり、日本企業が真贋していれば本物だという信頼感もあるので、きちんと売ることができる。あとはtoBの部分で、海外のリユース業者に対してのつなぎ込みもしたい」
――対象地域は。
「新興国・アジアなど、そこはビーノスも強いところなのでさらに伸ばしたい。海外の業者に聞いても、日本で売るより高く買い取りたいといった声があり、実際にトライで扱った時には日本よりも高い価格で売れるような状況がすでに見えていた」
――取り扱い価格の拡大については。
「今まではどちらかというと宅配買取一本で時代的に合っていたと思う。その中でフリマアプリさんの台頭もあったので、そこでは扱いづらいような(高い)商材をより伸ばしたい。その手段の1つとして実店舗であったり、あとはすでに当社でやっている訪問買取など。あとは宅配買取の中でもっと高単価なものを扱えるサービスがあるのではないかと思っている。
実店舗に関してはすでに動いていて、準備はできているが新型コロナウイルスの影響があるので、タイミングを見ている。早ければ直近でオープンできるようなところまで準備ができている」
――店舗の場所は。
「最初はあえて何パターンか出す。大きいターミナル駅近くで坪単価は高いがその代わりに人通りが多い場所。また、便利な駅だが大通りから一歩入った路地の坪単価が安い雑居ビルのような場所、そして百貨店のような商業施設に入ることなど。最初はトライとして何店舗か出して、結果を見ながら一番伸ばせる所を伸ばしていく。
我々の実店舗の強みは『ブランディア』の認知度だと思う。テレビCMの影響もあって認知度調査でも多くの人に知っていただいているので、その認知度を生かしつつかつ、一番来られやすい立地を探って伸ばすことを考えている。ただ、いつやるのかということは本当に難しい点で今は議論中。粛々と準備はしており、いけるところでスタートする」
――今年度のマス広告への投資計画は。
「ある程度認知が進んだこともあり、昨年度よりは下げて、広告効果を高めていこうという方向性でいた。一方で、(コロナの影響で)今は生活が不安な人が多くいる中、我々は家の中にある使わなくなった物をある種お金に換えるということをする中で、リユース業界全体がもたらす社会的意義というものを強く思っている。物に価値を与えてそれをお金に換えるという役割は大きいと思うので、もしかすると今こそ改めて告知をきちんとして認知をさらに広げて、在宅時間が増えた中でそれを有効活用してもらう。いったんは(マス投資を)下げる前提でいたが、今後の動向によってはどこかで増やす可能性もあるだろう」
――社長就任の抱負は。
「リユース業を国内だけではなく、海外に広げることを積極的に進めたい。大きな視点で見ると国内は人口減などネガティブな状況もある。リユース業界の『日本to世界』をけん引するような企業に育てていきたいし、ひいてはリユース業界全体を元気にしたい。
また、サステナブルという面でも、今は企業が意識している場合が多いが、今後はより個人が意識していくことになると思う。海外でもそうした傾向にある。その時に我々リユース業界が果たす役割は大きいと思うので、今後の地球規模で見た時に貢献できるようなサービスレベルの設計に取り組みたい」
――海外事業拡大がカギになる。
「日本と海外の比率を半々にしたいとは思っている。将来的には流通総額の半分は海外で作られているというところを実現したい。現状ではまだまだ弱い面があるので、意識的に海外を見据えていく。今回、ビーノスグループに入ったことで、いろいろな連携をさせてもらっている。エンジニアであったり、海外展開のところであったり、そこのリソースをフルに生かしていくというところを今は体現している状況。今までデファクトスタンダードの中で解決しなくてはいけなかったものが、一気にぐっと解決するツールが増えたという状況なのでその強みを最大限に生かしたい」(おわり)