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北の達人コーポレーション 不競法で差止請求、はぐくみプラスのLINE広告

2020年 3月 9日 13:30

 北の達人コーポレーション(以下、北の達人)は3月3日、はぐくみプラスが行う広告が不正競争防止法の品質誤認表示にあたるとして、東京地裁に差し止めを求める仮処分命令の申し立てを行った。両社は、オリゴ糖配合の健康食品の表示をめぐる訴訟が係属中。近く東京地裁で結審するとみられる。今回の申し立てに、北の達人は「担当者不在で答えられない」としている。

 はぐくみプラスは、対象となった広告(=画像)をすでに取り下げている。経緯について「既存顧客向けのLINE通知で誤って掲載したもの」と説明。一方で、品質誤認表示との指摘には、「そのような認識はなく争う」とする。

 問題となった広告は、「はぐくみオリゴ」に関するもの。LINE上の広告で「身体の中から免疫力アップで、コロナウイルス対策!」等と表示し、商品紹介のない風邪対策の記事とリンクしていたという。北の達人は、この広告が品質誤認表示に該当し、営業上の利益を侵害したと指摘している。

 北の達人は2018年7月、はぐくみプラスを相手取り、東京地裁に不正競争防止法に基づく訴訟を提起している。「はぐくみオリゴ」の表示が、同法の品質誤認表示、信用毀損行為にあたるとして表示の差し止めと、1億円の損害賠償を求めている。損害額は、約13億円に上ると試算している。

 はぐくみプラスは、販売する「はぐくみオリゴ」について、「オリゴ糖純度100%」と表示。アフィリエイター向けイベントで、北の達人が販売する「カイテキオリゴ」について、「オリゴ糖100%じゃない。はぐくみオリゴはその点、良品で100%」などと説明したとされる。

 この点、はぐくみプラスは、「イベントで商品の違いを聞かれアフィリエイターに何らかの回答をした可能性はあるが、追跡できない」としている。北の達人は今年2月、損害賠償の請求金額を、1億円から約11億円に変更している。

 不正競争防止法は、競争相手の信用を害する虚偽の事実を流布したり、商品の形態を模倣するなど、品質を誤認させ、公正な競争を阻害する行為を規制する。

 北の達人の19年2月期の売上高は、前年比約57%増の83億円。はぐくみプラスの19年6月期の売上高は、同約15%増の30億円(民間信用調査機関調べ)。
 
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