ヤフーは10月、一定規模のネット販売実施企業のみに出店を制限した仮想モール「PayPayモール」を新設する。グループ企業が展開中のスマートフォン決済サービス「PayPay」の利用者向けのプレミアムモールという位置付けで、運営する仮想モール「ヤフーショッピング」での上位の優良店または上場企業や一定の年商規模の大企業のみが出店できるもの。2013年の事業方針の転換以来、「ヤフーショッピング」ではやめた売り上げに応じた手数料の徴収を新モールでは”復活”させ、売上の3%を出店者から徴収する。同時期に新設する「PayPayフリマ」とともに、購入額などに応じて、「PayPay」を付与するなど特典の付与などを強化して、「PayPay」の利用者を誘導し、さらにネット販売関連事業の拡大を狙う考え。また、”出店料無料”を謳い、出店者数、商品数の膨張を続けてきた「ヤフーショッピング」に埋もれることを嫌った上位の優良出店者や出店自体を控えていた大手事業者を引き込み、競合モールと差別化するための「特別な売り場」として機能させたい狙いもあるとみられる。
10月にも開設する「PayPayモール」は取扱商品が「PayPay」の残高でも決済できるようにした「PayPay」の利用者向けの仮想モールで、度重なるキャンペーンですでに800万人まで拡大している「PayPay」の利用者をオフラインから誘導。「PayPay」と連携した特典やキャンペーンを展開するほか、購入額に応じて「PayPay」のボーナス用電子マネー「PayPayボーナス」または「PayPayボーナスミニ」の付与を行うなどし、「PayPay」利用者にとって魅力度の高いインセンティブを付与していく予定。
なお、「ヤフーショッピング」でも「PayPay」での決済対応開始に合わせて6月3日から購入者に、購入額の1%分の「PayPay」を付与する試みをスタートし、8月からはヤフーの有料会員やソフトバンクの契約者などに追加付与しているインセンティブも「PayPay」に切り替える予定だが、「PayPayモール」ではヤフーショッピングよりも高い付与率とする模様。
モールの構成も工夫。例えばファッションや家電など商品ジャンルごとに適切なデザインを採用。また、検索のしやすさ、価格比較などの機能も見やすさなどを重視した作り(
画像=ファッションジャンルのイメージ)とする。将来的には実店舗を持つ出店者に在庫連携機能を提供し、顧客が注文した商品を自宅や職場など近辺の店舗で受け取ることができる機能も実装するなどし、利便性を高める試みなども行う計画だという。
「PayPayモール」は「ヤフーショッピング」のように無料で誰もが出店できるという形とは一線を画し、高い出店基準を設ける。「ヤフーショッピング」にすでに出店している事業者の場合は、ユーザーからの評価や受注商品の出荷の速さなどヤフーが定める店舗としてのレベルを一定期間、維持している優良店であり、かつ年間のヤフーショッピング経由の流通総額が1・2億円以上または出店者の中でも優良な店舗を選び表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード」を18年度以降受賞したことがあるなどの条件をクリアした上位店のみ。「ヤフーショッピング」に未出店の企業の場合は、当該社、または親会社などグループ会社が上場していること、またはグループを含む年商規模が100億円以上(家電カテゴリーは500億円以上)という条件をクリアした大手企業のみが出店できる。
「PayPayモール」では売上の3%を手数料として徴収する。「ヤフーショッピング」では13年10月に「eコマース革命」と称して、月額費用や売上ロイヤルティを無料として、出店者を増やし、出店者から出稿されるモール内広告で事業化するという方針転換以降は徴収してこなかった手数料を復活させた格好だ。「eコマース革命」の以前の「ヤフーショッピング」では出店プランや月商額によって徴収する手数料率にバリエーションがあったが「PayPayモール」では当面は一律3%とする方針のようだ。なお、売上手数料のほか、「ヤフーショッピング」でも現状、出店者から徴収している売上の2.5%分のポイント原資負担金を「PayPayモール」の出店者からも徴収するとしている。
