スクロール 化粧品事業の赤字拡大、今中間期、主力の通販事業は好調
スクロールで化粧品・健康食品を販売する「健粧品事業」が苦戦している。今中間期の売上高は、前年同期比32・0%減の18億1700万円、セグメント損益は4億400万円の赤字(前年同期は2億7500万円の赤字)となった。化粧品子会社の豆腐の盛田屋において、中国での規制変更(中国EC法)により、卸売り販売が低迷。一方、主力の通販事業は好調に推移したことなどで、連結売上高は増収となった。
同事業の化粧品子会社は、通販メインのキナリ、卸販売と店頭販売がメインの豆腐の盛田屋・ナチュラピュリファイ研究所の3社。このうち豆腐の盛田屋に関しては、これまで日本で商品を代理購入した中国人が現地で販売するケースが多く、売り上げ増に寄与していたが、中国の法改正で個人でも許認可がないと化粧品が国内に持ち込めなくなったことなどが影響し、売り上げが落ちた。
化粧品子会社では、自社ブランドの市場におけるポジション戦略など、ブランド再構築に向けた施策を展開している。自然派化粧品の人気を背景に、ストーリーのある自然派・ナチュラル化粧品によるビジネス基盤構築を行い、収益化につなげる方針。キナリでは昨年、商品を全面的に刷新した。ナチュラピュリファイ研究所では、ブランディング戦略を変更したほか、店頭販売から直販へと販路を切り替えて自社顧客の育成を図っている。
10月24日には、キナリが1億5500万円の減損損失を計上すると発表。昨年1月にはナチュラピュリファイ研究所とT&M(今年4月に統合)が減損損失を計上していた。スクロールの鶴見知久社長は、化粧品事業が苦戦している理由を「店舗を中心としたマーケティングに経験が少なく、一度店で購入した消費者にリピート購入してもらうための活動が足りていない」と分析。さらに「(減損損失を計上した子会社は)買収時の見通しとのかい離が起きているのは事実だが、チャレンジは続ける。豆腐の盛田屋も成功するまで3年ほど投資が必要だった。しっかりと状況を見極めながら投資していきたい」とした。今期に関しても、前期から販促費は絞るものの、広告の効率化を進めながら販促費の投下を引き続き行う。
今中間期の連結業績は、売上高が前期比4・2%増の379億400万円、営業利益は同14・2%増の16億3100万円、経常利益は同20・9%増の17億2100万円、当期純利益は同49・8%減の4億4600万円だった。生協向けを中心とした通販事業や、eコマース事業が好調に推移したものの、キナリやドロップシッピングのもしもが減損損失を計上、7億7800万円の特別損失が発生したことで、当期利益は減益となった。
通販事業では、カタログの効率的な配布や、商品の生産地を中国から東南アジアにシフトしたことにより、原価が低減した。eコマース事業では、アウトドア用品のナチュラムにおいて、オリジナルブランド「ハイランダー」が人気に。さらに3月に子会社化したミヨシの防災用品も、消費者の防災意識の高まりもあり好調に推移した。
10月の消費増税の影響については「明らかに受注効率が落ちており、影響は出ている」(鶴見社長)と説明。さらに「流通・小売り業界では来年夏の東京五輪までは(消費意欲は)微増で推移するとみられていたと思うが、消費増税を期に(五輪後とみられていた消費の減速が)前倒しになるのではないか」と懸念を示した。
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同事業の化粧品子会社は、通販メインのキナリ、卸販売と店頭販売がメインの豆腐の盛田屋・ナチュラピュリファイ研究所の3社。このうち豆腐の盛田屋に関しては、これまで日本で商品を代理購入した中国人が現地で販売するケースが多く、売り上げ増に寄与していたが、中国の法改正で個人でも許認可がないと化粧品が国内に持ち込めなくなったことなどが影響し、売り上げが落ちた。
化粧品子会社では、自社ブランドの市場におけるポジション戦略など、ブランド再構築に向けた施策を展開している。自然派化粧品の人気を背景に、ストーリーのある自然派・ナチュラル化粧品によるビジネス基盤構築を行い、収益化につなげる方針。キナリでは昨年、商品を全面的に刷新した。ナチュラピュリファイ研究所では、ブランディング戦略を変更したほか、店頭販売から直販へと販路を切り替えて自社顧客の育成を図っている。
10月24日には、キナリが1億5500万円の減損損失を計上すると発表。昨年1月にはナチュラピュリファイ研究所とT&M(今年4月に統合)が減損損失を計上していた。スクロールの鶴見知久社長は、化粧品事業が苦戦している理由を「店舗を中心としたマーケティングに経験が少なく、一度店で購入した消費者にリピート購入してもらうための活動が足りていない」と分析。さらに「(減損損失を計上した子会社は)買収時の見通しとのかい離が起きているのは事実だが、チャレンジは続ける。豆腐の盛田屋も成功するまで3年ほど投資が必要だった。しっかりと状況を見極めながら投資していきたい」とした。今期に関しても、前期から販促費は絞るものの、広告の効率化を進めながら販促費の投下を引き続き行う。
今中間期の連結業績は、売上高が前期比4・2%増の379億400万円、営業利益は同14・2%増の16億3100万円、経常利益は同20・9%増の17億2100万円、当期純利益は同49・8%減の4億4600万円だった。生協向けを中心とした通販事業や、eコマース事業が好調に推移したものの、キナリやドロップシッピングのもしもが減損損失を計上、7億7800万円の特別損失が発生したことで、当期利益は減益となった。
通販事業では、カタログの効率的な配布や、商品の生産地を中国から東南アジアにシフトしたことにより、原価が低減した。eコマース事業では、アウトドア用品のナチュラムにおいて、オリジナルブランド「ハイランダー」が人気に。さらに3月に子会社化したミヨシの防災用品も、消費者の防災意識の高まりもあり好調に推移した。
10月の消費増税の影響については「明らかに受注効率が落ちており、影響は出ている」(鶴見社長)と説明。さらに「流通・小売り業界では来年夏の東京五輪までは(消費意欲は)微増で推移するとみられていたと思うが、消費増税を期に(五輪後とみられていた消費の減速が)前倒しになるのではないか」と懸念を示した。