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セブン&アイ・ホールディングス、アスクルと組み展開の生鮮品EC「IYフレッシュ」終了へ 販売伸びず継続断念か

2019年10月31日 13:30

 セブン&アイ・ホールディングス(=7&iHD)は展開中の生鮮品のネット販売事業「IYフレッシュ」(=画像)を11月末で終了する。「IYフレッシュ」はアスクルと組んで一昨年11月から都内2区に限定してテスト展開してきたが、売り上げが採算ラインに届かず、今後のエリア拡大が難しいと判断し事業自体を終了させることにしたようだ。

 「IYフレッシュ」はアスクルが運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」で実施している他の事業者が出店して商品を販売できるマーケットプレイスに出店する形で2017年11月28日からスタート。7&iHDではこれまで展開してきたネットスーパー事業で課題となっていた豊富すぎる品ぞろえによる廃棄ロスやハンドリングの難しさ、また、各店舗で商品をピッキングし配送する仕組みのためにピーク時には車が足りなくなることで発生する販売機会ロスなどに対応すべく、ターゲットとなる有職女性や子育て世代のニーズに合わせて、料理の時間短縮につながるような必要な分量だけカットされた野菜や調味料、レシピなどがセットされた同サイト専用商品となるミールキットやカット野菜、温めるだけで食べられるレトルト食品や総菜のほか、野菜や果物、精肉、鮮魚、牛乳などの乳製品、卵、デザートなどあらかじめ絞り込んだ商品展開とし、また、配送については東京・荒川区内に構えるイトーヨーカ堂のネットスーパー専用店舗「ネットスーパー西日暮里店」でピッキングした受注商品をアスクルの物流子会社のアスクルロジストの配送員が取りに行き、都内にあるアスクルの配送デポで荷合わせし、アスクルの直販商品と一緒に顧客に配送できる仕組みを構築し、東京の文京区と新宿区の2区に限定してテスト展開してきた。

 当初は2018年中に東京23区全域、2020年には首都圏へ展開エリアを拡大させていく計画としていたが客数などが伸び悩み、販売商品のラインアップを変更したり、夕方に調理した総菜を販売するなどのテコ入れを図ったものの想定していた水準まで売上高が伸びなかったもようで、そのためにアスクル側が代行していた配送コストをペイできない状態が続くなどしたよう。また、規模拡大のために展開エリアの拡大も検討したものの、ネットスーパー専用店舗は西日暮里の1カ所しかなく、他の地域で展開する場合はイトーヨーカ堂の実店舗で商品をピッキングする必要が出てくるが、ネットスーパー専用店舗よりも効率が悪化することからさらにコストがかさむと判断したもようで、展開エリアの拡大を断念すると同時に、事業自体も終了させることにしたようだ。なお、7&iHDの広報センターによればイトーヨーカ堂は事業構造改革を進めており、ネットスーパー事業についても大規模な出荷センターの建設を計画するなど事業を見直しているため、その一環としてIYフレッシュについても終了させることにしたとしている。ロハコ上で行う「IYフレッシュ」の受注は11月28日の午後11時、配送は11月30日の午後10時までで終了する。

 7&iHDとアスクルは「IYフレッシュ」の開始に伴う業務提携時に互いのECサイトや物流面でも連携していくと発表していたが、現在、7&iが運営するECサイト「オムニ7」と「ロハコ」で実施している相互送客などは今後も継続していくほか、EC物流の連携についても引き続き、話し合いを進めていくとしている。
 
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