「PayPayモール」は「ヤフーショッピング」の事実上、上位版モールという位置付けとなるが、出店者は両方のモールに同時出店はできず、「PayPayモール」に鞍替えした「ヤフーショッピング」の店舗は「ヤフーショッピング」から退店する形となる。つまり、「PayPayモール」への出店基準を満たしている事業者はヤフーの仮想モールへの出店形態を従来通り無料か、有料に切り替えるかを選択しなければいけないことになる。単純に考えれば、売上手数料が徴収されない「ヤフーショッピング」での出店に利がありそうだが、「PayPayモール」の出店者の商品は同モール内だけでなく「ヤフーショッピング」内の検索結果にも掲載されるなど商品の露出先が広がることや、今後、さらに拡大するであろう「PayPay」の利用者に強く訴求できる点などから手数料率を支払っても、鞍替えを望むヤフーショッピングの出店者も多いとヤフーではみているようだ。
ヤフーは「PayPayモール」の新設で、拡大を続ける「PayPay」の利用者のネット販売における買い物先として引き込み、13年の「eコマース革命」以降、年率20%増以上と順調に規模を拡大させてきた仮想モール事業を含むショッピング事業をさらに拡大させたい考え。
加えて、仮想モール事業拡大のためには流通総額の多くを稼ぎ出す顧客から支持の高い優良事業者や高い知名度や商品力を持つ大手事業者の積極的な参戦が必須となるが、出店にかかる初期費用、月額費用、売上ロイヤルティを無料にする施策を打ち出した「eコマース革命」以降、確かに出店者数や商品数は大きく増え、規模拡大には貢献したものの、その代償として、ヤフーとしても対策は進めているものの、怪しげな店舗や稼働すらしていないような店舗も増え、それら店舗との同一視や埋没を嫌った優良店やそもそも出店を避けていた大手事業者に「PayPayモール」を作り、「選別されたプレミアムな別の売り場」を提供し、”やる気”を引き出したい狙いもあるようだ。今後、ヤフーではいまだ「PayPayモール」への出店基準を満たさない「ヤフーショッピング」の出店者に対しても、PayPayモールへの出店を希望する場合は「出店基準に達するようにサポートしていく」(同社)としており、同社としても「ヤフーショッピング」の優良店の「PayPayモール」への鞍替えを促していきたいのが狙いのようだ。
なお、ヤフーでは「PayPayモール」のほか、今秋からはフリマサイト「PayPayフリマ」も新設予定。「PayPayモール」と同様、PayPay残高を代金決済に充当できたり、購入額に応じて付与する試みなどを行うほか、運営するネット競売サービス「ヤフオク!」とも連動して、ヤフオク内の個人出品や競売形式ではなく、固定価格で販売している商品など一定条件を満たす商品は「PayPayフリマ」でも閲覧・購入できるようにして商品数も確保しながら、「PayPay」ユーザーの利用を促し、同じくショッピング関連事業の拡大に寄与させたい考えだ。
10月にも開設する「PayPayモール」は取扱商品が「PayPay」の残高でも決済できるようにした「PayPay」の利用者向けの仮想モールで、度重なるキャンペーンですでに800万人まで拡大している「PayPay」の利用者をオフラインから誘導。「PayPay」と連携した特典やキャンペーンを展開するほか、購入額に応じて「PayPay」のボーナス用電子マネー「PayPayボーナス」または「PayPayボーナスミニ」の付与を行うなどし、「PayPay」利用者にとって魅力度の高いインセンティブを付与していく予定。
なお、「ヤフーショッピング」でも「PayPay」での決済対応開始に合わせて6月3日から購入者に、購入額の1%分の「PayPay」を付与する試みをスタートし、8月からはヤフーの有料会員やソフトバンクの契約者などに追加付与しているインセンティブも「PayPay」に切り替える予定だが、「PayPayモール」ではヤフーショッピングよりも高い付与率とする模様。
モールの構成も工夫。例えばファッションや家電など商品ジャンルごとに適切なデザインを採用。また、検索のしやすさ、価格比較などの機能も見やすさなどを重視した作り(画像=ファッションジャンルのイメージ)とする。将来的には実店舗を持つ出店者に在庫連携機能を提供し、顧客が注文した商品を自宅や職場など近辺の店舗で受け取ることができる機能も実装するなどし、利便性を高める試みなども行う計画だという。
