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グルーポンがやって来た㊤、2カ月で10社が参入、拡大するクーポン共同購入

2010年 7月 8日 14:01


ネットを使ったクーポン券の共同購入サービスがにわかに脚光を浴びている。「グルーポン」型サービスなどと呼ばれるこの新たなビジネスモデルは、ツイッターやSNSといったソーシャルメディアを活用し"くちコミ"によってユーザーを集め、飲食店などのクーポン券を共同購入するという仕組みだ。4月にサービスが開始されるや、その参入障壁の低さから各社が続々と参入。ネットプライスらが設立した企業が同様のサービスを開始するなど7月1日時点で参入企業は10社を数える。盛り上がりを見せる「グルーポン」ビジネスの状況を見ていく。
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グルーポン型サービスの仕組みはシンプルだ。飲食店やエステ、レジャー施設などを通常価格の約50%以上の割引率で利用できるクーポン券をネット上で販売。1~3日程度の制限時間を設定し、一定数以上の購入者が集まった場合に限り取引が成立する。

 売り上げ金額の一部をサイトの運営者が手数料として徴収する。クーポンを提供する店舗側にとっては、ブランドを損ねることなく短期間で大量の集客を見込めるのがうまみとなる。

 特徴はソーシャルメディアを使った集客方法。設定販売数をクリアするためにユーザーがツイッターでクーポン情報をつぶやき、他のユーザーのつぶやきを引用するリツイート(RT)と呼ばれる機能を使ってさらにくちコミを拡大させる。このように集客に際してコストが発生しないため参入障壁が低いビジネスモデルと言える。

 もともとは、2008年11月に米国のGroupon(グルーポン)社が始めたのがきっかけ。同社は創業から2年未満の間で300億円を超える売り上げを叩き出したという。

 こうした成功を背景に同種のビジネスモデルが世界的に広がりを見せ、4月20日にはピクメディア(本社・東京都杉並区・森デイブ社長)が日本で最初となる「Piku(ピク)」を開始。次いで5月にはキラメックス(同・東京都千代田区、村田雅行社長)が「KAUPON(カウポン)」で参入した。6月に入ってから8社が参加するなど約2カ月で10社が参入している。

 グルーポン型サービスの競争は急速に白熱の度合いを強めており、ネットプライス(同・東京都品川区、佐藤輝英社長)とデジタルガレージ(同・東京都渋谷区、林郁社長)が設立したディールメート(同・東京都千代田区、佐藤輝英社長)が6月17日に「Qpon(キューポン)」という名称で同様のサービスを展開。「ネットプライスで10年間蓄積したギャザリング(共同購入)のノウハウを活かす」(小川卓也COO)と意気込みを見せる。

 これに対し、競合他社は「大手の参入でグルーポンというサービス形態が広く認知される」としつつも「今後は営業面を強化し、質の高いクーポンを提供しないといけない」と勝ち残りを目指す。

 さらに6月末には、グルーポン型サービスに特化したシステムパッケージが販売されるなどますます競争が激しくなる気配を見せる。

 参加企業の増加に伴い、クーポンの種類も飲食店を中心にホテル、エステサロン、陶芸教室、米、格闘技の観戦、ふとんのクリーニングなど多岐にわたる。

 クーポンの販売に際しては都道府県ごとにエリアを区切り、各エリアにつき1種類のクーポンを取り扱う仕組みだが、現在のところ、クーポンを利用できる店舗のエリアは東京に集中しており、各社ともエリアの拡大を急いでいる。(つづく)


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