「PayPayモール」は「ヤフーショッピング」のように無料で誰もが出店できるという形とは一線を画し、高い出店基準を設ける。「ヤフーショッピング」にすでに出店している事業者の場合は、ユーザーからの評価や受注商品の出荷の速さなどヤフーが定める店舗としてのレベルを一定期間、維持している優良店であり、かつ年間のヤフーショッピング経由の流通総額が1・2億円以上または出店者の中でも優良な店舗を選び表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード」を18年度以降受賞したことがあるなどの条件をクリアした上位店のみ。「ヤフーショッピング」に未出店の企業の場合は、当該社、または親会社などグループ会社が上場していること、またはグループを含む年商規模が100億円以上(家電カテゴリーは500億円以上)という条件をクリアした大手企業のみが出店できる。
「PayPayモール」では売上の3%を手数料として徴収する。「ヤフーショッピング」では13年10月に「eコマース革命」と称して、月額費用や売上ロイヤルティを無料として、出店者を増やし、出店者から出稿されるモール内広告で事業化するという方針転換以降は徴収してこなかった手数料を復活させた格好だ。「eコマース革命」の以前の「ヤフーショッピング」では出店プランや月商額によって徴収する手数料率にバリエーションがあったが「PayPayモール」では当面は一律3%とする方針のようだ。なお、売上手数料のほか、「ヤフーショッピング」でも現状、出店者から徴収している売上の2.5%分のポイント原資負担金を「PayPayモール」の出店者からも徴収するとしている。
「PayPayモール」は「ヤフーショッピング」の事実上、上位版モールという位置付けとなるが、出店者は両方のモールに同時出店はできず、「PayPayモール」に鞍替えした「ヤフーショッピング」の店舗は「ヤフーショッピング」から退店する形となる。つまり、「PayPayモール」への出店基準を満たしている事業者はヤフーの仮想モールへの出店形態を従来通り無料か、有料に切り替えるかを選択しなければいけないことになる。単純に考えれば、売上手数料が徴収されない「ヤフーショッピング」での出店に利がありそうだが、「PayPayモール」の出店者の商品は同モール内だけでなく「ヤフーショッピング」内の検索結果にも掲載されるなど商品の露出先が広がることや、今後、さらに拡大するであろう「PayPay」の利用者に強く訴求できる点などから手数料率を支払っても、鞍替えを望むヤフーショッピングの出店者も多いとヤフーではみているようだ。
ヤフーは「PayPayモール」の新設で、拡大を続ける「PayPay」の利用者のネット販売における買い物先として引き込み、13年の「eコマース革命」以降、年率20%増以上と順調に規模を拡大させてきた仮想モール事業を含むショッピング事業をさらに拡大させたい考え。
加えて、仮想モール事業拡大のためには流通総額の多くを稼ぎ出す顧客から支持の高い優良事業者や高い知名度や商品力を持つ大手事業者の積極的な参戦が必須となるが、出店にかかる初期費用、月額費用、売上ロイヤルティを無料にする施策を打ち出した「eコマース革命」以降、確かに出店者数や商品数は大きく増え、規模拡大には貢献したものの、その代償として、ヤフーとしても対策は進めているものの、怪しげな店舗や稼働すらしていないような店舗も増え、それら店舗との同一視や埋没を嫌った優良店やそもそも出店を避けていた大手事業者に「PayPayモール」を作り、「選別されたプレミアムな別の売り場」を提供し、”やる気”を引き出したい狙いもあるようだ。今後、ヤフーではいまだ「PayPayモール」への出店基準を満たさない「ヤフーショッピング」の出店者に対しても、PayPayモールへの出店を希望する場合は「出店基準に達するようにサポートしていく」(同社)としており、同社としても「ヤフーショッピング」の優良店の「PayPayモール」への鞍替えを促していきたいのが狙いのようだ。
なお、ヤフーでは「PayPayモール」のほか、今秋からはフリマサイト「PayPayフリマ」も新設予定。「PayPayモール」と同様、PayPay残高を代金決済に充当できたり、購入額に応じて付与する試みなどを行うほか、運営するネット競売サービス「ヤフオク!」とも連動して、ヤフオク内の個人出品や競売形式ではなく、固定価格で販売している商品など一定条件を満たす商品は「PayPayフリマ」でも閲覧・購入できるようにして商品数も確保しながら、「PayPay」ユーザーの利用を促し、同じくショッピング関連事業の拡大に寄与させたい考えだ。